お題提供 確かに恋だった様


※家三だけど第三者がでしゃばってる











――ああ、おはよう。

やっと目覚ましたの。いや、言いたいことは解るよ、でもとりあえずまあ落ち着けって、ここで暴れてもしゃーないんだって、いや、人の話を聞きなさいコラ。
…はい、ちょっとは落ち着いた?
まず俺が誰かって?うん、ごもっともな質問ありがとう、俺は神様です!…いやいやいやいや、そんな冷めた目で見ないで下さい、本当。まあ俺情けないし?別に信じてもらえないのなんて今更だし?あ、気にしてないから別に。もう慣れっこだから。そんな同情の眼差しとかいらねーし!
…さてはお前、同情はするけど信じてないってとこだな?いーよ、どうせ信じることになるんだからな!べーっだ!

はい、あっかんべーはこの辺にしてそろそろ本題に入りまーす。ぱちぱち。おい、そんな胡散臭げな顔すんなや。確かに俺は神様だから?お前のことをとって食うことも出来るけど、俺は食わねぇよ、美食家だし!お前筋肉ばっかで不味そう!いや、今はどうでもいいか。

えーと、ね?
一応確認しとくとお前もう死んでるのね?ああ、自覚ある?じゃあ良かったよ、また暴れられたら困るからな。あ、本題ね、はいはい。
ここは一回死んじゃった奴がさ、次に生まれ変わる為の準備をする場所なんだけど…いや、だから人の話を聞きなさいってば。うん、信じらんないなら夢だと思って聞いててよとりあえず。えーと、それでだ。生まれ変わるにあたってお前の願いを叶えようってわけなのさ!どうよ!凄いだろう!?あーうん、胡散臭いってね、いいよ、別に。

はい、じゃあ胡散臭くてお美しい神様が、お前の願いを1つだけ叶えてあげます。あ?1つだけだよ!ケチじゃねーし!欲張るな!!
で、何かあんの?




「         」




ぷっ。
あーごめんごめん。そんな怒るなってば。ごめんって、違うの!今のは馬鹿にして笑ったわけじゃないから本当暴れない!自分の筋肉量を自覚しなさい!!


うし。
じゃあそろそろ行きますか。準備はいい?ん?本当に叶えてくれんのかって?当たり前だろ!神様なめとんかお前!うん、うん、やっと信じる気になったか。それで良い。
じゃあ行くぞ?あー?まだ何かあんの?解ったよ最後な、最後。ん?何で笑ったか?ぶふっ、そりゃあ…




お前の願いとまるっきり同じ願いを

ついさっき聞いたばかりだからなぁ







***


「起きたか、家康」

目の前に飛び込んできたのは、ずっと焦がれていた白銀の髪に琥珀色の鋭い瞳。
手を伸ばせば触れる距離に、三成はいる。


「なあ、三成」
「何だ?」
「…随分と、懐かしい夢を見ていた」


胡散臭いし、頼りないし、情けない神様だったけれど、感謝だけはしなければならないと思う。
今なら確かにあの“神様”を信じることが出来る。


「胡散臭い神様の夢なんだがな、ワシの願いを笑ったんだ。失礼だとは思わないか?」
「…何の話かさっぱり読めん」
「こっちの話だ。…幸せだということだよ」


三成のほんのり紅く染まった頬にキスをした。








上手くいったみたいで良かったよね。うん、二人とも幸せそうで何よりだ。やっぱ神様ってすげーでしょ?ほらね?
うん、でも俺もびっくりしたなあ。



(まさか、お前ら二人の願いが)


同じだったからこそ、叶えやすかったというのもあるのだけれど、ね。




『  と過ごす日々の許可を』

『  を愛しても許される日々を』



ああ、もう!
このバカップルめ!