花の巻打ち明け話


※花の巻ネタバレ注意


□女学生の詳細とその名前

此岸 苺(このぎし いちご)
 黒髪ロングに赤いリボンをつけた美少女。
 苗字は「彼岸」とも迷ったのですが、怪しくなりすぎるので「此岸(しがん)」(現世)にしました。
 「苺」と言う名前は、露草に言わせようとして没になったセリフ:「女の子って熟れた苺みたいだよね。食べてみるとそんなに甘くないんだ」に由来しています。

小雪 牡丹(こゆき ぼたん)
 弓道部の部長の子。おかっぱで白牡丹の花の髪飾りをつけています。
 小雪は二十四節気の小雪(しょうせつ)からとっています。冬のはじめの頃です。

鬼宿 撫子(きやど なでしこ)   
 悪役令嬢みたいなキャラとして描きました。けど、実際夏虫の言った通り、暇を持て余しているだけなので、更生の可能性は十分あります。
 鬼宿は鬼宿日(きしゅくにち)からとっています。鬼が家にいるという意味で、最吉日のことです。

霞(かすみ)、躑躅(つつじ)
 苺ちゃんのファンの、一年生の女の子。
 そのほかの設定は全然決めてないです。

皐月 菫(さわつき すみれ) 
 見た目は真面目で地味な女の子なのですが、メガネを外すと美人です。露草はそれをわかっていて近づきました。クズですね。
 皐月(さつき)は五月の意味です。菫の花って可愛いですよね。

桃(もも)、藍(あい)
 死んだ二人の女の子。
 実は同じ名前のカタカナ表記のキャラが、別の作品に出ています。転生後の姿だと思ってください。



□没シーン

 書く予定はあったけど長くなりすぎてカットしたシーン集。
 ほぼ会話だけしか書いていないので、フィーリングで読んでください。

@『十三』でカットしたところ

「そもそも露草は俺にとってはもう家族みたいなものだし――あっ」
 女学生たちはぱあっと顔を輝かせる。
「一緒の家に住んでいるの?!」
「これは何が起こってもおかしくありませんわ……!」
「違う!! 違う!! どうして全部そうなるんだ!!」
「へえ、家族……」
 けれど、露草は何故かにやにやしている。
「家族ねえ。そっか、家族かあ」
「ああ。最近ますます思うんだよ。お前は飼い猫みたいだなって」
「…………飼い猫…………」
「だってほら、飯ができるまで座って待ってるし、他の家事も何もできないし……」
「……………………」
 露草は俺を見つめて、何故か絶句している。

A『二十三』でカットしたところ
 露草が苺に占って欲しいと頼む。

「そうだなあ、ぼくの好意に全然気づいてくれない人がいるんだけど、どうすればいいかな?」
「それは、恋愛占いかしら?」
「恋愛ではないかな。単なる好意」
「ならそれは、露草ちゃんがはっきりと伝えていないからではなくて? 文月先生だって、はっきり言えば気づくはずよ。それは貴方もわかっているでしょう?」
「……いや、待って、ぼくナツのことだとは一言も言ってないけど?」
「あら、違うの? なら、文月先生は私が貰おうかしら」
「それは、本気で?」
「………………」
 苺は微笑むだけだった。
「ナツの話を聞いて、最初はキミがナツを好きなんだと本当に思っていた。でも、遊びなら駄目だよ。ナツに関しては正当なお付き合いじゃないと、ぼくは認めないからね。絶対に」
「どうして、遊んでいる貴方がそれを言えるの?」
「ぼくと違って、ナツは真面目だから、きっと結婚まで責任とるって言って聞かなくなるよ。キミも何となくわかるだろう?」



□この話を書こうと思ったきっかけとか解説とか

 露草は夏虫のことを友人として&家族として&一人の人間としてとても好きです。
 言い換えると、性愛以外の「好き」感情の全部を夏虫に向けてる状態です。
 そこを踏まえて、じゃあ逆に、露草から見て「女の子としては大好きだけど人としては大嫌い!」みたいな立場の子がいてもいいんじゃないかと思って、苺ちゃんが誕生しました。

 苺ちゃんは苺ちゃんで、やたら「男性」や「水陰の末裔」を嫌悪している理由も実はあるので、その辺りもいつか掘り下げたいなって思います。
 けど、ミステリアス美少女のままでも素敵ね!

 ということで、ここからは露草くん視点の五日間の打ち明け。
 若干センシティブな内容含みますので注意。

 今回あえて描写してなかったんですけど、露草は事件の話を聞いた時から女学生と恋仲になる気満々でした。
 それで、まずドストライク美少女である苺ちゃんのことを狙ってました。

 けれど、初日の夏虫と苺のやりとりから、苺ちゃんは夏虫のことが好きなんじゃないかと勘違いして、じゃあ夏虫に譲ろうと思いました。
 基本、露草は夏虫には幸せになって欲しいと考えているので、美少女に好かれてよかったねって言ったのは本心です。
 まあそのあと、夏虫本人に露草といる方が良いみたいに言われて、それはさすがに予想外で激照れしてました。

 で、苺ちゃんは夏虫に譲ることにして、菫ちゃんに乗り換えてました。
 ところがその後、夏虫の話を聞いて、「苺は自分と同族(=誰でも良いから相手を求めている)?」と思ったわけです。
 「誰でも良いならぼくでも良くない?」と思って、再び苺に近づくことにしたのですが、結果はご覧のとおりでした。
 露草は、決まった彼女を作らずにフラフラしてきた男なので、今回苺ちゃんに面と向かってフラれて、その辺の遊んでたツケの制裁が下されたんじゃないかな?

 あと、烏羽さんと杏さんのご夫婦は推しカプなので、よろしくお願いします()
 実は、烏羽さんは『猫の巻』で登場させようとも考えてたんですよ。そのくらいの時期から夫婦設定はありました。
 今回二人の関係をやっと正式に明かすことができて満足でした!

 言いたかったこと全部言えて満足です!
 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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