「絶好のドライブ日和だね!」
「そうですね」

雲一つない晴天。ドリンクホルダーから炭酸飲料のペットボトルを取ってキャップを開ける。プシュッ、という爽快な音はどうしてこうも夏に合うんだろう。

「お、海見えてきた」

窓を開けて少しだけ顔を出すと仄かに潮の香り。塩分を纏った少し重たい風が車内に吹き込んでくる。

「晴れて良かったねー雨の日の海って憂鬱でしかないし、運転面倒くさいし。はい、お茶開けたよ」
「ありがとうございます。運転してんの僕ですけど」

そう。今日は自分の車の運転席ではなく、助手席に座っている。
キャップを開けたペットボトルを運転席の手元に向かって差し出すと、彼は右手でハンドルを持ったまま左手で受け取った。

「いやー自分の車の助手席に父親以外の運転で座れる日がくるとは!」
「毎日「免許とれた!?」って聞いてきたくせに」

はぁ、とこれみよがしにため息をつく。
自動車学校に通い始めて3日後に「免許取れた!?」と聞かれた時は「この人本当に運転免許持ってるんだろうか」と疑った。合宿だって最低でも2週間はかかるのに。

「沿岸のちょっといい旅館で蛍くんにたらふくカニ食わすプランが実現してよかったね」
「よかったも何も勝手に予約したんでしょ…言っときますけどカニそんなに食べませんから」

数年前に速攻ボツになった旅行案が遂に実現した。彼の言う通り「大学の夏休みどこか2日頂戴!」とだけ言って勝手に旅館の予約を入れた。事前に言ったら絶対面倒くさそうな顔をされると思ったから。まぁ「予約したよ!」と報告した時の顔も見物だったけど。

「旅館のすぐ後ろが海水浴場になってるんだって」
「泳ぐんですか?お盆過ぎてるし、クラゲ出て危ないですよ」
「え、ううん。水着持ってきてないし」
「報告の意味」

スマホで旅館のホームページを見ながら報告すると、前を向いたまま呆れた顔をされた。

「毎年買うタイミング逃してるんだよなぁ」
「まぁ年に1回行くか行かないかならわざわざ買わないですよね」
「そう。水着って流行りもあるじゃん?」
「はぁ、知らないですけど」

心の底から興味がないという言い方だ。

「ちょっと前はミニスカートみたいなやつが流行ったんだけど、今はハイウエストが流行りらしいよ。下腹隠れるから凄くいい流行りだと思う」
「へぇ」
「一応毎年お店には行くんだよ?でもこれ私に着こなせんのかなぁ?とか買って海行く暇あんのかなぁ?とか思うとなかなか買うに至らないというか」
「ふぅん」
「………………」

変わらず前を向いたまま(運転中だから当たり前だけど)生返事を続けられると流石に文句を言いたくなってきた。

「もうちょい興味持とう???」
「すいませんホントに興味がないので」
「彼女の水着姿って妄想膨らまない?マネキン見てこういうの似合うんだろうなぁとか考えない?」
「いえ全く。逆に似合わなそうなのなら想像出来ますけど」
「私に谷間がないから?」
「それは知ってます。今更どうにかなるものでもないし、お悔やみ申し上げますとしか」
「私の胸が死んだみたいな言い方やめて」

途中休憩を挟みながら2時間ほどで海沿いの旅館に到着した。2時間のうち1時間は水着の話をしていたような気がする。

「着いたー!!磯の匂いだー!!!」

車を飛び出して伸びながら深呼吸する。
内陸にいるとなかなか嗅ぐことのない潮の匂い。青い空を飛んでいるのは烏や雀ではなくウミネコとカモメ。この独特の空気感はいつ感じてもわくわくする。

