■Secret BAD case

春、高校生になりたてのまっさらな制服に身を包み
黒髪に大きな瞳とロングヘアーが印象的な美少女
藍原 梢には悩みがあった

登下校のふとした時に背後に人の気配を感じる
もしや霊感?と思いながら誰にも打ち明けず
いつもと同じ通学路を毎日行き帰り
次第に背後に近付く足音も大きくなり
梢は思わず振り向いた

「こんばんは、初めまして」

そこには男子校の制服を纏った
サラサラの金髪の美青年が立っていた
自分好みの男子に声をかけられ
梢はしばらくの間ボーッと見惚れてしまった

『はっはじめまして、藍原 梢ですっ!』

梢は顔を真っ赤にさせて自己紹介をした
これっていわゆるナンパかな?中学の時にも
何度か怖そうな人に声をかけられたけど
こんなにかっこいいというか綺麗な人は初めて

その金髪の青年は自分の名前を名乗ることなく
笑顔でその場を立ち去った
それからもことあることによく道ですれ違い
笑顔で挨拶を交わす関係にまでなっていった

そんな時、梢は幼馴染で
ある男子に呼び出され告白された
当然梢には気になる人がいるからと断ったが
キスしてくれたらサッパリ諦めると言われてしまい
仕方なくひと気のない路地裏でキスをした

それから二人は別れて
梢は帰宅しようと通学路へ戻った
すると、金髪の青年が立っていた

何やらいつもと雰囲気が違う
梢は強引に正体不明の薬を飲まされて
その場に倒れた
青年はニヤリと笑みを浮かべ
「薬が効いてきたら迎えに来る」と言ったまま消えた

『ハァハァ……ぅぐ……ぅっ……ハァッ!!』

「君が悪いんだよ、僕以外の男と
話したりキスなんてするから」

飲まされたのは強烈な媚薬で致死量ギリギリだった
梢は道路でうずくまったまま
ひたすら大声を上げて悶えた
体が焼けつくされるような苦痛しか感じない
まるで炎の中にいるかのように

「あーなんだ?ヤク中女か…?
可愛い顔してんじゃねーか」

そこへすぐ運悪くも通りがかったのは
芹沢軍団とその先輩の大型車ハイエースだった
全面フルスモークで、仲間内では通称”ヤリ車”
芹沢の親の裏稼業で幅を利かす家柄の持つ権力は
先輩でさえも手下のように利用していた

梢は容易くそのヤリ車へと連れ込まれ
数人の男に代わる代わる犯された
反応が面白いと今いる人数では飽き足らず
何十人も呼び出されその相手をされた

処女でもあった少女の細い体は、体中
見るも無残な男の精液にまみれてしまった

深夜、息も絶え絶えの梢は服も着せられないまま
廃工場へとそのまま捨てられた

当時、親に貰い受けた高級車での
ドライブが趣味だった棗は、その晩も
自慢のポルシェで港まで飛ばしていた

「ん……?えぇ?!死体……?!いや、息はあるな…」

その港の廃工場で、棗は複数の男に姦されて
今にも息も絶え絶えな少女を発見した

精液にまみれたツンとした臭いに
手を触れるのを一瞬躊躇ったが、その惨状に
そのままには出来ないと上着を着せて車へと運んだ

家には連れ帰るワケにはいかない、となれば
当然病院か警察か、いやその前に一回ぐらい…

意識のないボロボロな彼女を見つめている
どこからか逸脱した欲情が湧いてくる
自分もこの幼い少女を穢してみたい…
そんな倒錯的な考えがホテルへと行き先を変えた

まずは飲み水を含ませ、身体を綺麗に洗い流し
後は少女の意識が戻ったことを確認して
男は好き放題弄んだ、が、意識どころか
少女の体温は段々と冷たくなっていく

そんな事にも気付かず男は一晩中犯し続け
夜明けと共に少女をホテルに置き去りにした

助かるチャンスはいくらでもあった
誰かの一報さえあれば
梢は長く苦しまず死なずに済んだ

そしてその残酷な女子高生暴行殺人事件は
警察により元犯罪者で無職の男性(40)と断定

実の芋の梢の葬式でも最後の火葬場でも
優は涙すら出なかった

ただ冷たい眼差しで、自分の父親と
通学路、廃工場、ホテルで拾った物
生徒会長立候補の用紙、キャバクラや風俗店の名刺
兄の愛用するジッポライダーを
ジッと睨みつけていた

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