Sacrifice1 | ナノ
輪姦/脅迫



野球が好きだった。プロになりたいだなんて大それたことは考えていなかったけれど、小学生の頃から続けていた野球を当然高校でも続けるつもりだったから、自分の偏差値でいけそうな高校の中で一番強い野球部があるところを選んで入学した。男子校なのがネックだったけれど、高校三年間は野球に打ち込んで、彼女を作ったりするのは大学に行ってからでもいいかと思った。


入部してはじめに驚いたのは、選抜地区予選8位の高校にしては部員数が少なかったことだ。各学年10人前後しかいないなんて全国の野球部の中でもかなり少ない方だと思う。確かにこの高校が準々決勝まで残るようになったのはここ1、2年の話だけど、それにしてもチームの強さと部員数の数が見合ってなさすぎる気がした。
おまけに中学時代監督や先輩に厳しくしごかれてきた自分からすると、この部は色々とヌルすぎる。上下関係も比較的緩く、監督やコーチも拍子抜けしてしまうほどのヤル気の無さだった。だけど、先輩たちのプレーは確かにうまくて、チームも纏まっている。強さの理由はわからなかったけれど、先輩たちからなにか盗めるものがあればと思い毎日練習に打ち込んだ。


男子校だから、当たり前のように女子マネージャーなんて響きのいい存在はいなかった。代わりに男子マネージャーが3人いたが、そのうち2人は他の部活とも掛け持ちしているようで、3年生の水沢さんという人が1人で全ての仕事をしているようなものだった。
水沢さんは、野球部のメンバーに紛れていると人一倍目を引く容姿をしている。ガタイのいい選手たちとは違い身長も165センチ程度しかなくて線も細いし、髪も坊主どころかスポーツ刈りにすらしていない。どこか憂いを帯びたような儚げな雰囲気も相まって、選手じゃないという点を除いても、パッと見た感じ運動部とは思えない佇まいだった。どちらかというとピアノやバイオリンを弾いているのが似合いそうな雰囲気だ。
水沢さんと話す機会はほとんどなく、朝や帰りの挨拶とドリンクを受ける時にお礼を言う程度だった。








「あれ、橋本じゃん。おはよう。」
「えっ、あ、水沢さん!はよーございます!」


いつも通り朝練に向かおうと電車に乗り込むと、まだ人のそれほどいない車両のドア付近の手摺にもたれるように立っていた水沢さんに声をかけられた。同じ路線を使っていることを知らなかった俺は慌てて頭を下げて挨拶すと、水沢さんは小さく笑った。
普段は選手より1時間ほど遅れてやってくる水沢さんがこんなに早い時間の電車に乗っていることを不思議に思い質問してみると、今朝は今週末の他校との練習試合の準備の諸々があるからだと言う。


「部活どう?そろそろ慣れてきたか?」
「はい、おかげさまで」
「橋本ってポジションどこだっけ?」
「基本的にはショートっすけど内野ならどこでもできます」


他愛もない話をしながら2人で電車に揺られる。野球のこと、趣味のこと。話してみると水沢さんは選手の先輩たちよりさらにフレンドリーだった。今までどこか近寄りがたいイメージがあったせいか、色々と話せたことが嬉しくてつい突っ込んだ質問が口から飛び出てしまう。



「水沢さんってなんで野球部のマネージャーやってるんすか?」
「え?」
「いや、あんまり運動部っぽくないというか…あ、いや、全然悪い意味とかじゃないです!」
「はは、別に怒んねーよ。よく言われるし」
「すいません…」


水沢さんは謝んなって、とまた笑って俺の目をじっと見つめた。


「俺さ、元々選手だったんだよ」
「えっ、あのチームでっすか?」
「うん、一応レギュラーだった。」


あ、これはまずい。聞いてはいけないことを聞いてしまったかもしれない、と俺が少し怯んだのに気づいたのか気づかなかったのかは定かではないが、水沢さんは少し声のトーンを上げて明るく話しはじめた。


「その時は普通に坊主だったし今よりは運動部っぽかったかもな。まぁ身長伸びなかったし筋トレしてもなかなか筋肉つかなくて他の奴らに比べたらなよっちかったけど。」


坊主の水沢さん…を想像しようとしたけど頭の中でうまくイメージが固まらなくて難しい顔をしてしまった。そんな俺を見て水沢さんはまた少し笑い、車窓の外の景色に目を向けるとどこか遠い目をして続けた。


「……マネージャーになったのは怪我して野球続けられなくなったから。よくある話だろ?」


俺の予感は的中した。確かによくある話ではあるけれど、本人からしたら話したくない類のことだったかもしれない。だけど急に話を遮ったり話題を変えるのもおかしいよな…と思い黙って話を聞く。


「1年の冬におっきい怪我してさ、後遺症が残ったんだ。日常生活には支障ないレベルだけど野球は諦めたよ。」
「………え!?つーことは1年でレギュラーだったんですか!?」
「うん、スタメンになったのは1年の秋だけど夏の大会も一応ベンチ入りはしてた。」


