きょうのキラ君

※学パロ
※アイドル関係なし





朝8時15分

綺羅くんはいつも決まってこの時間に登校する。

「おはよう綺羅くん」
「…おはよう」

最初は無言だったけど、毎朝根気よく挨拶してたら最近返してくれるようになった。嬉しい。今日も一日頑張ろう!



9時30分

午前中の授業、綺羅くんは集中して黒板を見つめている。横顔カッコイイ、ごちそうさまです。
現代文の授業で当てられていて、音読をしているのに声が小さいと先生に怒られていた。ちょっとショックを受けた顔が可愛かった。



10時30分

それは授業と授業の間の休憩時間のこと。

「なんだなまえ!そんなに俺を見つめていて!好きならそうと早く言えば良いのだ!!」

突然大声で瑛一くんがとんでもない事を言い出した。

「さっきの授業中、俺を見ていたろう!」

それはアンタがたまたま私の隣の席の綺羅くんの、それまた隣の席に座っているからです。私は綺羅くんを見ていただけです。申し訳ないけどアウトオブ眼中。

ちゃんと丁寧にお断りした様子を、綺羅くんは見ていてくれたかな。ちらりと綺羅くんを見たけど相変わらずに無反応でした。がびん 。



12時00分

綺羅くんは立派な重箱に入ったお弁当を広げている。いつも豪華そうなお弁当。そして美味しそう。聞くところによるとご実家がお金持ちだそう。いわゆる御曹司だ。やっぱり結婚したい。

「みょうじ…」
「な、ななな何綺羅くん!」
「良かったら、何か食べるか?」
「いいの?」
「あぁ」

そう言って綺羅くんは自分のお弁当の中から、美味しそうな卵焼きをくれた。とんでもないくらい美味しかった。代わりにタコさんウインナーをあげたら、嬉しそうに微笑んでくれた。

もう、天にも昇る気持ちです。
レッツゴーヘブン。



13時20分

午後の授業、綺羅くんはちょっぴり眠そうにしている。伏せられた目が綺麗で、やっぱりつい見てしまう。特等席で綺羅くんの寝顔を見ることが出来るなんて、幸せなことこの上ない。
でも綺羅くんが目が覚めたタイミングでばっちり目が合ってしまったから、恥ずかしくてすぐ逸らしてしまった。



16時20分

授業が終わった。綺羅くんは飼育委員だから、放課後いつもウサギ小屋へ向かう。こっそり着いていくと、ウサギに餌をあげながら、愛おしそうに頭を撫ででいる。その絵がもう可愛いと思うの。綺羅くんは動物にもとっても優しい。そんなところが大好きだ。



18時00分

今日も綺羅くんの観察をした後に、一応真面目に自分の部活に出た私。
家に帰ろうと校門を出たところで、驚きの出来事があったんだ。


「き、綺羅くん?」
「…あぁ。部活、お疲れ様」
「ありがとう!突然どうしたの?」


校門に寄りかかるようにして立っていたのは、まさかの大好きな綺羅くんだった。まさか会えると思ってなかったから、嬉しかったけど少しびっくりした。話を聞いてみると、どうやら私に大切な話があるとのこと。

な、なんだろう。
目の前に大好きな綺羅くんがいて、しかも二人きりな感じで。こんなシチュエーション、夢みたいだ。


「みょうじはいつもその、俺を見ているから」


うわあああバレている。
毎日毎日ガン見して、綺羅くん観察日記をつけていることがバレている!


「俺は、その」
「うん…ごめん」
「いや、謝らなくていいんだ。…あまりに見つめられると、どうしても意識する…だろう、」
「え、」

「好きと言ってくれるのを、待っているんだがな」

少し顔を赤くして目を逸らす綺羅くんは、毎日観察日記をつけていた私でも、見たことの無い表情をしていて。



「いいの?」
「……」
「好きって言って良いの…?」


綺羅くんは答えるより先に私に一歩近づいて、そっと触れるだけのキスをした。

綺羅くんが、私にキス。
そんな夢みたいなこと、ある訳ないってずっと思っていたのに。


「その言葉がずっと、聞きたかった」


今日の綺羅くんは、私が今までずっと見てきた綺羅くんの中で史上最強に格好良かった。



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