何気ない日常1
「いつまで寝てんだよ兄貴!もう昼飯出来てるぞ!」
早く起きろ!と、この部屋の主である己の兄を起こすが全く反応がない
と云うか全く起きる気配がない
「おい兄貴!起きろって!…たくっ、こうなったら力づくで起こすしかないか」
中々起きない自身の兄、天火に頭を悩ませる空丸は何が何でも起こそうと握り拳をつくる
すると……
『空丸?天火はまだ寝てるの?』
「姉貴!」
まさに今、天火に拳骨をして起こそうとしていた空丸の後ろには彼等の姉である天華が立っていた
「このクソ兄貴、さっきから起こしてるのに全然起きないんだよ。だから殴って起こそうとしてたところ」
『休みの日は決まって起きないからね、天火は』
そう云って困ったように笑う天華は、自分が天火を起こすから先に昼食を取るようにと空丸を促した
「悪いな姉貴。まぁ、姉貴なら呼んだだけで起きそうだし適役かもな。じゃあ俺先に行ってるから」
『うん、天火を起こしたらすぐに行くね』
そう云って空丸は天火の部屋を後にし、宙太郎と白子の元に向かった
残されたのは天華と、いまだ深い眠りについているであろう天火の二人だけ
『天火、早く起きないとせっかく空丸が作ってくれたお昼が冷めちゃうよ?』
だから早く起きてと、天火の体を揺すりながら声をかける天華
そして数回揺すった後、突如布団の中から伸ばされた手にグイッと右手首を掴まれ、そのまま強い力で引っ張られる
「おはよ、天華」
気付くと目の前にはいつの間にか上半身を起こした天火が天華を見下ろしていた
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