いくら人数の少ない部だとは言え、なかなかあることじゃない。素直に驚いた。
そしてもったいないですね、と言いかけて慌てて口を噤む。一番悔しかったのは水沢さんだということは間違いない。


電車を降りて学校に向かいグラウンドに入ったところで、俺の少し前を歩いていた水沢さんは、あ、と小さく呟き振り向いた。


「他の1年には内緒な、怪我したってなんかダサいから知られたくないんだ」



冗談っぽくそう言い人差し指を唇に当てると、水沢さんは部室ではなく校舎の方に消えていった。その背中を見届けながら、俺は嬉しいような悲しいような不思議な気持ちになる。
他の奴らにも「水沢さんってなんかミステリアスな感じするよな」と言われている彼と、大げさだけど秘密を共有している自分に少しだけ優越感を覚えた。







水沢さんは特別整った顔立ちをしているわけではないが、涼しげな目元や儚げな空気感、そしてどこか垢抜けた大人っぽい雰囲気が目を惹く。むさくるしい男しかいないこの学校ではやや異質な存在だった。
あの話を聞いて以来、俺と水沢さんとの距離は少しずつ縮まった。朝や帰りは時間がすれ違うので一緒に登下校することは難しかったけれど、部活中や校内で会った時は積極的に話しかけたし、普段必要最低限しか部員、特に後輩とは会話しない水沢さんが、ボトルを渡す時俺にだけ「頑張れよ」と声をかけてくれたりするようになった。

俺は明らかに水沢さんを意識し始めている。だけどそれは恋だとかそんな深刻なものではなく、野郎しかいないこの学校、そして部活の中で、生活に華を添えようと、無意識に水沢さんをアイドル化してしまっただけだと思う。それくらい軽い気持ちの方が苦しくなったり面倒くさいことも何もない。部活は楽しくなるし、校内で見かけると明るい気持ちになるしで、とにかく良いことづくめだった。







「おーし、そろそろ終わりにすんぞー」
「おつかれーーしたっ!!」


入部して2ヶ月が経ち、1年生も本格的な練習に参加できるようになった。


「ミーティングするからレギュラーだけ残れよー、西館側の部室に10分後に集合な」


部室で着替えていると主将が声をかける。
グラウンドに近い部室棟とは別に、野球部にはもう一つ学校の敷地内の端の方にあまり使われていない部室があった。バットなどの道具類もグラウンドの倉庫にあるため、西館の狭い部室はほぼミーティング専用の部屋になっている。
俺は着替えを終えると先輩たちに挨拶をして、他の一年生と共に部室を出た。自販機で飲み物を買い、校門に向かう途中で数人の先輩たちと共に西館の方に向かう水沢さんを見かけた。ミーティングってマネージャーも参加するんだな、じゃあ今日も電車一緒にはならないな、と思いながら歩いていると、あることに気づいた。


「やべ、明日締め切りの課題教室に忘れてきたわ…先帰ってて」


友人たちと別れ教室に戻り、目的のものを回収する。昇降口で靴を履き替え外に出ると辺りは人っ子一人いなくてとても静かだった。

ミーティング、まだ終わってないよな…。
そんなに早く終わるはずがないと思いながらも、もしかしたら水沢さんの顔が見れるかも、とミーティング中の部室の方へついつい足が向く。
コンクリートむき出しの壁でできた部室の小さな窓からは明かりが漏れていた。中から僅かに聞こえる複数人の声は、明るくて時折笑い声が混じっている。
ミーティングにしてはなんか和気藹々としてるな…と思った瞬間、俺は耳を疑った。


「あ…っ、ん、…っ、」


その声は甲高く、ハッキリと俺の鼓膜を震えさせた。
野球部のミーティングにはふさわしくない声。まさかこんなところでAV鑑賞会でもやっているのか?と驚きで早まる鼓動を落ち着かせようと息を深く吸って吐いて、さらに部室に近づきドアの前に立つ。



「ふぁっ、あん、ん、んんぅっ」
「ほら、気合い入れてやんねーとなかなか終わんないぞ〜」
「あっ、あ゛っ、ん、ふっ、あ、あ゛〜…っ!」



頭を鈍器で殴られたような衝撃だった。これはAVなんかじゃない。今まさにドアの向こう側で誰かが犯されている。誰が?考えたくない。そう思っていても容赦なく耳に飛び込んでくるその声は、あの先輩にそっくりだった。

なんで、なんで水沢さんが…?
背中を汗が伝い喉がカラカラに乾く。
やめろ、と警鐘を鳴らす脳の命令を無視して、震える手をドアにかけてしまった。横開きの扉をそっと小さく開けて、片目をつけ中の様子を覗く。あちらに聞こえてしまうのではないかと心配になる程、俺の心臓の音はうるさかった。


