「じゃ、行くか」

「今、会ったのに」

7時49分には自宅に着いてしまったのだが、もう根岸は階段に寄りかかってわずかに震えながら立っていた。

「ど、どこ行くんですか?てかK駅に何しに」

「Y駅に飯食いに行く」

「もう8時ですよ?あそこ9時にはラストオーダーじゃ」

「11時までやってる」

自宅から10分歩いたところにJR、K駅がある。大人二枚580円の切符を買い、一枚を根岸に渡し丁度来た電車に半ば強引に乗り込んだ。

「イタ飯でいいよな」

「あの、携帯」

「俺初めてなんだよな、あそこの地下街で飯食うの。いつも五番街で付き合わされるだけだから」

「いや、携帯」

「何食うかな」



つぎ