日がなのんびり毎日を俺は養護教諭という職の名の通り保健室で過ごしてる。今日もお茶が舌に熱い。

「どうしたらお茶は上手くいれられるのか」

窓際に入れたばかりのお茶を置いて、保健室の利用記録カードをまとめる。

「高杉先生いらっしゃいますかあ」

「おう」

カードから眼は離さない。声で保健室に入って来たのが根岸と分かるから。根岸は時たま保健室にやってきては俺に質問をぶつけて唐突に帰っていく。多分今日もまた何か質問を持ってきたんだろう。

「先生、付き合ってる人とかいる?」

「いねえよ」

「勿論今までにはいたでしょう?」

「まあな」

「じゃあ、生徒と付き合ったことある?」

「はあ?」

「あるでしょ」

「ねえよ」

今日はただのゴシップか。根岸は何を勘違いしている。置いておいた、お茶を口につけるとまだ熱かった。

「顔がそういう顔じゃん」

「お前は人を顔で判断するのか」

「だいたい?」

「それは大きな間違いだ」

お茶はいつ冷めるのだろう。


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