12


「いいか、絶対離れるんじゃねェぞ」
「え?なんです?きこえなくて」
「だから絶対離れんなって言っ……オイ、何だ今隠したの」

口笛を吹いて目を逸らすなまえの腕を掴むとポロリと手から零れたボイスレコーダー。それを無言で踏み潰したキッドは、コートを翻してクルー数人に向き直った。

「いいか、俺達の目的は中にいるトラファルガーを引きずり出してぶっ殺すことだけだ」
「キッドさんのイケボコレクションに追加しようと思ってたのにシクシク」
「だがここは政府公認のブラックマーケット。中じゃ下手な真似は出来ねェ……奴から目を離すな」
「頭」
表情に真剣さを滲ませ、ヒートが口を開いた。

「一応聞いときますが…奴、ってのはどっちの問題児のことで」
「ちょっとヒートさんコラァ!まさかそれ片っぽ私じゃ無いだろうな!」
「両方に決まってんだろうが」
「キッドさぁんんんん」
不服を訴えようとするなまえの頭を鷲掴んだキッドは、額に青筋を浮かべてなまえを見下ろした。

「問題に巻き込まれるなっつっても巻き込まれる、面倒な奴らには近づくなっつっても、テメェを取り巻く殆どは厄介者……いいか!今お前の信用度はゼロだ!!」
「ほげー!がびーん!」
「その錠が解けたら覚悟してやがれ…。今度は俺がその首につけて、二度とうろちょろ出来ねェようにしてやるからな」

行くぞ!!再びコートを翻して歩き出すキッドの後を、数歩遅れて他のクルー達が追いかける。
「……」
へた、っとその場に座り込んだなまえを振り返ったキラー。やはり海楼石の錠は彼女の体に負荷をかけていたようだ。
「なまえ、俺に掴ま」
「キッドさんが私に首輪で束縛SMプレふおああああ神様ありがとおうううう!!」
「ああそうだったなお前はそうだった忘れてたすまんほら恥ずかしいから立て早くいくぞまったくもう」

かくして、ヒューマンショップ侵入成功

top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -