voice of mind - by ルイランノキ |
〜WEISS Voice of mind〜
産まれた姿は人間から掛け離れた狼だった。
道なき森の中を走り回り、山をも鈎爪で引っ掻き回すように駆け巡る。
骨がバキバキと音をたて、激しい痛みに耐えながら人間へと姿を変える。
人間の服を着て、人間のふりをして、生きながらえるハイマトス族。
人を喰らったことがあった。完璧な人間になるために。
だが、いくら人間の姿になろうとも、自分を人間だと思ったことは一度もない。
人を愛しても。ハイマトスである以上は。
──お前はどう思う。
お前は人間だと思うか
お前は魔物だと思うか
もうすぐ夜が明ける。
いなくなる前と変わらない朝が来る。
お前さえ戻って来るならば。
Thank you... |