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それは、当然ともいえる結果だったのかもしれない。

必然。

全て決められていたこと。

誰かによって 誰かの意思で

・・・・だぁれ?





















「夕翡ちゃん、こんなところにいたんだ」

「びゃっ・・君・・?」

「どうして・・・」

「やだな〜。僕が全世界を見て決めた5人だよ?そう簡単に倒せるとでも?」

「そんなっ!」

「これを引き起こしたのは夕翡ちゃんだよ」


白蘭が静かに手をあげると、六弔花たちが宙を飛び、何かを下に落とした。

ドサッ

ドサッドサドサッ


何か、じゃない

誰か・・・・・・



「・・・ツナ?」

「!!」

「・・・恭君・・ごっきゅうん・・・もっちゃん・・・リボーン・・コロネロ・・風様・・マーモン・・ヴェルデ・・・」

「ははっw弱すぎて話にもならなかったってw」

「・・・・・骸は?」

「彼は特別に、半殺し♪今、いたぶってるんだw」



ニコニコ笑う白蘭。

へなへなと夕翡は座りこんだ。

目の前で起こったことが信じられないとも、夢だとも思えない。ただ・・心の中にぽっかりと穴が開いたよう。

そんな夕翡に白蘭が近づこうとしたが


「触らないで!!」


ユニが立ち塞がった。



「邪魔だよ」


冷酷な目。

ドシュゥゥゥッッ

ユニの体から血が溢れ出した。


ピシャッ ピシャッ


血飛沫が、容赦なく夕翡に降り注ぐ。

それを夕翡は呆然と・・・眺めていた。



ドクンドクン



心臓が早鐘のように打つ。

ハァハァ・・息が乱れる。

目頭が熱くなってきて・・・気がついたら涙が一滴一滴零れていた。


ド ウ シ テ ?



「いや・・・・・」

「夕翡ちゃん?」


どうして私は今、苦しいの?

どうして悲しいの?

何で涙なんて流してるの?

目の前で一人の人間が死んだ。 それだけのはずなのに。

どうして?

答えは簡単。私が・・・みんなを


「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやぁぁあああああああーーーー!!!」


見たくない

何も知りたくない

こんなもの こんなもの 要らない!!



「!!」



突然現れた炎に白蘭と、屍は吹き飛ばされた。



「これがっ・・・。桔梗ちゃん、つるをほどいて。トリカブト、今すぐ幻覚をといて」

桔「はっ・・?」

ト「??」


白蘭の突然の命令に、疑問を感じたものの・・2人はその通りにした。

そう、今までのは全て幻覚。

本当は、誰も傷ついてなんていない。誰も。

みんな縛られて口を塞がれていただけ。


「っ!夕翡!」



夕翡のリングから、突然現れたドス黒い炎が夕翡を包み込んでいった。

そして、炎は繭のようなものになり・・・夕翡を包み続けている。

ツナは何も考えずに突っ込もうとしたが



「駄目だ。近づかないで、綱吉君」



炎に近づこうとしたツナを、白蘭が静止した。

その顔には、焦りと緊張が見える。



「君が傷つくことを、夕翡ちゃんは望まないはずだからね」

「白・・・蘭・・・?」

「何・・・これっ・・・」

「これは・・・多分、雪属性の炎だよ。だから、近づけば凍ってしまう」

「これが雪属性なはずないでしょう!雪属性の炎の色は白ですよ」

「力が暴走してるんだよ。彼女は10年前の夕翡ちゃんなんだから」


白蘭の言葉に、骸はっとしたような表情になった。

10年前の彼女は、知らない。

愛とか恋とか友情とか信頼とか・・・・そういう感情を。


彼女は知らない 認められない



「どうする気・・・夕翡ちゃん・・・」




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