Yellow frame【R-18/佐倉×日夜】(3)
「おっ…俺……腰抜かしっ」
「……うん、抜かしてましたね。……ごめんなさい、腰が抜けるほどあんなひどい事して」
そっと腰に手を回し撫でると、ヒヨさんは体をビクンと跳ねさせた。
再び俺を見つめる。
「ちゃ……腰…抜かしたん…は……佐倉が八嶋先生を…刺すかもしれんって思ったからや…なくて……。佐倉が先生を刺したら…今まで先生にされたこと全部…バレてまうかもって思ったから…でもなくて」
「……ヒヨさん?」
ヒヨさんは再び両目から涙を溢れさせた。
「さっ…佐倉が人を刺したらっ…警察…捕まって……会われへんくなるって…思て……」
「………」
「そんなんっ…耐えられへんって…思たら……腰が砕けてもうた……俺…先生のことちっとも考えへんで……佐倉と離れたくないってばっかり…思てた」
「っ……!」
「さくっ……」
力一杯、抱きしめる。
きつくきつく、抱きしめる。
ヒヨさんの不安を取り除くために、愛情を込めて深く抱きしめた。
「すみません……」
「もっ…ほんま……あんな事…」
「……しません。絶対、しません。無茶なこと、一生しません」
「……うん」
ヒヨさんはやっと安心したのか、強ばっていた体がしなやかになり俺に吸い寄せるように身を預けた。
二つの鼓動がどんどん優しい音色になっていく。
初めから八嶋を刺す気はなかった。
脅す程度で、おもちゃのナイフを振り上げてもパスワードを言わない時は録音していたボイスレコーダーを突き出そうと思っていた。
軽率な行動だった。
自分のしたことでヒヨさんを傷つけてしまった。
後先考えない自分の行動に腹が立つ。
まだまだ子供だ。
「すみま…せん」
ヒヨさんの肩に顔を押し付けて再び謝る。
「ん……もう、えぇよ」
温かい。
ヒヨさんは温かい。
本当に、生まれたてのヒヨコのように、純粋で、温かい。
「……ヒヨさん」
「ん?」
「キス、していいですか」
「っ……。そ、そういうのは聞くもんちゃうやろ」
「……ん」
ヒヨさんの肩を掴み力を込め顔を覗き込んだ。
真っ赤。
「ヒヨさん、顔真っ赤ですよ」
「……黙れ」
「……はい」
流れるように、触れるだけのキスをした。
「っ……ヒヨさん」
「はっ…っ……佐倉っ」
「ちょっ」
ヒヨさん、ちょっと目が据わってる。
唇を離した途端首に手を回され、勢いよくキスをされた。
ちょっと、ドアで頭打ったじゃん。
興奮するヒヨさんは、舌で俺の唇を割って強引に中に入ってくる。
俺はドウドウ、じゃないな、ヨシヨシ、と頭を撫でながら落ち着かせようとするんだけど、スイッチが入っちゃったみたいで。
「っ……はっ…はぁはぁ…はっ…佐倉っ……さくっ」
「ヒヨさんちょっと落ち着きっ…んんっ」
また、乱暴に舌が入ってきた。
今度は頭をぶつけなかったゾ。
でもこのままだと…。
俺が挿れられる方か?
別に構わないけど。
そんな事を淡々と考えながら、まだがっつくヒヨさんの唇を半ば強引に引きはがした。
「っ…待って、ヒヨさん。ちょっと待って。そんな焦らなくても逃げないから」
「っ……。やっぱ…女がえぇ…よな……。忘れられへん…よな」
「ん?」
お?なんだこの展開。
口端を唾液でテカらせながらうつむいたヒヨさんは、やや鼻声になっていた。
「やっぱまだ……イズミちゃんのこと、好き…なん?」
「………イズミちゃん?」
「……初めて会った時、泣きながら言うてたやん。イズミさん、好きだった…って……」
…
……
………
…………?
もしかして、泉水さんのことか?
