番の証が薄くなったうなじを、指でなぞる。
…もしかして、サクの身体はもう俺のことを番だと認識してくれていないのかもしれない。それでも、こうして巣作りをしてくれたのだから、まだサクの気持ちは…。
「すごいな、上手に作ったな」
サクのことが愛しくて愛しくて、自分の不安なことも全て飛んで行ってしまった。今思うのは、ただ目の前の男を俺の愛情で満たしてあげたい。ただそれだけだった。
「…うん、俺…アキさんのために作った。偉い?」
俺は、髪を撫で声を掛けたことによって、意識が浮上したらしいサクが、瞳を潤ませながらこちらを見ている。首筋に顔を寄せて皮膚が薄いところ下でなぞると、「…ァ、っ」と頬を赤らめながら、快楽によがる。
「偉いよ、まあパンツを枕元に置かなくてもいいんじゃないか?」
抱き込んだサクをぎゅうぅぅと抱きしめて、苦笑いをしながら彼に問いかける。んー?だって、一番匂いが強いんだもん、なんて言いながら、クスクスと笑う彼は本当にかわいい。
最近は俺が受け側をやっていたから、久しぶりにこんな甘えられて俺は内心大喜びしている。俺のケツ穴に挿入して、果てる彼を見ると大変興奮する。自分のアナルからだらだら濡らしながら、腰を振るサクがかわいくてしょうがないのだ。
「サク、今日は俺が挿れていい?いいよな?」
俺の首に腕を回して、コクコクと頷くサクは本当にかわいい。帰ってきてそのまま巣を作り、ベッドにダイブしたのであろう。コートを脱がせ、セーターとワイシャツを脱がせる。上半身はどこもかしこも熱を帯びており、触ってほしいと訴えている。
早く脱がせて、早急に突っ込みたい欲求を押さえつけて、ゆっくり丁寧に脱がしていく。浅い息を繰り返すサクは色っぽくて、振りまくフェロモンに俺も参ってしまいそうだった。正確にはもうやられているのかもしれないけれど。
少し厚手のジーンズとボクサーパンツを一気に脱がせる。一段と、彼の匂いが強まって、自分のペニスが反応してしまう。すでに濡れている後孔を見ると、やはりサクはΩなのだ、と改めて思う。
ずぶずぶと、ソコに指を差し込んでいく。熱い粘膜に包まれていく自身の中指に勝手に嫉妬する。早く、挿れたい。
ずず、ずず、と少しずつ奥へと入れていくたびに、「ァ、…ぁ」と控えめにあえぐ彼が愛おしい。もっと、声を出してくれても興奮するが、声を聴かれるのが恥ずかしいと、声を抑えようとするのも俺の心臓を掴み上げる。
「も、いいからッ…挿れ、てッ…」
「まだ、一本しか入れてないからダメ」
そうやって潤んだ瞳で睨まれたってなにも痛くないということを彼はわかってない。もう一本指を増やしてすでにぐずぐずの粘膜を押し広げていく。そのたびに腰をくねらせ、背中をヒクつかせるサクに、俺の腕があと二本あればよかったのに、と悔しくなる。そうしたら、そのヒクつく背中を撫でまわして、くねらせる腰に指を食い込ませるのに。
バカみたいなことを考えていると、急に視界が反転する。
俺をベッドに押し付けて、俺の上に馬乗りになるサク。え、なにこの絶景。
「挿れないなら、俺が挿れる。」
上手く力が入らないのだろう、震える腰をなんとか前後に揺らし、片手で俺のペニスを掴むとそのまま自身の入口へと導いた。
「無理すんなよ」
「してない、ッ、んあ」
ゆっくりと挿入していくサクは、快楽を丁寧に咀嚼していくようでなんとなく腹が立った。
「えっ、んンあああ!」
じれったくなった俺は、上半身を支えていたサクの両腕をこちらに引っ張って彼の支えを奪う。途端に、ゆっくりと降ろしていたかれの上半身は、ガクン、と下に落ちて突然のことにサクは目を白黒させている。
「は、挿れただけで、イッたのかよ。淫乱」
「は、言ってろ」
挑発するように、ニヤリと笑ったサクは盛大な色気を放っている、ああ、エロいこと山の如し。喘ぎたいのを我慢した様子で、強気にこちらを見下ろす彼にいたずら心が芽生えてしまう。覚悟しろよ、口の中でその一言を転がして、腰を突き上げた。
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