Thirty-four

ツ「ただいまー。」

ラ「お帰りだもんね!」

イ「ツナさん、お帰りなさい!」

ツ「ランボにイーピン。夕翡は?」

イ「夕翡さん2階!」

ツ「そっか・・・・」


また雲雀の看病・・・そう思うと気分は沈む。

同じだ・・・また・・・胸がもやもやして・・・苦しくて。

そのとき、ちょうど夕翡が階段を下りてきて・・・朝のことも合ったから気を付けてはいた。

けど、顔を見たとたん嫌になって・・・思いっきり顔を逸らしてしまった。



ツ(・・・やっちゃった・・・。何で・・・)

「おかえり、ツナ。夕飯はカレーとサラダだからね。お風呂・ご飯・それとも私?」

ツ「お風呂で。」

「つっこみがない・・・・・。ハァ。まったく。じゃぁ、ランボと入ってきてね。」

ツ「分かった。」



そう返事をして、部屋に向かうとき・・・ちらっと見た夕翡の顔は疲れているようだった。

雲雀の看病にランボ(特に)とイーピンの世話、家事。

これだけこなしていればさすがに疲れるだろう。以外と完璧主義だし。

ついでにツナに手を払われたり、顔を背けられたりしたことで精神的ショックを受けてたり・・・?

たちまちツナは罪悪感に襲われた。どうすることも出来なくて・・・どうすればいいのか分からなくて・・・



ツ「ハァ・・・」

ラ「ツナ?」

ツ「なんだよ・・・。」

ラ「ランボさんねーわかってるんだぞー。」

ツ「?」

ラ「ツナがー・・・」

ツ「お、俺が?」

ラ「ランボさんの子分になりたいってことを!!


ガクッ

少しシリアスモードになったのが馬鹿みたいだ・・・まぁ、ランボに何を期待したのかという話だが。

ツナは少し笑い・・・また沈んでいった。

お風呂から上がるとテーブルの上には既に夕飯が準備して合った。

夕翡はいない・・・・


ドガーッッ!!


何かが爆発する音がした。



「恭君、大人しくしてて!!」

雲「煩(ゴホッ) こんな(ゲホッ)とこで・・(ゲホッ)群(ゲホッゲホッ)」

「言わんこっちゃない!ちゃんと寝てなさい!!」



ツ「夕翡!!どうした・・・の・・・!?」



ツナは、部屋を見て唖然とした。

中は滅茶苦茶・・・

ドアは吹き飛び、跡形もなく砕け散り。全てがごちゃぐちゃ。

ベッドには穴が開いていて、羽が舞い散っている。散々たる状況だ。

そんな中で夕翡はトンファーを振り回す雲雀を必死に抑えていた。



ツ「何これー!?」

「恭君が!目、覚ましたら帰るって言いだして!こんなにせきしてるくせに!」

雲「ゲホッ)君の世話に(ゲホッ)なるなんて(ゲホッ)冗談じゃない!」

「ぇー。貸しにしないから!そこまで酷くない!安静にしててよ!!」

雲「煩ゲホゲホゲホ!

夕「・・・もう、分かった!ツナに世話させればいいんでしょ!!

ツ「はぁ!?」



ついには逆切れなのかなんなのか・・・怒り出した。

夕翡はむすっとして雲雀に枕を投げつけると、部屋を出て行った。


残されたのは・・・しーっとした空気と少しふらふらとして顔が赤い雲雀と、呆然としたツナだった。

雲雀はしばらく突っ立っていた後、溜息をつき窓から出て行こうとした。



ツ「ひ、雲雀さん!熱があるなら安静にしてないと!」

雲「は?」

ツ「悪化したら危ないです!!夕翡も心配するし・・・・」

雲「君もか・・(ゲホッ)そこまでやわじゃない。平気だよ(ゲホゲホ)」

ツ「でも・・・・・・・・・・・・!!」



雲雀は窓から出ようとしたが、熱で体がふらつき倒れてしまった。

ツナは慌ててかけよるが雲雀はその手を振り払った。

どう見ても、具合が悪そうで・・放っておいたらそこら辺で倒れていそうだ。




ツ「俺のベッドで寝ててください!」

雲「ちょっ。」



ツナの有無を言わさぬ口調にさすがの雲雀もぎょっとした。

こういうところは似てる兄妹?

ツナは雲雀を抱き上げ、ベッドに押し付けた。

無理やり布団をかぶせて「ふぅ」と溜息をついた後・・・・雲雀に何をしてしまったか気付き・・・ツナはビクッと肩を震わせた。


ゴォォォォオオオオオオオ


といった感じのオーラが雲雀から出ているが、いまさら後には引けず。

ツナはキッと雲雀を睨み付けて言った。



ツ「大人しくしててくださいね!夕翡が多分、くると思いますから!」

雲「君・・・こんなこと(ゲホッ) それより、夕翡は無理。」

ツ「はぁ。とにかく、風邪の時は安静にしててくださいね!」



半分(90%ぐらい) やけになりツナは部屋を出て行った。

扉の前では夕翡が不安そうな顔で座りこんでいる・・・

ずっと・・ここに?



「恭君・・大丈夫?」

ツ「多分。」

「恭君に意見するなんてツナ、偉くなったね。」

ツ「あの・・・夕翡・・・・雲雀さんって何であんなに夕翡に世話されるの嫌がってるの?」


ツナは慌てて取り繕った。

本当は、今朝のことを謝りたかったのだ。けど・・・なぜか言い出せなくて。



「うーん。私もよく分かんないんだよね〜。弱みを見せたくないのかなァって思ったけどあの反応は異常だ。」

ツ「笑い事じゃないって・・・」

「信用できないとか?あら、それ悲しい;」

ツ「自分でいっといて。」

「だってー。小さい頃から苛めてたからなぁ。何かトラウマに?でも何も覚えてない・・・」



夕翡はうーんと首をひねって考えたが、分からない。

苛めっ子は苛めたことを忘れるというし。



「ま、いいや。」

ツ「よくないよ!」

「いいの、いいの〜。」



へらっと笑う夕翡を見て、ツナも思わず笑った。

どうしてか、1日話してないだけなのに・・・久しぶりに感じる。



「そういえばさ、ツナって今朝から変な原因分かってる?」

ツ「え、いや・・・分かんないけど。」

「それ、やきもちだよ?

ツ「・・・・・・・・・え?」

「私と恭君が仲いいの見て嫉妬したんでしょ。妹を取られた兄って反応にしてはいまさらだし。」

ツ「そ、そんなわけ/////」

「夕翡様にはバレバレなのだよ。 ま、知っててやってたけど。半分くらい。」

ツ「酷くない、それ!?」

「だって可愛いんだもん// 今日は赤飯の方がよかったかな?でも・・・ツナがとられるのは少し悲しい。」

ツ「だって・・//違う、絶対違う!!//」

「そんなに否定しなくてもいいじゃん!!」



夕翡は悪戯っぽく笑い、下に降りていった。

ツナはしばらく呆然と突っ立っていた後、降りていった。



雲雀は、次の日には全回復して帰れましたとさ。

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