Crash down!

8


 もういくら飲んでも酔えないし、眠れそうになかった。
 目も頭もガンガンに冴えてしまっている。
 せっかくの超高級ワインの味も、飲み過ぎてもう何のありがたみもない。

 ロックは諦めてたように溜息をつき、






「判った、今夜は寝かせないぜ…(俺を)」






 呟いて、キラリと光るしょっぱい涙を酒のアテに、一気にワインを煽った。












 翌朝。

 結局5本のボトルを空け、飲み潰れてそのまま眠ってしまい、割れるような頭痛と二日酔いに襲われ何の戦力にもならなくなったロックに、
人格が崩壊する程泥酔していた筈なのに全く酔いを残さず、けれど記憶はキレイさっぱり無くしてしまっていたセリスはいつもの態度、いつもの口調を殊更冷たくして呆れたように言い放った。



「そんなになるまで飲むなんて…信じられない。自己責任の怠慢よ」













  ……お前のせいだよ!


  お・ま・え・の!!!












 ……とは本人に言えるわけもなく。

 一人密かな報復を心に誓うロックなのであった……。




end??

(2008.09.27)




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