49


自らの能力で自分の思考を麻痺させジェイダーに忠実な人形になっていたハンナ。彼女とジェイダーの距離を離す事によって、その能力は完璧に解除され、彼女は自由の身となる。―――ハズだった。



「貴女は本当に馬鹿な子ね」
「……ぅ、あう」
「私達が負ける筈なんてないじゃない」
「げほ、…っど」

どうして。
分からない…。

「私が私にかけた能力は、確かにあなたの言った通りとけたわ」
「じゃ、あ…」
「でもそれは私達の勝利には何一つ関係のないもの。解けたところでどうってことない」
「………ぐっ」

だめだ視界が定まらない。
目を閉じれば均衡感覚が崩れ、私は地面に倒れ込んだ。多分。あれ、痛覚も触覚も麻痺してるのかな。何も感じないや。
だんだんハンナの声も遠ざかっていく。

(くそ……くそ!)

せっかくキッドさんの力になれると思ったのに。
私も戦えると、思ったのに。
「  、」

私はもう感覚も何もない中で、無理やり腕を動かしてハンナの足を掴んだ。

「とびとび、の……」

top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -