6. 結末


もう猶予がない大学4年
周囲から一人取り残されたまま
就職活動に路頭に迷う22歳

息抜きの合間には斗真の出場試合を観戦している

日本代表の期待にして実力派のイケメン若手
Jリーガー佐伯 斗真の彼女として
しっかりと地に足をつけて生きていきたい
彼は来季からはなんと欧州チームへ移籍予定

TwitterやFBでも名前から大学まで
あの佐伯の彼女だと顔バレしてるし
ネットであることないこと書かれまくり
だけどそんなことはどうでもいい

誰か私に就職先を!と叫びたい

母のツテや斗真のコネは一応あるみたいだけど
他人の力に頼ってぶら下がりたくはない
胸を張って斗真の彼女と言えるように
できたら弱い人の為になる職につきたい
なんて今や選り好み出来る身分じゃとてもないけれど…

今日も次から次へと、不採用通知のお祈りメール

”こんにちは ○○○(株)採用担当○○です。
この度は残念ながら今回はご希望に沿えない結果となりましたが、今後の立花様のご活躍をお祈り申し上げます。”

何の躊躇いもなく削除、削除、削除ボタン連打
望み薄のどんよりとした顔で
不採用の書類通知まみれのポストを覗いてみる

『はい…はい…はい無理でしたーっと、…んっ?』

どうせ無理だろうと、パッと目についた
大手のIT系企業の封を開けてみると
燦然と輝く”書類選考 通過”の文字があった

とにかく大喜びで1人で酒パー、斗真にも連絡っと
これで晴れて私も4月から社会人になれる…
かもしれない

それにしてもこんな会社受けたっけ?
何百と書類を送ったから、正直記憶も曖昧だけど
こんな大きな企業に応募したっけな…?

すぐに会社のHPを確認してあらゆる情報収集

明日はついに面接日
就活スーツにがっつりアイロンを当てて気合い十分
母からもアドバイスを貰ったし
自信を持ってガラス張りの高層ビルと足を踏み入れた

「あ、何階ですか?」

『23階です…すみません』

エレベーターの中で二人っきりになったのは
高長身でシュッとした、いかにも仕事が出来そうな
Sっ気もありそうな…超タイプのイケメン!

ドキドキで今にも心臓が爆発しそうな中
目の保養になる殿方と乗り合わせて
いいことありそう!ラッキー♪と胸が弾んだ

彼と別れて私は23階で降りる
既に同じ就活生が椅子にズラリと並んでいた
バチバチともう潰し合いは始まっていて
互いの視線が迸り、いたたまれない空気に
体中がムズムズしてくる…