「ぶふっ」
「っ!なんで笑うん」
ダメだ。
もう耐えれない。
「好きです、ヒヨさん」
「なっ…!」
暗い顔が一気に赤く染まり、震えながら俺から目を伏せた。
可愛い。
可愛過ぎる。
「八嶋に言ってたの、聞いてませんでした?俺はヒヨさんが好きって」
「っ……それは…先輩後輩の好きかなて…」
「いくら好きでも男の先輩にキスしませんよ」
「………」
ガンガンに効き始めたクーラーは、今の俺達の体温にちょうどいい。
でもちょっとだけヒヨさん汗かいてる。
可愛い。
「でも…イズミちゃん…」
「くくくっ……。…イズミさんね、そういえばヒヨさんと出会ってからすっかり忘れてましたよ。同じ部活だから毎日顔合わせるけど、全然普通だし」
「……同じ部活…マネージャー?」
「…くくっ……。そうだ、今度紹介します」
「え、えぇよ。いらん」
「今1番大切な人ですって、紹介させて……」
「………」
恥ずかしいのか、ヒヨさんはずっと俯き顔をあげてくれない。
覗き込もうとしたらサッと反らされる。
「……一目惚れ、かな」
「………」
「ヒヨさんと目が合った瞬間好きになってたんだと思う」
正確には、ヒヨさんの髪の毛を見て、だけどね。
俺はどうやら本気の恋は一目惚れらしい。
泉水さんもそうだからな。
「でっ…でも俺…男やで」
「うん」
「……胸ないで」
「うん」
「柔らかくないで」
「うん」
「…か、可愛くないで」
「ヒヨさんは可愛くて、かっこいいですよ」
「………。ほんまに…」
「うん」
「ほんまに……俺でえぇん?」
「ヒヨさんが、いいです」
また、唇を重ねる。
今度は深いものではなく、軽いキスを何度も。
唇、頬、瞼、額。
そして、首筋に落としていく。
「っ……」
「……ヒヨさん」
「…ん?」
「服、脱がせていい?」
「えっ」
顔を歪められた。
ちょっとショック。
「だって、八嶋は毎日見てたんでしょ」
我ながらガキっぽい言い方をしてしまったもんだと少し後悔した。
でも事実、八嶋が見ていて俺は見てないなんてなんか嫌だ。
ヒヨさんは躊躇いながら胸元に手を置くと、うーんと唸りながら口を開いた。
「………二ヶ月…いや、一ヶ月待って」
「なんで?じゃあ何もしないから見るだけでもいいでしょ」
「……嫌」
「なんでっ」
「い・や」
「な・ん・で」
お互い駄々をこねるように言い合いをし、なかなか折れないヒヨさんに少しムっとした。
なんで。
なんで嫌なんだ。
「………」
「……ちょっ…佐倉っ?!」
ヒヨさんを軽々持ち上げると、部屋の奥にあるベットへ連れていく。
スプリングを弾ませながらヒヨさんを押し倒し見つめると、不安そうな顔で俺を見上げてきた。
その顔に、ズンと芯が疼く。
「さっ佐倉っ」
「……なんで、嫌なんですか」
「………」
黙り込む。
ヒヨさんに覆いかぶさるように手を下ろし見降ろすと、そっと頬を撫でた。
「っ………」
「…怖い?」
「……ちゃうねん」
「?」
目を反らし言葉を濁らせる。
ヒヨさんはきゅっと下唇を噛んで自分のシャツの裾を握りしめた。
「お、俺…ないねん」
「ない?」
「…………下の…毛」
「………」
絶句。
まさか。
「八嶋に?」
「ん……」
コクンと恥ずかしそうに頷いた。
反らされた目にうっすら涙が浮かんでいる。
「……ごめん、ヒヨさん」
「えっ?」
突然謝った俺に驚き顔を向けてくれた。
頭に何が?と、クエスチョンマークをつけている。
「今のでスイッチ入った」
「なっなんっ……ちょっ!」
馬乗りになりながら、一つずつヒヨさんのシャツボタンを外していく。
「やっやめっやめっ」
ヒヨさんは慌てて俺の手首を掴んだけれど、全くビクともせず唸り声を上げる。
「やーめーろー!」
「やめません」
開けたヒヨさんの体は真っ白で綺麗だった。
薄赤い胸の突起を見つけそっと口付ける。
「ひっ」
「…すげ、白いね」
「…八嶋が…焼けたらあかんって…言うから…」
「………」
その白さに喜んでいたけど、ちょっとカチン。
少し乱暴に再び胸の突起を口に含むと、ビクンと体を大きく震わせ、思わず出た声に羞恥を覚えたのか口に手をあてた。
その隙を見てベルトに手をかける。
「やめっ…」
再び、胸の突起を甘噛み。
「いっ!」
抵抗しようと足をばたつかせているけど、逆にその動きのおかげて簡単にズボンがスルリと抜けた。
「あっ…」
少し乱暴にズボンをベットの下に落とすと、パンツ1枚とシャツの開けたヒヨさんを見下ろした。
ゴクリ。
生唾がリアルに喉を通っていく。
「ほんまっ…恥ず…い」
モジモジと下半身を動かして俯せになろうとしている。
すかさず肩を押してベットに押し付けると、ピタリと肌にくっついたヒヨさんのボクサーパンツに手をかけた。
「…さっ佐倉っ」
「……どうしても…見ちゃダメですか?」
「っ……」
首を傾げヒヨさんに問い掛けると、今度はヒヨさんが生唾を飲み込んだ。
「っ……まえ…狡い」
「狡い?」
「そんな…可愛く言われたら……嫌って言われへん…」
可愛い?