中には12〜3人ほどの先輩の姿があった。ほとんどが3年生だが、レギュラーメンバーの2年生もいた。ロッカーの前に置かれたベンチにうつ伏せの状態で腰を振っているのは体格から見て正捕手の廣田さんだろう。そして彼の下にもう1人の影が見えた。上半身を背中から押しつぶされるようにのしかかられているその人物の顔はこちらからでは確認できなかったけれど、かろうじて見えた脚は細くしなやかで、どう考えても水沢さんのものだった。まるで犬の交尾のような体制と動きに目眩がする。
廣田さんが腰を振るたび、ぐちゅ、ぱちゅ、と水音が断続的に響いた。安っぽいベンチが軋む音に合わせて周りの先輩たちがヤジを飛ばす。


「水沢〜こっちもよろしくな」
「あ、ずりー、俺も口狙ってたのに」
「早いもん勝ちだって」
「じゃあ俺、手にしよ〜」



なんだ、これは…。


と、突然こちらを振り向いた主将とドア越しに目があった。体がビクッと跳ねる。逃げないと、と反射的に思ったが、蛇に睨まれた蛙のように全身が硬直してしまい瞬きすらできなかった。


ガラッ


「…盗み見はよくねぇなぁ、橋本?」
「……っ、あ…」


ドアを開け俺の目の前に立ちはだかった主将は、狼狽える様子は全くない。むしろ口元に薄く笑いを浮かべ俺を見下ろすその姿に、本能的な恐怖を覚えた。


入れよ、と腕を強引に掴まれ部室に引きずり込まれる。部屋に充満した汗と精の匂いに目眩がした。背後でドアを締め鍵をかける音がする。水沢さんに群がっていた先輩たちの視線が一気に俺に向いた。


「あ?なんだ橋本じゃねーかよビビらせやがって。」
「だから鍵ちゃんと締めとけっつったじゃねーかよ」


言いながら廣田さんは腰の動きを止める。
俺はここで初めて水沢さんの姿を明確に見た。ほんの30分ほど前まで着ていたTシャツは脱がされ、ハーフパンツと下着も膝下まで下げられた水沢さんは、全身を真っ赤に紅潮させていた。熱に浮かされ、はぁ、はぁ、と荒い呼吸をしながらゆっくりと顔をこちらに向ける。俺の顔を視界に捉えると、ワンテンポ遅れて目を見開く。目の周りは赤く腫れ、睫毛は涙で濡れていた。



「ぁ…、え…っ?はし、も……っ!?や、…っ、や………!!」


慌てて下を向いた水沢さんはベンチに顔を押し付け、その周りを腕と手で囲い必死で俺から隠れようとした。いやいやと頭を左右に振ってしゃくりあげながら鼻をすする。その痛々しい姿に俺の口が漸く動いた。


「なん…、なに、して……」
「見りゃわかるだろ、セックスだよセックス。」
「う…っ、…あっ!!あ、やぁっ、ああぁっ」


廣田さんは見せつけるように激しくピストンを再開した。くぐもった喘ぎ声が再び部室に木霊する。水沢さんの腰を掴み、打ち付けるスピードがどんどんと上がっていくと、喘ぎ声も悲鳴めいたものになっていった。



「……っ、やめてください!」
「あー?命令してんじゃねーよ」
「水沢さん、泣いてるじゃないですか……っ!!!」
「違う違う。これは気持ちよくて出ちゃう嬉し涙だもんなー水沢?」
「うぁっ、う、あ……っ、あっ、やっ!!」


ベンチに突っ伏していた水沢さんの肩を周りの先輩たちが持ち上げる。足に引っかかっていた下着を取り払い床に落とすと、廣田さんは足を下に降ろしベンチに腰掛け、水沢さんの足を左右に大きく開かせた。
結合部が丸見えになる対面座位の体勢にさせられた水沢さんが必死に身をよじる。テラテラと濡れ光るアナルにグロテスクなペニスがずっぽりと刺さっていた。


「いぁっ、やだぁっ、あっ、んぁ、あっ、やぁ…っ!!」
「ほら、見ろよ水沢のチンコ。ビンビンに勃ってんだろ?ヨガってんだよ」
「毎回トコロテンだもんな」


下から突き上げられるたびに揺れる水沢さんのソレは確かに腫れ上がり天を向いていた。先端から滲み出た先走りが周りに飛び散る。膝裏を持ち脚をM字に固定している廣田さんの腕を水沢さんがカリカリと爪を立てて引き剥がそうとした。


「やだぁっ、やんっ、や、やめ、やめて…っ!!」
「んだよ、いっつもそんな抵抗しないじゃん。橋本に見られんの恥ずかしいのかよ?」
「あんっ!あっ、ぁ、や、ん、あっ、あん…っ!!」



廣田さんのペニスが引かれると水沢さんのアナルのヒダも引っ張られてめくれ、再び中に埋め込まれると肉と肉の隙間からブシュ、と汁が噴き出た。摘ままれたり擦られたりしている乳首は濃いピンク色をしていて、プックリと膨らんだ乳輪の真ん中の芯はビンビンに勃ち上がっている。俯いてボロボロと涙をこぼしながら体を痙攣させて快楽に溺れる水沢さんは、普段の落ち着いたイメージからは想像できないほど淫靡だった。俺は何もできず呆然とその場に立ち尽くす。


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