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相馬に着いてやって来たのは物理室だった。黒板の脇のドアから更に物理準備室に入ると、廊下や教室にいる僅かな生徒の声さえ耳に届かなくなる。相馬が中から鍵をガチャリとかけ、本格的に逃げ場がなくなってしまった。
言われるままにこんなに人気の無いところに連れられてきてしまったけれど、条件ってなんだろう、金を取られるかパシリにされるか。ストレス発散にサンドバッグにされるかもしれない。恐る恐る相馬に問いかける。


「相馬…その、条件って…?」
「………」


無言が怖い。ゆっくりとこちらに近づいてくる相馬に思わず目を瞑ると、ガッと顔を掴まれ口に何かが押し付けられる。びっくりして目を開けると目の前に相馬の顔があった。キス、されてる。


「んんっ!?んー!ふぐっ、はぁっ」
「倉木にさせてること、俺にもさせてよ」
「!?な、何言って…んんぅっ!」


抗議の声を上げようとすると再び口を塞がれる。頑なに閉ざした俺の上下の唇を、相馬の指が無理やりに割り開き、その隙間から舌が侵入してくる。空いた腕で体をガッチリとホールドされ、上手く身動きが取れなかった。
言葉による拒絶が出来なくなった以上、態度で示すしかない。
相馬の舌が奥まで入ったきた瞬間、上下の歯で思い切り噛み付く。相馬が怯んだ隙に腕から逃げ出すと、口を覆ってキッと睨みつけた。


「こんなの…っ、ふざけんな!言いふらしたけりゃ言いふらせよ!…っ、帰る…!」
「待ってよ」


相馬に背を向けドアの鍵に手を伸ばした瞬間、後ろから腕を引っ張られて床に強く叩きつけられた。うつ伏せに倒れた俺の背中に相馬が跨り、両腕を掴まれる。相馬は棚の上に置いてあった雑務用のガムテープに手を伸ばすと、後ろ手に俺の手首を纏めて拘束した。


「やめろよっ、やだ…!はなせ!」
「いいじゃん、倉木とはしてんだろ?こういうこと」
「な、なにが…!」
「だから、セックスだよ。いつも倉木とやってんだろ」


その言葉に反応する間も無く、相馬は俺を転がして仰向けにさせると、ワイシャツの前を左右に引っ張りボタンを飛ばした。ひっ、と小さく悲鳴を上げるとククッと笑って相馬が俺の乳首を摘まむ。手の冷たさと突然の刺激に驚いて思わず声が出た。


「ひぅ…っ」
「お、感度良好〜」
「や…!あっ、さわ…んなぁ…っ」
「倉木はいつもここ弄る?開発されちゃった感じ?」
「……っ、て、なぃ…!」
「……ん?」


泣きそうになるのを堪えながら声を絞り出す。こんな勘違いで性欲処理の道具にされるなんて御免だ。



「して、ない…!倉木とは…まだ…っ」
「…はぁ?まじで?」


倉木と付き合い始めて半年経ったが、そういった行為はまだしてない。一度いい雰囲気になって服の中に手を入れられた時、ビビって固まってしまった俺を見て、倉木はごめん、ちょっと焦りすぎた、気持ちの準備が出来るまで待つよ、と優しく髪を撫でてくれた。
最近やっと深いキスが出来るようになり、今週末約束しているお泊りの時にこちらから頑張って誘おうと決意したばかりで。


「だから…っ、もうやめ「へー、じゃあ処女なんだぁ。燃えるわ。」


頭上から降ってきた楽しそうな声に目の前が真っ暗になる。相馬は俺の足を左右に開かせてその間に体を滑り込ませた。言葉通り興奮してるのか息を荒くして俺のベルトに手をかけガチャガチャと鳴らしながら外していく相馬を蹴ろうと足をバタつかせるのに、相手が足の間にいるせいで上手く当たらず俺の足は空を切るばかりだった。


「っいやだ…!ほんとにやめて…っ、おねが、相馬っ」
「ははっ、さっきまで威勢良く睨んでたのに、もう泣きそうになってる」
「いやだっ、いやだぁっ!」
「そんなに嫌?」

首を縦にコクコクと必死に降る俺を見て、相馬はふーん、とつまらなそうに呟いて俺から離れる。肩を掴まれ体を起こされた俺は、これで終わりにしてくれるのかと淡い期待を抱いた。
でもそれは目の前に現れたグロテスクな相馬のペニスによって打ち砕かれる。


「ほら、しゃぶってよ。俺を満足させられたらこれで終わりにしてあげるからさ。」
「…そんなっ、の…無理…っ」
「できないならそのままケツに突っ込むよ?」
「……っ、」


