「なまえ、ちょっと僕の相談に乗ってくれないか」


神妙な顔つきでそんな事を言ってきた眼鏡、ことジェームズ・ポッター。彼は2時間目の魔法史の時間を狙って私の隣に座ってきた。

「どしたのジェームズ」
「実は僕リリーが好きなんだ。おっと…これはオフレコで頼むよ」
「オフレコの意味知ってる?」
「リリーが好きなんだ」
「分かったよ」
「滾るこの思い伝わったかい?」
「たぎるとか気持ち悪いけど良く分かった」
「それは良かった。で、話は進むけど」

ああ、リリーへの熱い思いを聞いてほしかっただけじゃないんだ。前置きなげぇなこいつ。

「僕はリリーの恋人になりたいし、彼女の頼りになるナイトにもなりたいんだ」
「なれナイト思う!」
「真面目に聞いてくれ!ハナクソ付けるよ!」
「すいませんでした」
「それで、僕は彼女を守るべく、彼女の周りに不逞な輩がいないか常に目を光らせたりしているわけだ」
「うん、鏡を見たら不逞な輩がすぐ見つかると思うよ」
「なあなまえ、ジェームズの話を真面目に聞いてやってくれよ」

後ろの席から声をかけてきたのはシリウスだった。

「こいつの行いはストーカーすれすれだけど、エバンスへの気持ちは本物だ」
「まあ…そりゃ分かるけど」
「じゃあ犯人捜しに協力してくれ!」
「は?」

犯人?なにそれ。ちんぷんかんぷんな私の目の前でジェームズはごそごそとポケットを漁りだし、赤い封筒を取り出して見せた。

「今朝、僕のもとに挑戦状が届いた」
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