memo | ナノ



暴かれる内情
2013/07/17 00:33

 脚を開いたまま呆然と、穿たれる瞬間を待っていた。自分が今どんな顔をして誘うような目で彼を見ているか、考えるまでもない。厭だ厭だと喚く声はその実早く欲しいとねだり甘えている。これでは淫乱と罵られても噛みつけはせぬ。
「ねえ、何を考えているの……」
 ほら、そうやって、遊女のように催促をする。君の熱を頂戴。ちょうだい。
 本当のところは決して口にしない。言葉にしなくとも彼は汲み取ってくれる。彼だってそれを楽しんでいるのだからwin-winだ。誰も損をしてない。
「君は」
 そう呟いてから彼はまた押し黙った。無言で私の顎のライン、耳の後ろから首筋にかけて、それから肌に浮き出た血管をなぞる。
「んっ、くすぐったい……」
 ぞわぞわする感覚に少し身を捩ると、彼は諦めたように溜息を吐いて動き出した。唇を重ねて私の腿を抱え上げ、ひたり、と彼の熱が、私の中に。
「あっ、」
 押し込まれるごとに甲高い嬌声が上がる。奥深くを抉るように突き込まれる。ぐらぐらと激しく揺すぶられて、頭の芯まで熱くなる。ひくり、ひくりと喉が痙攣する。熱さと痛みに全身が戦慄いた。
「関口、」
「んあ、きょう、京極堂、」
 耳元に、おそろしく熱を持った彼の声が囁いた。私はその背中に腕を回して縋り付き、腰を揺らす。体内を掻き乱される感覚が堪らない。もっと、もっとと貪欲に、彼を求めて、搾取する。

 もっと見抜いて。
 もっと乱して。
 もっと、私を、理解して。



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