※トーカ+セイウン×シキ
※がっつりR18
※シキが大人になってます。
※トーカとシキは付き合っている。
※「○○しないと出られない部屋」という特殊設定





 「セックスしないとでられない部屋」と書かれた紙が貼られている。ベッドの上で眠りこけている男二人に見られないように紙をくしゃくしゃにしてごみ箱に捨てた。部屋を見回してもなんの変哲のないワンルームが広がっている。大き目のベッドが中心にあり、部屋の角には飲み物と食べ物が置いてある。男三人が一週間過ごすには問題ないようだった。
 変な張り紙のあった扉とはまた違う扉を開けると、そこには風呂とトイレがあり、トイレの水を流してみると通常に作動する。
「…普通の、トイレだ…」
普通の感想がでた。
 ベッドの近くにあったコンドームが大量に入った箱やら、大人の玩具やらをベッドの下に隠してやっとそこで冷静になる。

「……セックスしないとでられない部屋ってなに」

 ベッドの上で眠っているのは、俺の相棒であるセイウンと、現在進行形で付き合っている男、トーカ。俺様何様トーカ様だ。
 異常な空間、異常な状況下でここまで熟睡しているふたりに違和感を持つ。二人のことだから、こういった状況ならば一番に起きて状況を確認していそうな気もするけれど、睡眠薬でも飲まされているのかもしれない。…トーカは効かないかもしれないけれど。

 扉は勿論開くことはないし、小さな窓すらない。時計もなく、今がいつかもどこにいるかすらもわからなかった。そのことに軽く恐怖を覚える。
「……え〜、これどうすんだよ…」

「なにが?」
いきなり声がして思い切り振り返ると、寝起きの機嫌が悪そうなトーカがこちらを見ている。軽くホラーだ。眠り続けるセイを足でベッドの下に落としている。「う”っ」という低い音がベッドの下から聞こえたのは気のせいだろうか。

「あ、え、えっと、どうやら変な部屋に閉じ込められちゃったようでして…俺達」
「ああ?」

 のっそりと起き上がったトーカは俺のところまで大股で近づいてくると、俺の前髪に触れて額にキスを落としてくる。お前、や、め、ろ。セイもいるのに…!しゃー!と威嚇をすると、鼻で笑われた。クソヤロウ。

「ふーん? それでこれを破いた犯人はどこにいるんだ?」

 扉に何かが張られていた形跡を指差し、笑うトーカに小さく手を上がる。俺っス。俺のちょこざいなマネは通じなかったようだ。ごみ箱にぐしゃぐしゃにまとめられた紙を拾い上げ、そこに書かれている内容をじっと見つめ、薄く笑ったトーカに嫌な予感がする。

 こういう笑い方をしたトーカは大体ロクなことを考えちゃいない。これはもう十年以上の付き合いがある俺からしてみれば明白だった。

「…『セックスしないと出られない部屋』、ねえ……?」
「や、や、でも…!ここにはセイもいるし、もしかしたら敵の罠かもしれないだろ!? 俺とお前、ふたりなら、ま、まあ…」
「ふたりならなんだよ」

「…ふたりならさっさとこの部屋から出られるけれども!!」

もうヤケクソだった。この部屋の何が問題かというと、この異常な状態を除けばセイがいるということだ。ぶっちゃけ言ってしまえば、トーカと俺はこ、こ、恋人関係にあるわけだし、まあやぶさかでないというか、こういう状況下であればセックスしてもいい…というか、別に普段としていることは変わらない。
 しかし、この第三者がいる状況は非常にまずい。なにがまずいって俺の人権が終わる。

「俺とふたりっきりが良かったかァ? ガキンチョ。まあそう言うなよ、一人だけ仲間はずれは可哀想だろう? なあ、副隊長さん」
ベッドの下に落ちていたはずのセイは俺がベッドの下に隠したアダルトグッズを漁りながら、こちらを見ている。
 なんでそんなモンに興味持ってんだよ! このムッツリスケベ野郎が!

「ほんとっすよ〜俺ばっかり仲間はずれなんて、ひど〜い隊長〜」
「棒読みじゃねえか!」

 クソ、この男達、性に奔放すぎるぞ…いや、トーカはどの方面にも奔放すぎて自重するべきだけれども。この感じからして明らかにノリノリのトーカとセイに俺の貞操の危険度がグッと増した。
 だってこれ確実に俺が下じゃん…!
 しかし、迂闊なことを言ってはならない。ここで「下は嫌だ!」なんて言ってみろ。このトーカとセイは認めたくないが、俺の扱いには慣れている。ここで言いくるめられて確実にベッドに沈むのがオチだ。

