テイルズ短編 | ナノ



夜中急に会いたくなる病です!

「寝れねぇ……」

真っ暗の中手探りで携帯を探し時刻を見ると夜中も夜中、午前1時過ぎ。
眠れなくても眠たさはあるのかルークは大きく口を開けながら欠伸をした。1時間近くベッドの中でゴロゴロと眠れないものかと横になっていた。だが一向に眠れる気がしない。どうせ眠れないのだから、と何か面白いものはないかと暗がりを探して携帯をいじるが気を引くようなものはなくて。ルークはつまらなさそうに携帯を放り投げた。
だが何を思い立ったのかルークはベッドから起きあがり先程放り投げた携帯を手に取り上着を着て部屋から脱出した。

暫く歩くと見えてくるルークの家より大分古びた家の敷地にルークは我が物顔で入っていった。
ピンポーンピンポーン、とインターホンを連打すると中からは気怠げな顔をした男が不機嫌気味に出て来た。

「よっ、ユーリ。」
「よっ、じゃねぇよ。いったい今何時だと思ってるんだ。」
「1時過ぎだろ、何言ってんだよ。」
「そういうことじゃ……って、まぁ来ちまったもんはしゃーねぇな。とりあえず入れ。」

ユーリはそのつもりだっての、と当然のように入るルークに深く溜め息を吐きながら眠気からか欠伸をした。
部屋に通しここへ来た理由を尋ねると寝れなかった、と返された。

「だからってお前、俺の迷惑とか考えないのかね。」
「はぁ?何で俺が迷惑になるんだよ、来てやったんだぞ。」
「……へいへい。…でもなこんな夜中に外をほっつき歩いてて何かあってからじゃ……」

遅いんだぞ、とユーリが言い終える前に何か赤いものがユーリの腰にダイブした。それは正しくルークで。腰に巻き付くルークにどうした、と訪ねる前に先程までの言い草はどうしたのか、俺は悪くぬぇ、ともごもご歯切れの悪い返事を返す。流石にそれでは聞こえないと言うと腰に回す腕の力が少し強くなった。

「……仕方ねぇだろ、だって、急に会いたくなったんだから…」

そう言ってよけい恥ずかしくなったのかルークはよりぎゅう、と強くユーリに抱きついた。
そんなルークにユーリが悶絶したのは言うまでもない。

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