俺が?
ありえない。
でもヒヨさんには効いてるってことだよな。
よし。
「……好きな人の全部を見たいし」
「っ……だって…絶対ドン引…」
「引きませんよ。絶対」
「………わ、わかった」
観念してくれたのか、ヒヨさんは足をだらりとベットに預けた。
でもやっぱり恥ずかしいのか、両手の甲を額に当て顔を隠す。
またその仕草が可愛いんだけど。
「………」
こんな興奮したの、生まれて初めてアダルトビデオを見た時以来かも。
いや、それ以上に興奮している。
ゴクンとまた生唾を飲み込んで、ヒヨさんのパンツのゴムに手をかけた。
一気に引きずり下ろし、足首を擦り抜けソコを露にする。
「………」
「っ………」
ない、本当に、ない。
綺麗に、ない。
ヒヨさんは唇をきゅっと噛み締め、恥ずかしさのあまり枕を掴み顔を埋めた。
まじで綺麗。
本当に。
でもなんて言ったらいいんだろう。
綺麗なんて言ったら怒られそうだし、いきなり触っていいですかって聞くのはありか?
うーん…。
「少し…勃ってますね…」
「っ……」
俺の声に反応し、ビクっと体を揺らしたヒヨさんはゆっくりと枕を下げて顔をこちらに向かせる。
怒られる、そう思った瞬間ヒヨさんの鼻声が響いた。
「っ…しゃーないやん。好きな人とキスして、体触られて、裸見られて……勃たんわけないやん……」
「っ………」
天然って怖い。
「…触っていい?」
「……ん…うん」
恥ずかしそうにコクリと頷くと、枕をぎゅっと抱きしめながら自分の下半身を見ている。
俺はクスリと笑うと頬にキスを落として、ヒヨさんが見やすいように体を反らしソコを包み込んだ。
「あっ…」
ヒヨさんの腰が跳ね、ギシっとベットがきしむ。
視界も耳もそそられる。
薄く被っている皮を撫でながら搾るように擦りあげていくと、微かにヒヨさんが震え始めた。
声を出さないよう耐えているんだと思うけど、下半身が震えおまけに羞恥で体がさらに熱くなってきてるみたいだ。
でも目を反らさずその行為を見ている。
「あっ……すっ凄い…自分以外の手が触ってると思ったら…めっちゃ興奮するっ」
「?触られたことないんですか?」
「………」
黙った。
まさか。
「……俺…童貞…やもん」
「………」
思わず目を見開いてしまった。
全裸になったヒヨさんの体は錯覚なのか段々赤く色が染まってきているように見える。
とても綺麗だ。
「でもヒヨさんモテるって言ってなかった?」
「だっだってお前が!……絶対モテるくせにモテへんとか言うから…ほんまにモテへん俺がモテへんって言うたらめっちゃ惨めやん」
なにそれ。
「くっ…くくっ……」
「っ……わっ笑うな」
スネたのか、ヒヨさんは口を尖らせ目を反らした。
持っていた枕を投げ出しきゅっとシーツを握る。
その手は震え恥ずかしいのか呼吸も荒い。
「……ごめんなさい。続き、していいですか?」
「………」
「していいですよね」
「あっ!」
スネたのか反応してくれなかったヒヨさんに少しムキになって胸の突起をつねると、ビクンと大きく揺れベッドが卑猥に音をたてる。
「………触ります、よ」
「っ……でもっ…家の人…は?」
「祖父しかいないです。しかもその祖父も、この時間は公民館行って将棋打ってますよ」
「っ………」
ヒヨさんの喉が鳴る。
触っていいって…ことだよな?
