voice of mind - by ルイランノキ |
──あの時のことは正直よく覚えてないんだ。
散々迷惑かけといて申し訳ないけど、
シドが言っていた通り、ほんとにイカレてたんだね。
でも彼の話はちゃんと覚えてる。
タケルの話。ちゃんと覚えてるよ。
この時はまだ知る由もなかった、
ルイ、カイ、シドに黙ってひとりで起こしたあなたの行動。
残された私たちへのメッセージ。
どんな思いでそれを託してくれたのか
後になって知ることになる。
私の目を見据えて放ったあなたの言葉、思い、無駄にしたくないって思った。
本当だよ。
だけど
怖いんだ どうしても
怖くて怖くて仕方がないんだ
呼吸を繰り返すだけでも怖くてまた狂いそうになる
誰が今の私を見て信じてくれるのだろう
私もまた自分に疑心を抱いてる
それでも貴方は私を理解しようとしてくれた
少しでも救おうとしてくれた
でもきっと貴方も同じ理由なのかな。
あいつが言っていたように、きっと
私が仲間の誰かを殺したとしても
みんな“仕方ない”と言うんだ。
私を見ている人は、いないから。
あなたはどう思う?
タケル
私の正しい選択肢はどれだと思う?
戻れば 私が 全てを 壊してしまうかもしれない
だけどまだ性懲りもなく 孤独を感じてる。
第十二章 シャットダウン (完)
Thank you... |