雲影の下の蹂躙


ゆっくりとサレが振り返った。
アイスブルーの瞳が、ラズルの姿を虚ろに映す。


「……」

「サレ」


もう一度サレの名を呼ぶと、サレの瞳に色が戻った。しかし、それは完全に怒りの色だった。


「サ……、っ!?」


視界が回転し、柔らかな感触が背中を包んだ。そして、その直後に冷たく濡れた感触が唇を覆い、ぬるりとした物が口の中に侵入して来た。

自分は仰向けに横たわっていて、両腕はまとめて頭上で押さえつけられている。抵抗しようとして、腕どころか体すら動かないことに気付いた。サレにのしかかられているのだ。そこでようやく、サレに押し倒されて口付けられていると理解した。


「ん、……ぅ」


舌を絡められ、吸われ、散々弄ばれた後、ようやく口を解放された。サレは、どちらの物とも分からぬ唾液で濡れた口の端を吊り上げ、自身の首元のスカーフを静かに外した。


「サレ、何、どうしたの?」

「うるさい、黙れ」


一瞬にして冷たく表情を変えたサレが、語気を荒げた。そして、ラズルが大人しく抵抗を止め閉口したのを確認すると、ラズルの服に手を掛け、器用に脱がせていった。


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