Cage 1-4 | ナノ


「…ひぃっ、いやっ!やだっ、あっ、あぁっん!」


ネクタイで縛られた腕が痛い。
ベッドに引き摺り込まれた俺のワイシャツはとっくに剥ぎ取られ、ズボンと下着を奪われた下半身を無理やり割り開かれて誠の手の中で弄ばれる。右手でペニスを掴まれて左手の手のひらを亀頭の先にぐりぐりと擦り付けられ体が大きく跳ねた。

「優、先っぽ好きでしょ?いつもオナニーする時ここばっか弄るもんね。あはっ、俺全部知ってるよ」
「あっ、んん!ひぐっ、ぁああ"っ!!」


寮生活だから一人で慰める時はいつも風呂場かトイレだったのに、どうしてそんなこと知ってるんだ、と抗議の声をあげたいのにそれが叶わない。口を開けていると全て喘ぎ声に変わってしまって言葉にならなかった。しつこく先をぐりぐりと弄られて先走りが溢れる。


「優の乳首かわいーね、食べちゃいたい」
「ひぎっ、いだっ、いだぃぃ!!いゃぁあ!」

誠が戯れに乳首を口に含むと、思い切り歯で噛み付く。ちぎられてしまいそうなその圧にパニックになって頭を振り乱して泣き叫んでも、優は楽しそうに笑うだけだ。
いつもと同じ優しい笑顔なのに、瞳の奥の狂気を知ってしまった俺はもうその表情に安心感を覚えることは不可能だった。


「ひぐっ、もうやだ…っ、ゆるして…っ、やめてっ、なんでもするから…っ!!」
「…なんでもしてくれるの?」


苦し紛れに叫んだ言葉に誠の手がピタリと止まる。この手がまた動きを再開するのが怖くて、必死にコクコクと頷いて誠の顔色を伺った。とにかくこの行為が終わるならなんでもいい。誠はしばらく考えた後、あ、そうだ、と目を輝かせて俺を見つめた。


「俺、優がオナニーしてるとこ近くで見たいなぁ」


自分の顔が青ざめる音が聞こえた。
何を言っているのか理解したくないのに、その言葉が意味することがハッキリわかってしまう。誠の目の前で、自分のペニスを扱いて射精しろだなんて、どこまで俺を辱めれば気が済むんだろう。


「ぃ、…やだっ、で、できない…ッ」
「なんでもするんじゃないの?」


なんでもってそういうことじゃない。できないできないと頭を振ってゴネる俺の耳元に、誠が唇を寄せた。


「……してくれたらもう終わりにしてあげるよ。」
「ほん、とに……っ?」
「俺は優に気持ち良くなってもらいたくて触ってるんだもん。優がちゃんとイけたらもう満足だよ。」


優しく頭を撫でられて、落ち着いた声色で言われると絆されてしまう。これで終わりにしてくれるなら…。どうする?と聞かれ俺が小さくする、と答えると手首のネクタイを解かれ、上体を起こされた。ほら、と急かされ震える手をペニスにかける。先ほどまで誠にされていた愛撫のせいで硬くなりかけているそれに指を絡めて上下に動かした。情けなくて涙がじわ、と目の端に滲む。


「ぅっ、あ、はぁ…っ、ん、んん…っ」


もっと足開いて、と言われゆっくり左右に足を広げる。くちゅくちゅと鳴る水音と、まっすぐに注がれる誠の視線が恥ずかしくて顔が熱かった。
はやく終わらせてしまいたい、はやく、はやく。いつもオカズにしているグラビアアイドルの顔と体を思い浮かべて、必死にペニスを扱く。ゾクゾクと体の内側から快感の波が押し寄せ、ペニスが小さく痙攣した。手を動かすスピードも自然と早くなる。


「んんっ!ぁ、あ…っ、でる、出る…っ、」


ペニスの先から派手に射精し、シーツにネバついた水溜りができた。その染みを見て、ひどく悲しくなった俺は我慢できなくなり下を向いてボロボロと大粒の涙を落としてしまった。
でもこれでもうおしまいにしてもらえる、涙を手で拭い鼻をすすって顔を上げると、いつの間にかズボンの前をひろげパンツからガチガチのペニスを取り出してこちらを見つめている誠と目が合った。瞳孔は開き、荒い息をしているその男は、俺の知っている優しくて頼れる友人とは全くの別人だった。


「優…っ、」


興奮と恍惚が混ざったその声にゾッとして体を後ろに引くが、あっという間に捕まり押し倒される。猛った誠のペニスが太ももに擦り付けられ俺は悲鳴を上げた。終わりにするって言ったのに。


