「三成、お前また飯を食べていないのか?そんなんだから細いんだぞ!」
「黙れ。誰しも食せば貴様のような筋肉馬鹿になるわけではない」
「そんなこと言うなよー。ワシはお前を心配して…」
「黙れと言っている!貴様に心配など!!虫酸が走る!」
「うーん。心配って言うかなあ…ワシ、三成の事が好きなんだ」
「ざっ、戯れ言を…!!」
「戯れ言なんかじゃないぞ!!ワシはいつだって本気だ!!」
「っ、何を、尚更戯れるなっ!!わ、私を好いているなど!!」
「はははっ、照れるな!ワシはお前と一緒に泰平の世を作りたいんだ!!」
「何を言っている…!!私も、貴様も同じ豊臣の一員だ家康!秀吉様の為に生きろ!!」
「…お前は…、お前の為に生きてくれよ三成」
「黙れ家康ゥ!!」
「はは、…でもワシは、いつでもお前だけを考えてるぞ」
「っっ、!!き、さま、よくもそんな恥もなく…!!」
「…愛してる、三成」
「…家康?」
「何でもない。とりあえずこの飯を食べてくれ!!」
「いらんと言っている家康ゥゥ!!!」
***
「……あ、……あ、あ………」
何故、何故、何故、何故!! 何故貴様が!!
「あ…あああああああ!!!」
貴様は泰平の世を作るのではなかったのか!!? 貴様は、貴様は!!!
貴様は……きさま、は………
私を 愛してると 言ったのに
「家康、家康ゥ家康ゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
許さない!! 許さない!! 貴様は私の全てを裏切った!
笑って、 愛してると言ったのに。 私に向かって、言ったのに。
頬を流れた滴は、 雨かそれとも。
思い出すのは、確かに愛しかったあの笑顔と、その嘘。
あの、言葉が、 酷く温かかった、のに。
「殺してやる!殺してやるぞォォ!」
あの愛しさは、全て。
いなくなるのなら 僕を好きだなんて言って欲しくなかった 嗚呼、その嘘が、 酷く酷く嬉しかった。 こぼれ落ちた涙は、 果たして秀吉様の為だけのものだったのか。
text by 1204
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