NOT淡白

「真斗って淡白ぽいよね」
「なんだ突然」

付き合って3ヶ月。そんな真斗の部屋を訪れたある日のこと。
出してくれたお茶を啜りながらそんなことを言ったら、真斗が眉間に皺を寄せた。
美しい顔をそんな歪ませちゃだめだよーと笑いながら、私は言葉を続ける。



「性欲無さそうだなと思って」
「ぶっ!!」


思わずお茶を吹き出しそうになりながらむせる真斗。わなわなとしながら、こちらを見る顔は真っ赤に染まっている。あ、ちょっと可愛い。


「お、お前は…!なんて事を言うんだ!破廉恥な!」
「だ、だって…!3ヶ月経ってもシてくれないから…性欲ないって思うじゃん!」


…そうなのだ。付き合っているのに未だに触れるだけのキスのみ。
真斗といえば元々男子校出身な訳で。
そういうことに興味がないのだと、思うじゃない。


否、未だに手を出しもらない自分に対し、そう思い込まないとやってられないのだ。


ふーんと口を膨らませてそっぽを向く。
わたし、怒ってるんだから。


そうしていると、真斗が横からふぅ、と溜息を吐くのが分かった。



「ちょっと!溜息吐きたいのはこっち…」
そう言って真斗の方を振り向いた瞬間、後頭部をグッと引かれ強引に口付けられた。


「まさ…?ん、ぁ、ちょっ…」


今までの優しいキスとは違う、強引でちょっと乱暴なキス。あっという間に舌を差し込まれ、歯列をなぞられる。
ねっとりと舌を絡め取ってくるから、気持ち良くて腰が震えてしまう。え、私こんなすごいキス知らない。

こんな真斗も知らない。


何度も角度を変えながら口付けを繰り返す真斗。
左手で私の後頭部を抑えながら、右手はなんと胸をやわやわと揉み始めた。


「ぁ、やっ…」
「俺を淡白と言ったな、なまえは」

爪先で器用に服の上から先端を引っかかれる。
そんな中でも何度もキスをしてくるから、意識をどっちに持っていっていいか分からなくなった。


「…いいだろう。そう言うなら試してみようか」
「あっ、まさ…とっ」
「俺が本当に性欲がないのか」

どうやら私は、彼の変なスイッチを押してしまったらしい。






───


「あぁっ、や!だめっ…」
「駄目じゃないだろう…はしたなく濡らしておいて…」

気付けば真斗にベッドに押し倒され、着ていた制服を中途半端に乱されていて。
ブラを上にずらされ、乳首を舐めながらも、真斗の指は私の下部を掻き乱していた。ぴちゃぴちゃという水の音が部屋に響く。
ちゅうぅと乳首を吸われて、身体がびくついてしまう。

「んぅっ… 」
「ほらなまえ、こっちにも意識を向けないとだめだろう」

そう言って真斗はさらに、私のナカに入る指を激しく出し入れする。


「あっ、やっ…だめっ、いっちゃ…!」
「ほう、もうイクのか…随分早いんじゃないか?」

そう言ってニヤリと笑った真斗は、意地悪にも指を引き抜いた。


「なんでっ…」

そう涙目になっていると、いつの間にか取り出されていた真斗のソレが先端に当てがわれる。


「やっ…待って…」
「待たない」

そう楽しそうに言った真斗は、私の制止も聞かず、グッと一気に奥まで突き上げた。


「あぁっ!やっ、や、あ」
「ま、ったく…お前、という奴は…」
「やんやん、あっ」
「大切にしよ、うと…、我慢してきたものをっ…」


ずんずん、と激しく律動を繰り返しながら真斗が熱っぽい瞳で見つめてくるものだから、きゅうっと下を締め付けてしまう。
ぱんぱんと真斗が腰を振る中、抱き締めてほしくて手を伸ばしたら、ぎゅっと力強く抱きしめてくれた。



「はっ…なまえ、」
「まさとっ、ぁ、やん、…きもち…」
「これでも俺を淡白と、思うか…?」

そう言いながら動きはどんどん激しくなっていく。
奥を突かれるたび、電気のように快感が走る。

「ぁ、おも、わない…思わないからぁっ」


そうか、と満足気に笑った真斗は、いつもの王子様じゃなく、雄の顔をしていて、

やっぱり、わたし、こんな真斗知らない。


そう思い、真斗に身体を揺さぶられながら、彼の精液が太股に吐き出されたところで、私は意識を手放した。



「…なまえ」
「んっ…」
「大丈夫か?」
「だいじょぶ…」

目を開けるとそこにはいつもの優しい顔の真斗がいた。まるで、さっきまでとは別人みたいに。


「もう二度と、あのような事言わないように…な」
「はぁい…」


それからまたすぐに元気になってしまった真斗に二回戦を強いられるなんて、

真斗のことを甘く見ていた自分を激しく後悔するのであった。




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