何気ない日常3
昼食後、天華と天火は縁側でのんびりと過ごしていた
『今日は橋渡しもないし、久々にこうしてゆっくり出来そうだね』
「そうだな…、ってことで膝貸してくれ!」
了承を得る前に天火は素早く天華の膝に頭を乗せ、柔らかい膝枕を堪能する
『ちょっと、あんなに寝てたのにまた寝る気なの?』
「いいじゃねぇか。天火さんは日々の仕事でお疲れなんですー」
確かに、最近は罪を犯す輩が多いのか橋渡しが頻繁に起きている
加えて護送中に逃げる犯罪者も増えている所為で、その人達を捕まえるのも今月だけで何回あったんだろう
『ずっと、今みたいに穏やかな時間を過ごせたらいいのにね』
「そうだな。まぁ、俺は天華が隣にいてくれればそれだけで良いけどな」
空丸と宙太郎と白子も一緒に、みんなで笑っていられればそれでいい
『何か今日の天火は嬉しいことばっかり云ってくれるね?お姉ちゃんは嬉しいです』
「え?ああ…うん、たまには…な」
本当に何処まで鈍感なんだよ、お前は一一
特別なことなんてなにもいらない
ただ、みんなが笑っていて、幸せであればそれだけでいい
だから、今日みたいな何でもない日を大事に過ごそう
こういういつも通りの日常ほど、呆気なく崩れてしまう事をわたしは知っているから
『ずっと笑っていてね、天火』
「ああ、お前もな」
二人はそう云ってお互いに笑っていた
おまけ
「天華姉と天兄、仲良いっスね!オイラも入りたい!」
「仲良いって云うか、兄貴が一方的なような気もするけど」
「ほらほら、二人とも覗きは良くないからこっちに来て和菓子でも食べないか?」
頑張れよ、天火
end
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