□続・雨宿りで
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最近私の視界によく銀色が入ってくる。

「翠蓮ちゃーん 久しぶり」

「久しぶりって・・・

昨日会ったじゃないですか天パ」



今日は仕事のバイトが無く家に居ても何もすることがないので
外に出てふらふらと町を歩いていると
前方から昨日バイト先で見たような銀髪が手を振りこちらに声をかけてきた。


「ちょっと俺は天パじゃないって何回いったら分かるの

それに俺の名前は銀時だって・・

「銀髪だから銀時って・・・・
そんな単純な名前ある訳ないじゃないですか」

いやあるからァァ!!」



確かこの人によく会うようになったのは丁度将軍様がいらしていた祭りからだったと思う。

その祭りの時私は丁度町内のボランティアとして祭りに屋台を出して綿菓子売っていたのだけど
この人が客として来た瞬間店の綿菓子が売り切れた。


いや、正確にいえばその前に来たチャイナ服の女の子もかなりの量を買っていって危うく綿菓子の材料が無くなる所だったが・・・。


銀髪なんて珍しいから売ってる時ついみいってたら
そんな私に気づいたのか銀髪のお兄さんが絡んできて
結局その祭り事態は誰かさんのおかげで波乱におちた状態で幕をおろしたけど
そっから銀髪の天パから見つけられては絡まれる日々が続いてる感じだ。


「部下が呼んでいますよ、
仕事中じゃないんですか」

「いーんだって

どうせ犬探すだけだし
翠蓮ちゃんといる方が有意義だし」


めんどくさそうに鼻をほじくりながら口説き文句なのかどうか分からないセリフをはく天パ。

ダメでしょ部下も仕事もほっぽっちゃ。



ホラ
何かチャイナ服の女の子が白い大きな犬にのって凄い勢いでこちらに向かってきて・・・・





「あれ」


ヤバイと思った時にはもう私の体は前方に動いていた。

一方の天パは一瞬すれ違った私に何か言ったもののその後すぐに悲鳴が聴こえる、



危ない危ない。




私はあの高杉さんと過ごした雨宿りの一件で危険察知能力が数段にアップしたかと思われる、

自分でもビックリするくらい周りに警戒心を持つようになった。




「・・・・はぁ


・・そういえばあの日の雨宿りする前はこんなスッキリ晴れた天気だったなぁ」



ふとあの時を思いだし空を見上げる、


さすがに二度目はないか、
てかあってほしくないと睨むように私は空を見つめる。


それから暫く空を
ぼー・・・・としながら見ていた。








「・・・・・ん?



・・雲行きがさっきより怪しくなってきた?」



若干デジャヴを感じて私はすぐシャッターが閉まっているお店の軒下にはいる。


そこから数分後、
小雨程度だが雨が降り始めた。




「・・なんか懐かしいなぁ・・

高杉さん今頃何やってんだろ・・」




テロリストが何をやっているなんて大体悪いことをしていることぐらい想像がつく、

ただちょっと気になって声に出しただけだ。




ふぅ・・・とため息をつく。

雨はどうも憂鬱な気分にさせてくれるようで、私は早くやめやめと呟くように口を尖らせていた。





「お嬢さん隣失礼してもいいかィ」

「あー・・どうぞ」


半分やけくそな返事をした私の視界に紫が侵入する。






・・・・てアレ?




この着物・・・

声・・

加えて妖しいオーラ・・・・






・・・え?








色々先程より嫌なデジャヴを感じる私はチラリと私の隣にいる人物へと目を向けた。






「・・・・・よォ久しぶりだなァ」


そこには片目を包帯で覆ってニヒル笑いを浮かべるエロテロリストが。




「・・・・・・はい・・」



あの銀髪天パより久しぶりの使い方があっていて
隣とは真逆の笑いをを浮かべた私がそこにいた。




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