「…疲れた」

運転席から降りた彼は対称的にぐったりしている。

「帰りは運転代わるから」
「助手席って楽だったんですね…ってか荷物重ッ!」

2つ持ってきた中で一番大きなボストンバッグを車から下ろしてくれた彼は持ち上げた瞬間に声を上げる。

「1泊なのに何入ってんですかこれ…」
「内緒」

案内された客室はドアを開けると小上がりになっていて、格子戸でバスルー厶と居住スペースが分けられていた。戸を開けると真っ先に真っ青な海が目に飛び込んでくる。

「オーシャンビューだ!オーシャンビューだよ!!」
「見れば分かります」

窓辺に駆け寄る自分をよそに彼は落ち着いた様子で荷物を下ろす。15畳ほどの広々した空間に一枚板の立派な座卓と座椅子。床の間には掛け軸と花が生けられていていかにも「良い旅館に来ました!」という感じだ。

「こういう時はテンション揃えていかないと!カップルが旅行中に喧嘩する確率って凄いんだぞ!?」
「あぁ…なんか知らないけど旅行行くと皆喧嘩するらしいですよね」
「何でなんだろう?楽しくないのかな?」

サンルームの椅子にバッグを置いて畳に座り込む。畳の感触が久々なのでつい無駄に触ってしまう。

「普段見えない所が見えるからじゃないですか。家族でも四六時中一緒にいるって滅多にないし」

彼は荷物を整理しながら他人事のように言った。まぁ確かに仲のいい友達との旅行も行きたい場所がバラけたり段取りが悪くなると気まずい空気になったりするけど。

「蛍くんはどこ行きたい?って聞いても「どこでも」とか「別に」って言うと思ったからまるっと私が予定組んじゃったけど嫌になったら言ってね」
「え、嫌になるほど予定詰め込んだんですか?」

手を止めて怪訝な顔をされたので、移動用のショルダーバッグを肩に掛けて立ち上がる。座った時間僅か3分。

「ひとまず浜辺を歩きながら考えようと思います」


旅館の案内にあった通り、海水浴場は旅館の真後ろだったので徒歩5分で到着した。小中学校の夏休み開けということもあって人は少ない。

「うわ、スニーカーに砂入った」
「諦めて脱ぎなよ」
「…いつの間にサンダル履き替えたんです?」
「部屋出る時」

濡れて固められた砂浜にはくっきり足跡が残って、穏やかな波が足の裏を攫っていくと足跡は跡形もなく消えていった。普段あまり体感しない感触だから癖になる。
一方、スニーカーを脱いで乾いた砂地を歩いていた彼は徐に立ち止まって自分の足元を見つめていた。

「カニでもいた?」
「…いや。砂浜って思った以上に足の踏ん張り効かないなと思って」
「?当たり前じゃん」

サラサラの砂地を踏みしめて彼が言ったので首を傾げてしまった。まるで生まれて初めて素足で砂を踏んだ人みたいなリアクションだ。

「…高校のチームメイトに、ビーチやるって卒業してすぐリオに行った奴がいて」
「え?リオ?ブラジル?」

引き返して彼の横に並ぶと何とも言えない微妙な表情をしていた。

「Vリーグ行った子とは違うの?」
「違います。大学とかVリーグとか別にどこからも声かかってなかった奴」
「………それは…何ていうか」
「バカでしょ」
「うん、いや…無謀というか行動力が凄いというか…」
「僕が県の強化合宿に呼ばれたことあったじゃないですか」
「?うん」
「そいつ呼ばれてないのに来て」

そこで耐えられず吹き出してしまった。

「先生とコーチと先輩にめちゃくちゃ怒られてました」
「そりゃ…そりゃあそうだ……」

心底呆れたような顔で彼は言った。
恐らくリオに行った本人の前でも全く同じ顔をしたのだろうなと思ったら何だか笑えた。

「なんていうか…上手くなるためにやれることは全部やるみたいな、見てて疲れる奴です」

そう言った彼は苦々しい顔をしていたけど、決して侮蔑的な言い方ではなかった。そういうチームメイトがいたからバレーに対する考え方が少しだけ変わったのかもしれない。

「ビーチかぁ…個人でスポンサー契約してる選手多いって聞くよね。動画とか上がってないの?」
「………………」
「その顔は「上がってるけど癪だから見ない」って顔だな」

