2


「そちらのお嬢さん、どこかの事務所に所属してたりする?してなかったら是非うちがモデルとして雇いたいんだけど」
「!!」

上陸した画期的な島で、探索班(ジャンケンで決める)の皆と一緒に町を歩いていると、スカウトマン的なおじさんに鼻息荒くそう声をかけられた。驚愕して言葉を失ったのは私だけではない。


「モモ、モモモデルゥウウウ!!?」
「馬鹿にしてんのかこのジジイ…!」
「どう見ても俺達海賊だろ!!」
「いやいや、今のご時世海賊からモデルへ転職ってのもよくある話だよ!」「初めて聞いたよ!!」
「モモ、モモモデルゥウウウ!!?」
「なまえちゃんさっきから煩いんだけど!」
「だって、モデ、モデルだよドレッドさん!やばい、キッドさんに報告してこなきゃっ」


今にも駆け出さんとしているなまえの襟首をつかんだキラーが、溜息を吐きながらスカウトマンに告げた。

「こいつはうちのクルーだ。安易に転職なんてさせるわけにはいかない」

何より、キッドが許さないだろうしな。と心の中で付け足す。
(いや、その前になまえが心の底から拒否するか)


「お金ならいくらでも出すんだけど…ダメかい!?」
「俺達は海賊だ。金が欲しければ欲しい時に奪う」

そこでようやく怯んだらしいスカウトマンは、残念そうにしながら道を開けた。

「行くぞ」
キラーに続いて歩みを再開した捜索班。
スカウトマンの洩らしたため息交じりの言葉は、なまえの耳にするりと滑り込んできた。


「これでまた、うちの社は『カップルコンテスト』棄権だな」


カ ッ プ ル コ ン テ ス ト

だと…?


「なまえ、どうした。」突然足を止めたなまえに、キラー達は振り返って尋ねる。
わななくなまえが上げた顔を見て捜索班は一瞬にしてすべてを悟った。

「オジサン…!!!その話、詳しく聞かせてください!!!」

海賊、愛を試す!
カップルコンテスト編スタート

top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -