すべてを甘く溶かしつくすような夢見心地の繋がり
それはなによりも甘美で
なによりも罪深い、極上の幸せ。
『heavenly kiss』
A Tribute to MINAMI.
彼の下に心地よい重さで組み敷かれ、両の手首は彼の手にシーツの海に縫い止められる。
熱く情動に濡れた視線で見下ろす彼の眼差しからも、逃れる事すら叶わずに。
絡め盗られていく。
自由を
逃げ場を
戸惑う心を
少しずつ、けれど着実に。
月明かりの下、ただ、むき出しの想いだけがそこにあって。
それを怖いと思う隙さえ与えてはくれなくて。
熱い指先が素肌に触れるたび。
唇が首筋や鎖骨に降りるたび。
電流のような甘い痺れが背筋を駆け抜けた。
まるで神経に直接触れられたように、びくりと跳ねる四肢。
その羞恥に身を捩れば、彼は殊更追い立てるように幾度もそこをなぞっていく。
彼の熱い、燃えるような唇が露になった肩口にも落ちる。
そのまま胸や腰の線を辿り、指先はやがて下肢にも触れて。
…そのまま、探るように中まで滑り込む彼の指先。
ふわりと羽根のようなキスを落としながらも、想いを伝えてくるその指先は優しいけれど容赦がなく、身体の奥から少しずつ溶けて溢れ出す熱いうねりさえも、その指先で掬いあげて更なる甘美をもたらした。
「―――…セリス」
「……ん…っ…、」
合間に名を囁かれる。
熱をはらんだ、彼の声。
それはしっとりと湿度を上げた薄闇に、音もなく溶けて消えた。