鼻先に押し付けられたペニスの濃い雄のにおいに思わず目を瞑る。こんなもの口に入れるなんて、抵抗が無いわけがない。だけどこれを後ろに突っ込まれるなんて想像しただけで体が震える。これで終わりにしてもらえるなら……。
俺は覚悟を決めて相馬のペニスを咥えた。

フェラなんてしたこと無い。やり方が分からない。手が使えれば自分を慰める時みたいにそれなりの刺激ができるのに、口だけだとうまくいかない。舌でペニスを舐めてみるけれど、精の匂いと味が気持ち悪くて申し訳程度にしか舌を動かせない。ちゃんと舌動かしてよ、と相馬に言われてもペニスにがっつり舌を這わせるなんて到底無理だった。


「んん…、んぐっ、ん…っ、ふ…」
「下手くそ。そんなんじゃいつまでたってもイケないんだけど」


しょうがないなぁ、と舌打ちすると相馬は俺の顔の両サイドを手で挟み無理やり顔を前後に動かす。相馬のペニスの先端が喉の奥を突き、嘔吐感がこみ上げてきて涙が目に溜まった。


「んぶっ、がほっ、んんんんんっ、じゅぶ、ぉぐっ、」
「あー…、喉の奥いいわ…」
「ぉぇっ、あぐっ、んん!んんんっ、んー!!」


気持ち悪い、吐きたい、開きっぱなしの口が痛い。


「…はぁっ、七海、目ぇ瞑んなよ…っ、こっち見て」
「んぐ…っ、ぉぼっ、おぇっ、じゅぽ」
「あー…出る出る」


喉奥に熱い精液が飛び散り、口いっぱいにドロドロとした白濁と青臭いにおいが充満する。早く吐き出したいのに吐精した相馬は俺の顔を離さず、ぐちゃぐちゃになった口内にペニスを擦り付け、ようやく満足したのかペニスを引き抜いた。



「げほっ!おえっ、ごほ…っ、はぁ…はぁっ」


解放された口から反射的に精液を吐き出す。嘔吐欲は満たせたが喉がイガイガと痛くて辛い。咳き込むと喉の奥の方に流れていた精液もぴちゃぴちゃと飛び出した。
息を整えていると立っていた相馬が足で俺の肩を蹴飛ばしてうつ伏せに倒す。手が後ろで縛られているせいで受け身がうまく取れず顎が床に当たった。背中に覆いかぶさるように押し乗られ、ズボンと下着を膝まで下ろされると、俺は後ろを振り返って叫んだ。


「や…っ、なんで!!口でしたっ、口でしたのに…っ!!!」
「してないよ下手くそ。あんなのフェラじゃなくて俺が七海の口でオナったようなもんじゃん」
「やだっ、やだぁっ!もういっかい…っ、やる、やるからぁっ」
「下手だからいいよ、俺こっちがいい」


腰だけ持ち上げられて、尻を突き出す体制にされたかと思うと、相馬のゴツゴツした指が穴の周りをくるくると撫でる。必死で暴れてるのに上から押さえつけられていると、重力と体重のせいであまり意味がなかった。
ツプ、と指が中に侵入し、押し開くようにぐるりと回しながら奥を目指す。自分ですら触られたことのない腹の内側を他人の指が蠢いている事実が信じられない。圧迫感で息が上手くできなくなってパニックになった俺は声を張り上げた。


「ひぎっ!?いぁ゛っ、ぬい、ぬいで…っ、あぁぁあっ!」
「やっぱ狭いねー、何か無いかな…」
「ぁがっ、ひ、ひぃぃ…っ、あっ、はぁ…っ、いぁあっ」
「あっ、これでいいや」


相馬がズボンのポケットから小さなチューブを取り出し、中身を指に出すと俺の穴の周りや中にぐちゅぐちゅと塗り込んでいく。

「ハンドクリームだけど、天然成分しか入ってないから大丈夫だと思うよ」
「あ゛っ、やら゛っ、あぅ…っ、なか、やだぁぁ…っ!」
「って聞いてないかぁ」


指を二本三本と増やしながら、ぐちゃぐちゃと抜き差しする相馬によって、確実に穴が広げられているのが分かって半狂乱になる。
倉木を好きになった時から、そういう行為をするなら絶対に始めては彼がいいと思ってた。片思いできっと叶わないと諦めていたことが、両想いになって付き合いはじめて、もうすぐ叶えられるところだったのに、今自分の穴を弄っているのは、倉木じゃなくて。
悲しくて怖くて、目からボロボロ零れる涙と叫びっぱなしの口から零れた唾液が床に水たまりを作った。



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