分かりやすいんだか分かりにくいんだか。

「ほら検索して」
「自分のスマホですればいいじゃないですか…」
「私その子の名前知らないし。ほらほら!」

肩をバシバシ叩いて急かすと渋々スマホの動画アプリを起動し始めた。

「これです」

堤防沿いのベンチに腰を掛けて、2人でスマホの画面を覗き込む。編集された動画に付けられたハッシュタグやコメントに書かれた言語は英語ではない別の言葉だ。

「…ブラジルって何語?」
「ポルトガル語」
「「ショーヨー」は読める。これこの子の名前?」
「はい」

画面には体格のいい外国人選手と小柄な選手が映っている。帽子とサングラスをしているから顔はよく分からないけど、恐らくこの小柄な選手が「ショーヨー」くんなのだろう。

「あーなんか県予選の時の記憶あるな…周りも騒いでたけど…ぶっちゃけ蛍くんが怪我してから試合観るどころじゃなかったから」

カラッとした南米独特の空、ネットを挟んで選手が2人ずつ。ビーチバレーの詳しいルールは知らないけれど、コートに2人しかいないから常にどちらも動き回っていなければいけない。見ているだけで息が切れそうだ。

「…これ、砂だから他の選手と変わらなく見えるけど床だと最高到達点かなり高いね…」
「高校の時で330cmくらいあったと思いますけど…あの時は栗子さんより背低かったですよ」
「マジか!烏野やばいな。卒業生日本代表にVリーガーにビーチまでいるのかよ。最近倍率高いのそのせいか」
「イタリアでカジキ捕ってる先輩もいます」
「なんて???」

東京・梟谷の木兎や仙台・白鳥沢の牛島など、当時の男子高校バレー界を席巻した彼らの時代は妖怪世代とか言われている。日本代表、Vリーグ、海外リーグの移籍が決まっている人もいると聞く。でもイタリアでカジキは初めて聞いた。

「あっ…と、やばい今何時?」
「11時過ぎたとこです」
「お昼食べたら遊覧船乗ろ!」
「…一応聞きますけど他にどんだけ予定組んでるんですか?」
「えっとね…遊覧船乗ったら海洋博物館行って、お寺の近くの茶屋であんみつ食べて、お参りもして、ガラス工芸館見つつお土産屋さん回る!」
「予想以上の詰め込み方…でも海洋博物館は見たいと思ってました」
「でしょ?丁度今週まで深海生物展やってるんだって。またオオグソクムシ見れるよ!」
「…オオグソクムシ気に入ったんですね」



「すごいご飯がちゃんと準備されてる!」

予定していた散策を終え、温泉に浸かって部屋に戻ってくると大きな座卓がサンルームに移動して2人分の御膳が用意されている。

「まぁそれが旅館の醍醐味ですからね」
「上げ膳据え膳って贅沢だよねぇ」
「…すごい量」

真ん中に刺身の盛り合わせ。小さな土鍋の中では出汁が煮えていて、隣に置いてある牛肉をくぐらせて食べるらしい。その他にも色とりどりの小鉢が多数並んでいる。そして最大のメインであるカニが丸々1杯、でーんと別皿に乗って一際存在感を放っていた。