もう我慢出来ない。
ヒヨさんの柔らかい太ももに手を当てると、そのままやらしく揉んでいく。
内股に手を入れまだソコは触れずやんわりと揉み、まるで痴漢してる気分だ。
「ふっ…うっ」
そういや抱く側は久しぶりだな。
ちょっと緊張する。
「ヒヨさん、口開けて」
「えっ…あっあふっ」
貪るように口付けをし、唾液の音を立てながら深く舌を絡ませていく。
卑猥に漏れる音と共に、ヒヨさんのソコを握った。
「んんっ」
「っ……さっきより…大きくなってるね」
「っ……」
皮をめくって中を取り出すと、優しく先端を親指の腹で押しながら緩く擦り上げて行く。
「あっあっあっ」
俺の手の動きに合わせて声が漏れて、閉じる目じりから涙が零れる。
「……ヒヨさん…気持ちいい?」
「っ…もちっ……気持ちいっ……すぐ…イきそ」
「いいよ」
「恥ずかしっ…あぁっ!」
先端をさらにグリグリと刺激しながら大きく下から上へ、上から下へと擦ると奇声に似た高い声が聞こえた。
ヒヨさんはまさかこんな声が出ると思わなかったんだろう、すぐ手を口に当ててその可愛い声を塞いでしまう。
「…声、大丈夫だって」
「でっでも…恥ず…い」
俺はクスリと笑うと、握っていた手を離しゆっくり舌を這わせながらヒヨさんのソコに口付けた。
「ちょっ!」
「…じゃあ、声出したくなるようなことしますね」
「っ!佐倉っ!あっ!さくっーー!」
舌を出しながらヒヨさんのソレを口に含むと、じゅるっと音をたてながら半勃ちのソレを喉奥まで飲み込んだ。
「いぃっーーー!」
なんだ、その奇声。
変だけど、ヒヨさんだから可愛い。
恋って盲目なんだな。
「あっあっまじっまじあかんてっあっあっ」
俺の頭を掴んで引き剥がそうとしているけれど、俺が舌でソレをくるみながら喉奥に吸い込むとすぐ力が緩んでしまう。
ヒヨさんって結構快楽に弱い人なのかも。
「ほっほんまっあっあかっあかっ…ん!て!イくから!離して!」
「っ……はーい」
「あっ……」
離してって言うから口から離したら、とても残念そうな声を漏らした。
見上げるとなんで?って顔をしてるけど、すぐ強気な顔に戻る。
「おっお前!俺で遊び過ぎや!こんなん全然免疫ないんやからちょっとは手加減しろ!」
「うん、ごめんね。じゃあ次はもっと気持ちよくしてあげます」
「なっ!人の話し聞いてっ…えっ…」
簡単にヒヨさんを持ち上げクルリとうつ伏せにすると、露になったお尻に音を立ててキスをした。
何をされるのか、わかったみたいだ。
もしかして男同士のやり方、勉強してきてくれたのかな。
「あっあかんて佐倉!ソコは!」
「ん。ここすげー気持ちいいんですよ」
「でもっあぁっ!」
「でも?」
白く綺麗な尻を少し乱暴に揉みながらまたキスを落とすと、ヒヨさんは振るえながら顔をベッドに押し付けた。
それを見計らって膝を掴み立たせ、四つん這いの格好にさせる。
「やっ佐倉っ…いやっ」
「大丈夫、痛くないから」
チュクっと、音を立てて舌を蕾の入り口に這わせた。
「んんっ!うっ嘘や!」
「本当だって。痛くないって」
「はっあっ…そんなっそんなとこっ…舐めんといっ…てっあっ…絶対痛いって!」
「痛くないから」
「あっあっ……だっだって痛かったもん!」
「………ん?」
「………あ」
一呼吸置いて、ヒヨさんは自分の発言に気づいたのかさらに顔を深くベッドに押し付けた。
そのおかげか尻が高くなり弄りやすくなる。
「…もしかして…自分で触ってみたの?」
「んっんっ……うん」
「いつ?」
「……昨日」
「なんで?」
「………さ、佐倉とするんなら…俺がやっぱ…女役…なんかなって…思って…」
「………」
なんだかほんとに怖くなってきた。
こんな天然生まれて初めてだ。
「……?佐倉?」
手が止まった俺を心配し、引かれたと思ったのか顔をベッドから引き剥がし振り返る。
俺の唾液で濡れた蕾と、羞恥で真っ赤に染まり涙で濡れるヒヨさんの顔。
絶景。
「俺に、任せてね」
「あぅ」
