「神宮寺レンさん」
「レディがフルネームで呼ぶ時は何か不満がある時だね」
「はいそうですね、この太腿に乗っているあなたの手はなんでしょうか」


レンと二人で乗ったのは、夢の国では珍しいホラータイプのアトラクション。お化け屋敷のようなマンション内を、二人乗りの乗り物で進んでいくアトラクション…なんだけど。

きゃー。怖いよぉ。
なんて言うキャラじゃない私の反応が、どうやら気に食わなかったらしい。
この野郎、私の太腿をずっと手のひらで撫で続けている。


「ね、ちょっと…ちゃんと楽しもうよっ…!」
「楽しんでるよ、十分に」

辺りは確かに暗くて、他の人からは見え辛いとは思うけど…ってそういう問題じゃない!


「レン…っお願い、だから」
「なに?音楽でよく聞こえないなぁ」


ちょっと怪しい音楽が流れている中、レンはスカ―トの中にまで手を忍ばせてきた。


ぞくっとするその感覚と、怪しい音楽も影響してか、変な気持ちになってしまうじゃないか。あぁ、どうしよう。子供たちもたくさん遊んでいる夢の国で、なんて…はしたない。


「そうやって可愛い反応で煽るからいけないんだよ」
「レンのっ…変態馬鹿野郎!」
「痛っ!」


アトラクションもそろそろ終盤という所で、理性を必死に保った私はレンの手をバチンと叩いた。思ったよりも大きな音が出てしまった。力、入れすぎたかな。


そんなこんなで、レンに翻弄されたままアトラクションが終わってしまった。
せっかく…ゆっくり楽しもうと思ったのに。レンのばーか。


「ごめんね。そんな怒らないで?」
「…むぅ」
「少し疲れたかな?休憩しようか」


全くこいつは!どんだけイケメンなんだ。そんな優しく言われたら許しちゃうじゃん。

そうやってレンに主導権をいつも握られてしまうのが悔しいけど、嫌いじゃないんだな、うん。



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