「さ、乾杯しよ!」
「いや、流石に旅館のメニューにカルーアミルクがないことは分かるんで。お一人でどうぞ」

そう言って席に座ると、彼女は瓶ビールを持ったままにやりと笑う。

「私さっき下の売店で牛乳買ってきたの」
「それが何………まさか」

瓶ビールをテーブルに置いて、サンルームの鞄の中から新たな瓶を自慢げに取り出してきた。

「じゃーーん!カルーア原液!!!」
「旅行に酒瓶持ってくる人初めて見た…」

キャンプならまだしも。
心底呆れた顔をされたけれど、気にせず開栓してよく冷えたコップにカルーアを注ぎ始める。

「割合どのくらいなんだろ?適当でいい?」
「僕も知らないですけど…いや多いでしょ!」

備え付けの小さなコップだから、気づいたらコップの半分くらいカルーアが入っていた。
そういえばカルーアってアルコール度数20%くらいあるんだっけ。

「しょうがないなぁ、私も1杯目はカルーアにするよ」

もう一つのコップにカルーアを半分移して、売店で買ってきた牛乳を注ぐ。純和風の旅館の一室でカルーアミルクが出来上がるってなかなか面白い光景だ。

「はい出来た!カンパーイ!」

グラスを合わせて同時に口に運ぶ。

「…このためにわざわざ酒瓶持って来たんですか?」
「うん。言ったじゃん、こういう時はテンション揃えていかないとって」

カルーアミルクってびっくりするほど刺身と合わないな!と笑う。

「………ありがとうございます」

珍しく素直に口から出た言葉を聞いて向かいの彼女は一瞬目を丸くした。

「どういたしまして」

ふふ、と笑う顔はとても嬉しそうだ。


1時間ほどかけてゆっくり夕飯を食べた後、びっくりするほどベストタイミングで仲居さんがお膳を下げに来てくれた。「この後もお出掛けになられるようでしたらお布団をご準備しておきますよ」と言ってくれたけど、流石にそんな気力はないので自分たちで準備することにした。
布団を敷き終わった後、彼は「さっき混んでてゆっくり出来なかったからもう一度温泉入って来ます」と部屋を出ていった。
テレビを流し見しつつ、サンルームの椅子に座って1人で晩酌している。

「街中のホテルもいいけどやっぱ年に1回はこういう旅館に来たいよなぁ」

大きな1枚ガラスの向こうに広がる夜の海。いつもはまだ仕事をしている時間だ。なんて贅沢なんだろうと思いつつ手元のビールを口に運ぶ。

(…明日の予定今のうちに確認しとこ。チェックアウトが9時だから…来た道戻りつつ途中で灯台寄って…市内戻ってきたらお昼食べて天文台行って…あ、調べたケーキ屋さん先の方がいいかな?秋服も見たいな〜)

スマホとガイドブックを交互に見ていたら自然と欠伸が出た。


30分後

「駄目な大人の典型的な例…」

部屋に戻ってくるとサンルームの座椅子に座る彼女は窓枠に寄りかかって爆睡している。

「風邪引きますよ」

肩を叩いてみるけど少し顔をしかめただけで起きる気配がない。
兄も正月実家に帰ってくるとリビングで酒を飲んでそのまま寝ていたりする。こういう大人にはなるまいと思っていたけど、今日は随分歩いたし流石に疲れているのだろう。
はぁ、とため息をついて寝ている彼女を抱え上げた。

(……持てるものなんだな)

初めて抱え上げてみたけど意外にすんなり持ち上がった。学生時代より体が大きくなったから当たり前といえば当たり前だけど、今まで持ち上げなければいけない状況に陥ったことがなかったから分からなかった。

「…………」

布団の傍まで運んで来て気持ち良さそうな寝顔に視線を落とす。大浴場に備え付けのシャンプーなのか、いつもとは違う匂いがした。
次の瞬間、テーブルに置かれていた彼女のスマホのアラームが鳴る。それと同時に両手を離してしまった。

