あなたがいる幸せ


pixivでのマイピクさんである
みつ☆なつさまから頂きました!
何度でもどこまでものみつ☆なつverです!




今日も図書館では、うるさい賛同団体の声が響く。最近多いのは「検閲の歴史」の展示会を大盛況に合わらせたからだろう。堂上班の今日のバディは郁と小牧、手塚と堂上だ。
―パァン―
火器使用禁止になったため、抗争中には聞かなくなった、銃声が響いた。速やかに利用者を避難させ、戦闘服に着替える。特殊部隊庁舎の前で堂上から銃が渡される。
「気を付けろよ。郁。」
「篤さんこそ。」
短いやり取りを終え、各自持ち場につく。正門ではすでに撃ち合いが始まっている。特務機関でもあるまいし、検閲をするとは考えにくい。なんでだろ?しばらくして衝撃的な情報が入ってきた。
―堂上ー正被弾。救護班早くしろ!!―
え。嘘。篤さんが…篤さんが…
「笠原さん!!」
小牧の声で我に返った。今は戦闘中だ。ヘタしたら殺される。篤さんの分もあたしが頑張らなきゃ!!しばらくして、銃撃戦は終盤を迎えた。速く病院に行きたいが、なけなしの理性でその場にとどまっていると郁に向かって無線が入った。
―玄田三監より堂上三正へ発す。直ちに堂上一正のもとに向かえ。場所は…―
図書隊御用達の病院名が告げられ、郁は自慢の足で走った。
篤さんのばかっ!気を付けてって言ったじゃんっ!!バカ・ばかバカ〜っ!!
泣きながら、病院へ行くと、おそらく担当医であろう、初老の先生が出てきた。
「ご主人は、弾の摘出手術は成功しましたが何しろ、出血過多で。危険な状態です。」
この先はほとんど覚えてない。とりあえず、今は緊急手術室に入っているという。手術室の前で手を合わせ祈って特いると、殊部隊の面々がやってきた。泣きじゃくりながら、覚えているだけ、事態を説明し、50人強の人たちが全員で祈り続けると、“手術中”のランプが消えた。すかさず、郁が駆け寄る。
「先生。篤さんは…?」
「……すみません…」
「そっそんな。篤さ〜ん。篤さんのバカぁ〜」
郁はその場に泣き崩れ、小牧がすかさず支える。他の隊員も信じられないような顔をしている。
とりあえず、と一つの病室に通された。
「堂上。おまえなに安らかな顔してんだ。馬鹿。」
「溺愛してる嫁おいてなにしてんだよ。」
特殊部隊の面々が眼に涙を浮かべ、そういう中、郁は1人、堂上の手を握りながら、泣き崩れていた。
「篤さんっ。篤さんのバカぁ。何が、“気をつけろよ。郁”だぁ。自分が気を付けなさいよぉ。バカぁ。」
このあたりで堂上班以外の奴らは病室を出て行った。
「笠原さん。そういえば今日どうするの?」
「どうっするって?」
「どこに帰るの?手塚のところの柴崎さん?それともうち来る?」
「いえ…あたしとっ篤っさんのっ家に、帰っりますっ。」
「でも…」
「大丈夫です。家でっ気持ちのっ整理付けます。」
きっと家に帰ってももっと悲しくなるだけだろうけど、柴崎には手塚、小牧には毬江ちゃんがいる。だから甘えられない。
「そう。なら、送るよ。堂上が怒るだろうし。」
お言葉に甘えて、家まで送ってもらった。別に堂上が残業で、家に一人しかいないことはあったのだが、根本的に居ないとなると、喪失感が襲う。何をする気も起きず、ベッドのある寝室に直行した。しかし、隣のぬくもりもおやすみのキスもあるはずがなく泣き疲れ寝てしまった。






カーテンの隙間から、朝日が入る。んーまぶしい。目を開けると上には女子寮の二段ベッドの板が…
え〜なんで!?家のベッドで寝たはずなのに!!もはやプチパニック状態だ。
枕元にある携帯は当麻事件の時に水損したのだ。中をのぞくと
―正化31年―
えっ。わっ。な。なんで!?正化37年じゃないの!?もう一回のぞいても年号は変わらない。ってことは、タイムスリップ!?そんなミラクルだわ〜ワンダーだわ〜(静香さんの口調移った!?)今回こそパニックだ。
「笠原ー?起きたの?」
上から柴崎の声がする。昔のあたしだったら…と少し考えて答える。
「うん。起こしちゃった?ごめん。」
「大丈夫よ。」
何故か若返っていたので、この流れでうまく乗り切り、一日を終えた。堂上の顔を見たときは泣きそうになったが、そこは、カットだ。
「おやすみ。」
「うん。おやすみ、笠原。」
そういって、二人がベッドに入って、電気を消すとしばらくして上からすーすーと寝息が聞こえてきた。あくまで寝息だ。いびきなんて言ったら殺される。ぼけーっとうえを見ていると、そういえば、まだ篤さんが生きてるんだから、あの時にあたしが庇えば、未来に篤さんが存在することになるじゃん!!と夫が聞いたら、命を懸けてでも止めるであろうことを考え、過去に行ってしまった、郁は眠りについた。





―いく、おい。郁、お・き・ろ―
「郁!郁!」
「え?篤さん?」
「大丈夫か?寝ながら百面相してたが?」
「あっ篤さ〜ん。ぐすっ。」
泣きじゃくりながら、郁は堂上に飛びついた。
「おい。郁。どうした?話してみろ。」
優しい顔の堂上に促され、郁は夢のことを語った。
「本当に、生きてて良かった。篤さーん。」
「勝手に殺すなよ(苦笑)大丈夫だ。郁を置いてなんか逝けない。」
「あたしだってっ。淋しくて死んじゃう。」
「俺だって。郁がいなくなったらとか怖くて考えられない。」
万年新婚バカップルは公休日の朝から甘〜い時間を過ごし、次の日には、腰をさすって堂上を睨む不機嫌な郁と、やけに上機嫌な堂上がいたとか…。



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