「亀と話すアトラクションなんか面白くねーだろ。タワテラ行こうぜタワテラ」
「そんな言い方しないで付き合ってよ。私好きなんだから」

絶叫系ばかり乗りたがる蘭丸を半ば強引に連れてきたのは、船の中で亀とお話をするコミュニケーションタイプのアトラクション。


「これね、運が良ければ指名されたりするんだよ」
「なんだソレ。頼んでねーぞ」

ちょっと不機嫌な蘭丸と並んで座席に座る。前の方の席では小さな子供たちがきゃっきゃっと楽しそうにしていた。



「じゃあみんなで名前を呼んでみましょー!せーのっ」
「クラッシュー!」
「チッ」
「ちょっと舌打ちしないでよ蘭丸」


あー機嫌悪そう。やっぱり連れてきたの失敗だったかな。
そんな私たちをよそに、目の前の亀はどんどん話始める。


『じゃあそこの、黒いTシャツを着た銀髪の兄ちゃん!』
「あぁなんだ?俺になんか用か」
「あ、蘭丸が当たった」
『早速名前を教えてくれ!』
「ふざけんな。テメェから名乗れやこの野郎」
「さっきクラッシュって言ってたじゃん。蘭丸です、この人蘭丸って言います」
「おいお前勝手に教えてんじゃねぇよ!」
「お客様!落ち着いてください…!」


マイクを向けてきているスタッフさんも困っている。なのに画面の亀は動じずに
『ランマルか!ロックでカッコイイ名前だな!』
なんて言ってきた。



「お、おう…」

ちょ、何この人照れてんの。さっきまでの威勢はどこに行ったのよ。



そして…なんだかんだ言って最後には


『お前たち最高だぜ!』
「うおおおおおおお!!!」
「一番楽しんでるじゃん」


亀の掛け声に子供たちより大きく反応する蘭丸の姿が面白くて、カルナイの皆への報告事項がまた増えてしまった。



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