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マルコとサッチ(と連載主)
2010/03/29 17:03
とある島に寄ったある日、本屋でマルコを見つけたおれはふらりとその店に入った。
「…ん?」
児童書?
「よっ!マルコ」
「サッチかよい…」
振り返ったマルコの手にはやっぱり児童書…というか絵本。
そこまで考えて、ピンときた。
「チビに?」
「…あぁ」
苦い表情を浮かべたマルコに笑いながら、おれもまたそこらにあった絵本を手に取った。
「あいつ、全然こどもらしくないのばっかり読んでっからなー」
まあマルコの部屋にあるものを読んでるんだから当たり前っちゃー当たり前か。
「…」
「ん?どうしたよ」
「…」
「おーい。マルコさん?」
「…なんでもねえよい。さっさと帰るよい」
そう言って、手に持っていた絵本を置いて店を出ていこうとするマルコに苦笑した。
なるほどな。
「照れんな。買ってってやれよ」
「…チッ」
「素直じゃねえなあ」
「うるせえよい!」
棚に並んでいる絵本を掻っ攫って会計に持っていく背中に、おれはまた笑った。
本当に素直じゃない。
これ以上笑うとせっかく買ったのに返品しそうだから、笑いは引っ込めてマルコに続いて店を出た。
「チビ喜ぶといいなー。…二冊とも」
「…うるせえよい。いい加減黙りやがれ」
照れ隠しの暴言は、やたらと柔らかかった。
チビくんと暮らしはじめて間もないくらい^^
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