「はぁっ、かわいい…っ、優、ゆう…!」
「な…!なんで…っ、やだ、約束がちがう…っ!」
「優エロすぎ…、そんなの見せられたら俺我慢できないよ」
「ひっ、ひど、ひどいっ、うそつき…っ、うそつき!!う…っ、ううぅぅ…!」
「泣いてる顔も可愛い…、かわいい、ほんとかわいいなぁ、…はぁ、」

耳から流し込まれる熱っぽい言葉にゾワゾワする。誠の体を引き離そうと押し返しても更に強い力で抑えられてしまった。


「優、好きだ…っ、好きだよ…、愛してるっ、かわいい、可愛い可愛い可愛い…」
「ひっ、ひぃ、…ぁ、…っ」
「優の髪…っいい匂いがするね…可愛い、たまらないよ、ん、」
「はな、はなして、ぅ、ぁ…」


狂ってる。ニヤニヤ笑って俺の髪に鼻を埋めたり耳を舐めたりする誠に生理的な嫌悪感が沸く。恐怖で体がガクガク震えて声も上手く出ない。目を閉じたら次に何をされるのかわからなくて怖いから、大きく目を見開いて涙を流すしかなかった。


いつの間にか誠のペニスは俺の太ももから滑り込んで尻の穴に到達していた。グリグリと先端を押し付けられて血の気が引く。興奮した誠のモノは一秒毎に少しずつ大きくなり、グロテスクな凶器に変身した。



「早くコレ優のナカに入れたいよ…っ」
「ひぐっ、ゃ、や、ぁ…あぅ、」
「大丈夫、ちゃんと慣らしてからにしてあげるからね」


一度体を起こし俺から離れた誠は俺の両足首を掴むと天井に向かって勢い良く引っ張った。上半身がシーツの上で一気に下に滑り、上に伸ばされた足が折り曲げられ太ももが腹に付く。ペニスと後ろの穴が丸見えの状態にされ、羞恥に耐えられず足をバタつかせても誠に抑え込まれてしまう。
信じられないことに誠は俺の股間に顔を近づけると、尻の穴に口を付け唾液をたっぷり絡ませた舌でねっとりと舐め始めた。


「あっ、ひ、ゃだっ!やだっ、そんなとこ、ぅ、いやぁぁあ…っ」


男同士のセックスは後ろを使うと何処かで聞いたことがあった。考えたくなかったが誠がそれを自分に強要しようとしていることは明白で。
行為はエスカレートし、誠は穴の中に舌を突っ込むと内壁を舐めまわし唾液を中に塗り込むと口を離した。

それも束の間、今度は穴の中に何かゴツゴツとした固いものが入りこんでくる感覚に体が硬直した。指を入れられている、と理解するのに時間はかからず、唾液で湿った穴に収められた指は出し入れをしながら上下左右に動き、中を少しずつ広げ柔らかくしていった。


「あ゛っ、や゛ぁぁあ…っ、」
「優のナカ、濃いピンクでいやらしいね」
「う、あ゛…っ、うぐぅ、」


嫌な汗が額に浮かぶ。こんなに中を広げられて、元に戻らなくなるんじゃないかと不安でしかたなかった。


「こっちもいじってあげるね、…ん」
「ひあっ!?あぅ、んん…っ、やっ、ぁ…っ」


誠が突然俺のペニスを口に咥え、根元から先端までじゅるじゅると舐めあげる。突然の快感に変な声があがった。
手で誠の髪を掴んで引き剥がそうとしても上手く力が出なくて、誠に縋っているような形になってしまう。
前と後ろを同時に刺激されて頭がおかしくなりそうだった。ペニスは愛撫を悦んで勃ちあがるのに、後ろの穴は異物の侵入に違和感と不快感を覚える。気がつくと指は三本に増えていた。


「そろそろいいかな、」


ぐぐ、と押し付けられるそれの指との大きさの違いに絶望した。胸をドンドンと叩いて止めさせようとしてもビクともしなくて、拒絶の言葉を喚き散らした。


「はぁ、は…っ、優、優、やっと一つになれるね…、はぁ…っ」
「うっ、うぅっ、い…いやだ…っ、まこ、まこと、まこと…っ、やめて、たのむ…っから!」
「あぁ…もっと名前呼んで…、……ほら、入る、入っちゃうよ…」
「ぅ、や、ぃやぁぁあーー…ッ」


ペニスの先端がぬぷ、と中に入る感覚に背中がゾワついた。うっすら汗ばんだ肌と肌が密着する。


「…っ、ぁ……、〜ーーーッ!」
「…ゅ、う、…っはぁ、優、優、ゆう…っ」


酷い圧迫感と異物感に呼吸がままならなくなる。押し返そうと掴んでいた誠の肩に思わず爪を立てて目をキツく瞑り、挿入の苦痛に耐えていると、恍惚とした誠の声が上から降ってきた。


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