「ヴェッ!?」

当然彼女はボスン、と音を立てて布団に垂直落下する。

「な、何!?地震!?」
「…すいません今のは僕が悪い」
「地震が!?何で!?」

数十センチとはいえ寝ていた所を上から落とされたのだから当たり前の反応だ。目を白黒させている彼女のスマホのアラームを止めてため息をつく。

「…アラームセットしてたんですね」
「そりゃ蛍くんが戻ってくる頃には起きようと思ったから…もしかして私が寝てたから運んでくれようとしたけど重くて持ち上がらなくて落とした!?」
「9割合ってるの怖いんですけど…起きてました?」

狸寝入りだったのかと疑うくらいの的中率だ。

「バッカお姫様抱っこなんてレア体験狸寝入りなんかするわけないだろ!されるならバキバキに起きてる時がいい!」
「すいません、音にびっくりして落としました」
「スマホ落としたみたいなノリで言うじゃん…じゃあもう一回やって?」
「え、嫌ですけど」

寝ていたから抱えたのであって、起きている時にわざわざ抱える必要性を感じない。

「…だよね…蛍くん体大きくなったと言っても重いものは重いもんね…何かあってチームと就職先に迷惑かかるようなことになったら流石に責任取れないし…お姫様抱っこなんて一生に一度あるかないかの貴重なチャンスに寝てた私が悪いんだ…ちょっとだけ腰とお尻痛いけどそんなの蛍くんが怪我するリスクを考えたら微々たるものだもんな」

心底残念そうにはぁ、と肩を落とすしおらしい仕草とは裏腹に言っていることが挑発と皮肉に満ちている。
不可抗力とはいえ落としてしまった罪悪感があるから、いつものように突っぱねることは出来なかった。

「………首、ちゃんと掴まって下さい」
「!やった!」

表情がぱっと明るくなって、子供のように首にしがみつく。それを確認して改めて体を抱え上げた。…寝ていた時より軽く感じるかもしれない。

「おおぉぉ〜〜!天井手着きそう!あ、着いた!」
「手離さないでバランス取れないから!!」

訂正。乗ってる人が暴れると抱える側の安全も危うい。

「重い?」
「…それなりに」
「ってかアレだね。抱えられてる側も意外と神経使うっていうか…大丈夫だと分かってはいるんだけど無意識に腹筋とか腕に力入る…今めちゃくちゃ腹筋固めてる」
「受け身取れるようにしといて下さい」
「落とす前提で進めないで!」

190cmの目線を思う存分堪能した後、彼はちゃんと屈んで床に下ろしてくれた。

「ありがと!お姫様抱っこ自体も貴重だけどしてくれる人が190cm超えってのも滅多に……」

掴まっていた首から手を離して立ち上がろうとすると、その手を引き止められて視界が遮られた。

「……、」

よろけた腰を後ろから支えた手の熱に思わず体が強ばってしまう。浴衣は薄いから引き止められた手をどこに落ち着かせたらいいのか分からない。肩に触れると嫌でもその広さを意識してしまって心臓が跳ね上がった。
十数秒して距離を取る。…湯上りかってくらい全身が熱い。

「………するならするって言って!!!!」
「すいませんしました」
「それは事後報告と言う!!仕事で自己判断からの事後報告は一番怒られるやつだからね!」
「はいはい」
「はいは1回!!!!」
「明日の予定聞いてないけど何時起きなんですか?」

そして何事もなかったかのようにサンルームの灯りを消し、就寝の支度を始めている。

「…灯台行って仙台戻ったらお昼食べて天文台行って私の秋服選びに付き合って貰って新しく出来たケーキ屋さんでお茶するので7時には起きたいです」
「分かりました。おやすみなさい」
「早い!!おやすみ!!!」

スマホでアラームをセットすると眼鏡を外してさっさと布団に入っていく。灯り消しといて下さいね、と言われて1人呆然と佇む。
…こちとら火照りが落ち着くまではどう頑張っても寝られそうにないのに。

翌朝早く寝た彼の方が何故か眠そうで、寝られないと思っていた自分の方がスッキリ起きられたのは笑い話だ。





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