「い、いやよく考えてみてくださいよ。これが敵の罠で、俺達がそういうことしてる間に後ろから攻撃されたら危ないでしょ!」
「その時は返り討ちにしてやるよ」
自信満々に言ったトーカに「できるか!」と言いたかったが、トーカなら本当に返り討ちにしてこのワンルームを血に染め上げるところまで想像できてしまったので何も言い返せない。

「ぐ、ぐう…わかってるんだからな…! この場合俺が下じゃん! 俺がネコ役じゃん…! しかも、さ、3Pとかどんなだよ!! しかもトーカは俺と付き合ってんのに、普通他の男とそういうことするのって嫌なんじゃねえの!?」
「別に?」

 べ、別にぃ〜〜?? なんで俺この男と付き合ってるんだ…? 普通はここで「お前は抱くのは俺だけだ!」とか「他の誰にもヤらせねえ」とかそういう俺様な台詞が聞けるところなんじゃねえの!? 普段は腹立つほどに俺様なくせになんでこういう時だけ…!

「と、とにかく! これでセイの目の前でヤられるとか、絶対嫌だかんな!! 絶対別れる!!」
「……」
 反応が返ってこないトーカの様子を伺う。お、さすがに効いたか…?別れると言われるのはさすがに強かったか…?これは最後の切り札だったが致し方あるまい。俺は絶対にこの部屋でセックスはしたくない。

「…そこまで言うならば仕方ねえ」
お。お。お…? トーカの神妙な面持ちをして、俺の腕を掴んだ。






 俺の最後の切り札とやらは随分と弱かった。

 「ああっ、はなしがッ…ちが、ンあッ…くそ、こンの鬼畜野郎が、ァ…ッひ!…ッ!」
後ろから貫かれ、卑猥な音が部屋に響く。目の前には、セイが手を後ろに縛られ、無機物な目でこちらを見ている。自分の腕はトーカに掴まれ、後ろに引っ張られている。支えるものがない上半身はベッドに沈み、顔はセイの腹あたりに埋まる。

「これ、なんで俺が縛られてるんスか」

 セイの不満そうな声が降ってくる。隊服はトーカの手によってはだけており、俺の胸元でセイのモノが勃起しかけているのがわかる。

「んんッ…あ、あ、もうッじゅうぶんッだ、ろッ!あっ、んああッ」

 迫る快楽から逃げ出すために上に上にと身体を逃がそうとするも、トーカに腕を掴まれて逃げることは叶わない。トーカの長大な熱は奥の奥の方まで拓こうとして閉じる粘膜をこじ開けようとしている。長いストロークに、前立腺から結腸の入口まで突かれ、脳が焼かれるほどの快楽に苛まれた。
「ふぐ、ン、グッ…あ、あ、アッ…ァッ…〜〜〜!」
「ねえ、隊長。舐めてよ」
「ッ…?あ、ぅ…」
「ね、お願い」
歪む視界を上に向けると、欲に濡れた目をしたセイに見下ろされているのを知った。責めるように後ろから貫く肉棒に喘ぎながら、必死にセイの隊服のファスナーを歯で下ろし、素でに勃起したモノをぴちゃぴちゃと舐め始める。
「おーおー、シキ。それこそ浮気じゃねえか? 美味そうに咥え込みやがって…」
俺の顔を覗き込むトーカのせいでよりナカの圧迫感が強まった。トーカの熱い質量が骨盤をこじ開けて、閉じた肉壁に入り込んでくる。
 ゴポォ…体内から決してしてはならないような音が鳴り、視界が酩酊する。

「ちょッ…ッ、ふ、ッ…!…!…ッ、ッ…」

 セイの反り立った逸物が頬に当たり、降りきれない絶頂のせいで回らない頭でゆっくりとそれを飲み込んでいく。男を咥え込み、ケツだけ浮かせた状態はまるで雌に成り下がったようで、抗う理性を手放してしまう。
 ぐぽ、ごぽ、ぐぷぷぷッ…ごぽッ
 トーカが結腸口を亀頭で抜いては挿れ、出て行ってはこじ開けを繰り返すたびに、意識が白飛びする。俺の喉から漏れる声は喘ぎなんてかわいいものではなく、もはやうめき声だ。
「ぐ、あ”ッ…あ〜〜ッ、ッ、ッ、あ”あ”あ”ッ…ん、む”ッ…んんんッぐ、…」

 セイの腕はいつの間にか縄から抜けていて俺の頭を抑え込み、喉奥まで反り立ったモノが入り込んでくる。まるで胃まで犯されているようで、苦しいはずなのにそれすらも絶頂へと向かう材料となっていた。