私は最後の番号で最後に呼ばれ
息を大きく吐いて面接室へと入っていった

『失礼します』

初対面は好印象にキリッと自然な角度でまずお辞儀
次に面接官と視線を合わす、緊張のその一瞬…

「おー元気してたか?
しかし相変わらず童顔のままだな、真凛」

そろりと頭を上げた私の目に飛び込んできたのは
憎いくらい余裕綽々な笑みを浮かべる
あのエレベーターで出会ったイケメン

私は驚きのあまり腰を抜かして
椅子からガタ落ちてしまう醜態

『えーと…お知り合いの方でしたか?』

「…俺だよ俺、立花 葉月」

『えっ……嘘でしょ?いやいや
ちょっと待って!頭が追いつかない!』

目の前でジッと構える人事担当の面接官は
親の離婚で中学生で離れ離れとなり
連絡も何もなく音信不通状態の兄だった

私のファーストキスを強引に奪い
大事な初恋を台無しにした張本人

「…お前、うちの会社で働きたいなら
それなりに体張れよな」

面接官はなぜか彼以外誰もいない
二人っきりの空間で

私は現在デスクに軽く腰を掛けた
面接官兼実の兄の股の間に潜り込んで
言われるままにご奉仕フェラをさせられることに

今更…お兄ちゃんのモノを咥えるなんて…

「オイ真凛…もっとしっかり舌を動かせ
いい歳して経験少ないのか?
これなら10代の高校生のがマシだぞ?…ヘタクソ」

そう言いながら何故か嬉しそうな兄の表情
バカにしてるんだか、喜んでいるんだか

「ほら、ちゃんとこっちを見てしゃぶれ」

『っ…んぐっ…ぷはっ…もういいっ?
顎が外れそう…っ!』

「おいおい、これから上司になるかもしれない人間に
そんな軽い口の利き方してんじゃねーよ」

口はまるで性器のように扱われ
肉棒を喉奥まで突かれてスライドさせられながらも
一生懸命受け入れて、奉仕しているというのに
面接官兼兄は一向にイク気配がない

「そんな気の抜けた舌使いの女じゃあ
使いもんにならねーな、もういいわ…
とりあえずその似合わないスーツを脱げ」

呆れ顔の兄は私の身体を簡単に持ち上げると
デスクの上に両足を思いっきり拡げ
パンストを勢いよくビリッと破り出した

パンツの中央にうっすらと湿っている染みを見つけ
兄は妖艶な笑みを零す

『あっあっあっ…もっイかせっ…』

「気持ちいいだろっ!
イかせてほしかったら俺のこと
“お兄様お願いします”って
呼んで…おねだりしろよ」

昔のような絶妙な愛撫ではなくわざと焦らすような
それでも相変わらず自分を知り尽くした
舌戯に翻弄されている

ザラザラとした舌の質感が割れ目をゾロリと這い
肉芽に吸い付いては剥いて戻しての繰り返し
初体験のあの時の、痺れるような感覚が蘇る

『やっ…あっあっ…あっ…お兄様…んぁあっ…』

ぐちゅっぐちゅっ…ぐにゅにゅ…

秘部から絶えず漏れ聞こえる卑猥な音に
理性まで吹き飛びそうになる

今晩はこの後斗真とディナーの約束があるのにとか
この先も兄との肉体関係を続けるハメになるかもとか
今はもはやもうそんなことどうだっていい

そもそも最初は夜這いで襲われて
盗撮された写真で脅されて
無理矢理バージンだって奪われて
あちこちでの校内Hにも付き合わされて

ずっとずっと嫌だったのに
それが気付いたら体の関係によって結ばれて
いつの間にか心まで支配されていたなんて

『やだ、まさかこんなっ場所で最後まで…?!』

「なんだ、気が引けるのか?
学生時代は空教室や裏庭で…
散々淫らな行為をやってきた仲じゃないか」

斗真…ごめんなさい…私、こんな最低な女で…

「さてと、10年ぶりのお前のココは
どんな具合だろうなぁ?あのサッカー選手だかに
突かれまくって弛んではいないだろうな?」

『ひゃっあぁっ! 』

そして今はデスクに手を付かされ、後ろから
バックで激しく獰猛な男根で掻き乱されている
それにいいところをわざと外して
肉壁をやんわり擦りつけるように責めてくる

こんなに焦らされたら、素直に口に出して
おねだりせざるを得ない…

『おねがいお兄ちゃん…っ!
今までの分…全部ぶつけて…っ
もっとめちゃくちゃにしてっ…!』

その”おねだり”を聞いた瞬間
兄は私の上半身をグッと押さえつけ折り曲げて
太腿をピタッと密着させるように持ち上げた

下腹部がデスクに圧迫されて蒸せ返りそうになるほど
凶悪なペニスを再奥まで乱暴に突き立てられた

「ハァ…なかなかのいい具合じゃないか…」

『ぁっ、やっ!ぁ、ん…っも、ムリ…っ!』

この行為が始まって一体何時間が経ったのだろう
休むことなく何度も何度も腰を打ち付け
これだけの精液を連続して注がれているのだから
やはり兄は絶倫だと改めて思う

『も…ダメっ、これ以上ナカに…出さないで…』

幾度吐き出されたかも分からない白濁にまみれ
私は節々で喘ぎを漏らしながらも
掠れた声で限界を訴え続けている

おそらく10年間ずっと溜まっていたかのような
欲を存分にぶつけられて、ナカはもうパンパンで
見るも明らかに膨れ上がっている

一方でせっかくナカで吐き出した精子を
一滴足りとも零させないようにと
自身のモノで再び孔を塞ぐ葉月

ナカは既に飽和状態なのか
出し入れする度にゴボゴボと勝手に溢れてしまう

「俺の真凛っ!可愛い俺の…真凛…っ!」

切なげに快感に酔いしれながら私の名前を呼ぶ兄

粘着音を響かせて膣内で白濁がぐちゃぐちゃになって
空気までゴポッと潰れる音にまで葉月は欲情
律動のスピードは落ちるばかりか
どんどん早まっていくばかり

乱暴にグイッと顎を掴まれ、ドロドロに
溶かされ貪るようなキスを繰り返されながら


ー私達は暗い闇へと堕ちていったー


当時は兄に弄ばれるだけの存在だと思っていた
それなのに、引越し寸前にあんな…
衝撃の告白をされて、今までずっと引きずってきた

私はもう自由の身で
誰もが羨む彼氏がいるというのに

でもきっと私と兄の過去に犯した禁断の過ちや
体で得たような汚い経歴なんかを
彼は受け入れてはくれないだろう

それなら一生お兄ちゃんの玩具でいいや
なんて現実逃避してみたり…


ーーーおそらく幼児期の頃からずっと
真凛に性的好意を抱いていた
歳の離れた兄妹で毎日生活を共にしながらも
好きで好きで堪らなかった

でもこのままだと心も身体も
壊してしまうと思ったから

泣く泣く距離を置いて、遠ざけることで
好きでもない女に愛想を振りまく日々は
正直苦痛でしかなかった

真凛を騙して装う為には
必要不可欠な芝居だっただけのこと

幼い自分は世間体やお前のことを考えると
「お前にはもう関心がない」こう思わせるのが
一番だと、ただ必死になっていた

許されない叶わぬ望みを持ちながらも、いつか
真凛と一緒になれる日が来ることを願っていた
一人でここまでがむしゃらに生きてきた

「今日からお前は俺の”女”として、俺に尽くすんだ…」


今のお前の彼氏には幾分劣るかもしれない
それでもこの先こんな俺と一緒になってくれるか…?



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