わるいことがしたい(アオアリR‐15)
2017/08/20 05:28

※細かいことはスルーしてください
※弟が兄さんで自慰行為をしているしアリアオに見えるかもしれませんがアオアリです
※捏造は標準装備
※書きかけのネタです






おやすみ、という挨拶を受け取って、兄の隣の布団に横たわって弟も眠った筈だった。
兄の寝息が隣から聞こえるなか、弟はふっと目を覚ました。特に目覚まし時計などもセットしていない真夜中、弟は時々こうして目を覚ます事があった。大抵の場合はまだ朝でないからと適当に目を閉じて、そのまま眠ってしまうのだが、この日は何故だか兄の寝息が、耳について離れなかった。深く息を吸って、吐いて、胸が緩やかに上下している様をじっと見つめる。
なんとなく、本当に理由もなく、ふと思い立って弟は身体を起こした。タオルケットを寄せて寝ている兄を起こさないよう、そっと体重をかけずに馬乗りになる。そのまま頭の横に手をついて覆い被さるように四つん這いになって、兄の顔をまじまじと見つめた。閉じた瞼を縁取る睫毛だとか、血の気の通った頬だとか、薄く開いた唇を見ているうちに、弟は自分の体温が上がっていくのを感じていた。兄は眠っていて、それをどうにかできるのは自分だけで、だったら自分でやるしか方法はない。
だから、弟は少しだけ兄を借りる事にした。

唇にそっと、気付かれないよう僅かに口づける。ほんの一瞬で離れたけれども、満足感は得られない。焦れったくなって身を起こすと、弟は兄の体にかかるタオルケットを、ゆっくりと剥ぎ取った。寝巻きにしているシャツの裾を捲り上げる。空気に晒された腹が、呼吸と共に膨らんでは縮んでいる様を、弟は半ばうっとりした目で見つめている。こんなこと、兄さんにばれたらどうなるだろう。そうは思っていても、弟はやめるつもりは毛頭なかった。兄に覆い被さった体勢で、晒した鳩尾や胸の下の肋骨で固く覆われた部分の肌に、ゆるゆると唇を落としていく。全く起きる気配もないことを確認して、弟は熱く興奮し始めた自身を取り出して、うっすら腹筋の凹凸が見える兄の腹に擦り付けた。触れた瞬間に弟は息が詰まった気がしたが、けれども止めようとはもう思えない。
見下ろした先にあるのは兄の寝顔だった。金髪を掻き分けて額を探り出し、唇を落とす。身体を密着させないように、なるべく刺激を与えないように、けれども腰は性急で、早くこの熱を何とかしたくてたまらない。
「は、っあ、兄さん」
徐々に先走りで兄の腹が汚れていく。お構いなしに弟は夢中で兄の髪の毛に鼻先を埋めて、シャンプーと混ざった汗の匂いを吸い込んでいた。兄さんの匂いだ、という思いが胸を満たしてそれしか考えられなくなっていく。先程まで兄を起こさないように起こさないように、と思っていたはずなのに、そんな事はもう頭に残っていなかった。早く早く、これを何とかしたい。熱くてたまらない。兄さん、兄さん兄さん。どうか───。
「あ、あ、あぁ……!」
視界に兄しか捉えられなくなって、そのくせ何も見えないくらいに真っ白になった。ついでに頭のなかも真っ白で、息継ぎがうまく出来ないまま見下ろした兄の腹には、自分のものであろう精液が散っていた。
ああ、終わった。何がとは言わないが、ともかくこれで眠れるのだ。熱くて仕方がないのも全部、これで何とかなったんだ。安堵して兄の上から退こうとしたその時、不意に兄の顔を見てしまった。
うっすらではあるけれど開いていた目と、しっかり視線が交差した。
「……何してたの?」
わかりきってはいるけど一応、くらいのつもりの兄だったが、改めて聞かれると言葉に困る。言い訳も何もかも通用しない想像しかできない。



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