「シキッ…!そんなに俺とするのは、嫌かよッ…!」

 こうなる前に俺が嫌だ、嫌だと言っていたことを言っているのだろうか。快楽に支配された使い物にならない脳みそで考える。セイは必死に喉に腰を打ち付けながらも、悔しそうな表情で俺を見ていた。
 後ろから与えられる快楽はあるはずのない子宮の存在を錯覚させた。自分の粘膜がトーカの熱を欲しがって、ナカに種付けしてほしい、ナカを熱い熱いもので満たしてほしいと唸っている。トーカも射精間際のようでさらに膨張させているのがわかる。

「は、ッうンアアッ…あああッぐ、ふう、も、またッ…イっちゃ…」

 咥え込んでいたモノから口を離すと一気に酸素が肺に入り込んでくる。それを咎めるように射精していないセイのモノが喉奥まで一気に入り込んできて、熱い精子を胃に注がれた。
 ねばっこく、喉に絡みつくものを必死に飲み込んで顔を上げるとセイが少し泣きそうな顔をしていたのに気づき、「セイ…」と名を呼んだ瞬間、後ろから突かれる衝撃がより強くなり、背中を弓なりに仰け反った。

「あああッ…は、げし…あッ、アッ、も、も、ん〜〜〜ッ!!…ッ!!」
「おら、ナカに出すぞ…! ちゃんと孕めよ…!」
「あ、ッ…!〜〜ッ!あ、あつい…ッ…!」

 普段はセーフティセックスとかなんとか言ってゴムをつけてするくせに、今日はしていないことに初めて気が付いた。いつも俺がどれだけ中出しを強請ってもしてくれないくせに。
 自分のゆるく勃ち上がった屹立から勢いのない精子がシーツの上に吐き出された。満たされない射精感の後を追うように自身の下腹部、女であれば子宮がある位置から狂わしいほどの絶頂が襲ってきた。
 後孔のギリギリまで引き抜いて、結腸を勢いよく貫かれて奥の奥の方で射精をされた。ナカに出されている間もマーキングをするように肉壁に精子を塗り込まれイき狂う粘膜が酷くヒクついた。
 爪先から、腰、胸、手の先まで痙攣し、息を上手く吸うことができない。トーカにキスをしてほしくて必死に後ろを向いたのにトーカは「他人のチンコ舐めた口にキスとかしたくねえ」だとか言ってしてくれなかった。
 ナカに出されたこの熱も、トーカの不貞腐れたような声音もすべて擽ったい。水の中に沈むような快楽を俺はひとりベッドの上で楽しんだ。





 備え付きのシャワーを浴び、身だしなみを整えて扉を開ける。開けられなかったはすの扉をすんなりと開いて、今まで起こったことが嘘かのようだ。

「セイ、俺はお前とするのが嫌とかお前が嫌いとかそういうことじゃなくて…ま、まあ曲がりなりにもトーカとは付き合ってるし、というよりも…」
いつも男前でオカンなセイが見せた悲しそうな表情を思い出して、あえて口にする。いつも俺の横に立つセイ。セイは俺の話を静かに聞いていた。

「信頼する相棒に…情けないところ、見せたくないんだよ……」

 言っていて恥ずかしくなってきた。思わず俯くとセイの大きな掌が俺の頭をぐしゃぐしゃに撫でまわす。いつもよりも無邪気に笑うセイは俺の肩を二度叩くと、さっさと先を歩き始めた。「ごちそうさまでした」と言って去っていくセイの背中を見送っていると、思い切り後頭部をはたかれた。

「ッいっっっって…」

 恨みがましい目で振り返った瞬間、トーカにキスをされた。

「……キスしたくないって言ったくせによ…」
「うるせえ、さすがに他人のブツをフェラした直後にはしたくねえだろうが」

 先程キスされなかったのが、結構傷ついていたらしい、と自己分析が入る。軽い口づけに安堵を覚える自分に気が付いた。ただ純粋に喜んでいるのがバレるのは癪に障るので、不機嫌そうな顔をして見せた。
 どうせ、自分で吹っ掛けておいてセイとイチャイチャをしている姿が気に食わなかったのだろう。昔はあんなにわかりづらかったこの男の生態が今ようやくわかってきたかもしれない。嫉妬をするならば最初からセイをベッドの上に上げないで、さっさと目的を果たして部屋から出ればいいのに。こういうところは考えなしだなあ、と思う。俺よりもアホだ。
 だから、俺がセイにフェラチオをするのを邪魔してきたのだろう。本当にしょうもない男だ。

「……俺、しばらくトーカとセックスしねえから」
「はあ? なんでだよ」

 今度はトーカが不機嫌になる。この男の表情がこんなにも愛おしく感じるとは。
「なんでも!」

 結局はその日の夜、自室にて迫られ断り切れなかった自分が翌朝、ベッドの住人になることを俺は知らない。


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