※だって君が笑っていたら嫌だから。後を勝手に妄想 「…………」 「…………」 沈黙。部屋に漂う、重い重い沈黙。総悟は身動き一つしない。俺からは振り返らないと決めているので分からないが、微かに聞こえる呼吸の音だけが総悟の存在を伝えてくれる。 あぁしんどい。自分から突き放したくせに、この重い空気がしんどい。とはいえ先に喧嘩を売ってきたのは総悟だ。絶対に俺からは話しかけない。 「…………」 「…………」 ちくしょう、黙ってるならせめて自分の部屋に戻ってくれ!嫌がらせか、仕返しか、俺に気まずい思いをさせようって魂胆か。おまえには残念かもしれないが、俺はちっとも気まずくない。だから早く何か言ってくれ…。 心の中で総悟に頼むが、もちろんその言葉は届かない。総悟はひたすら黙りを決め込んだままだ。この際、俺から話をしようか。でも、それだと負けた気がする。こいつの思惑通りになるなんて、まっぴら御免だ。 「…………」 「…………」 ……にしても、そろそろ潮時だろう。さっきから背後を気にするあまり書類がちっとも進まないし、いい加減疲れた。ここは俺が、大人の余裕で折れてやろう。そう思って声を出したのはよかったのだが。 「そ、げほっげほっ、」 しばらく口を開いていなかったせいで喉がカラカラだった。とんでもなく嗄れた声を出した途端にむせた。総悟が吹き出す。 「はははっ、あんた、だっせぇの!」 「ふ、ふっざけんな!誰のせいだと思ってんだ!」 「あんたのせいでしょ。自業自得。」 「自業自得っておまえ…!」 言い返そうとして口をつぐんだ。俺のせいだといえばその通りだし、そうじゃないといっても間違いではない。どうやって反撃してやろうかと考えていると、背中に とん と何かがもたれ掛かった。 「あんたはいつだって、生真面目すぎて笑えらァ。俺があんたの分までのんびりしといてやりまさァ。」 数秒前の気まずい空気はどこへやら。懐かしさすら感じる気の抜けた総悟の声に、つい呆れる。 「馬鹿か。おまえがダラダラしすぎてっから、俺が代わりに気ィ張ってんだろ。」 意地の張り合い (さっきまでと違うのは、 二人とも笑っているということ) ───────── 未来さんから戴いたの作品の続きを本当に勝手に書かせていただきました。未来さんはぜひ受け取ってください♪ |