再び舌を、奥へ突き刺す。
「……舌は…どうですか?」
「はっあっ…あっ…すっ凄いっ…なんかっ…変な生き物が俺の中に…入ってきてるみたいっ」
「変な生き物とは失礼ですね」
「だっ…だって…」
ヒヨさんのお尻から口を離すと、ベッドについている小さな引き出しの上から2番を開けた。
「?」
はぁはぁと肩で息をするヒヨさんを少しの間放っておいて、見つけたその小瓶を取り出し引き出しを閉める。
「…なに?」
「変とか、言われないように」
「えっあっ…冷たっあっ」
無色無臭のローションを手のひら一杯に取ると、すぐヒヨさんの蕾に押し込んだ。
「もうちょっと腰上げてください」
「やっ恥ずかしいっ」
「はいはい」
「あっ」
まるで子供をあやすようにヒヨさんの腰を弓なりにしてお尻を突き出させると、液を垂らしながら指を一本中に挿入した。
「あっ!」
「…一本……入りましたよ…。気持ち悪いですか?」
「……だいっ…じょぶ」
ちょっと苦しそうだ。
痛いというより、気持ち悪いんだろう。
俺も始めはそうだった。
「すぐ、気持ちよくさせてあげますからね」
「っ……」
枕に顔を埋めるヒヨさんの耳元で囁くと、中に入れていた指をクイっと腹の裏側辺りを刺激した。
「ひっああっ」
また、凄い声。
くくっと笑いがこみ上げるけど、笑ってるの聞こえたら落ち込むだろうから必死に耐える。
確か、この変だよな。
「っ……んっ!」
いつも自分が一人で弄るときに触る場所、いわゆる前立腺があると言われているソレの裏側あたりを重点的に刺激して行く。
人によってイイ場所は異なると思うけど、だいたいこの辺、だと思う。
もう一度、内壁を擦るように刺激してみる。
「あぁっ!やっなっ…なにっ??」
ビンゴ。
ここか。
「ココがね、ヒヨさんのイイところだよ」
「イイ…とこっ…いぃああっ!」
くくくっ…。
可愛い声。
恥ずかしがっていたヒヨさんも、気が付けば腰を高く上げ涎を垂らしながら喘いでいる。
膝はガクガクと振るえ、すぐに崩れそうだったから腰を掴んで支えてあげる。
それにしても、結構、本当に、イイみたい。
「あっあっあっやっ…さくっ…佐倉っ…やっ…ソコばっか……ソコばっか弄るンなっ…って!」
「ごめんごめん、あまりにも嬉しくて」
「あっ!あっ…だかっ…だかっらっ…!俺っ…あっひっ…あっ…免疫っ…あっ…ないっから……あっあんまっ…あっ…ひっ刺激強くされたっらっ…いぃっ!」
「なに?刺激強くされたいの?」
「ちっ…がっ…うぅうっ!」
ダメだ。
このままだと本当に嬉しくて楽しくてずっとヒヨさんのイイところ弄ってしまう。
さらにローションを増やし中に注ぎながら指を二本にすると、無意識のうちに今度は二本指でヒヨさんのイイところを弄り倒してしまったよで、また怒られた。
「もっ…無理ぃー!無理ぃー!」
「ごめんごめん」
泣き出してしまった。
「ヒヨさん……入れても…いい?」
「っ………」
ヒヨさんの喉が、鳴る。
ナニを。
もちろん言わなくてもわかってる。
「……うん」
小さく、だけどはっきりと頷き声を出した。
「……ゆっくり、するから」
「………」
そっとうなじにキスを落とし、正直痛いぐらい膨れ上がっていた俺のソレを下着から取り出した。
…すげぇ、俺の、もしかしたら過去最高に大きくなってるかもしれない。
「…ゆっくり……息吐いて」
「んっ……ん?えっ…ちょっと待て」
「ん?」
ヒヨさんはベッドに手をつくと、フラフラになりながら振り返り俺を見上げた。
なんだ?今更やっぱ無理とか…は流石に拷問ですよ?
「…うっ後ろから?」
「え?あ、はい。初めては後ろか横からの方がいいらしいんで」
「いっ嫌やっ!」
「?」
「そっ…そんなっ…お前の顔見れんかったら…こ、怖いやん」
「…………」
煽ったのは、ヒヨさんだからね。
「……ちょっとだけ、我慢してください」
「あっあっんっ…うん」
クルっとヒヨさんを仰向けにさせ腰に手を回すと、軽く浮かせ大きく足を開かせた。
ローションと体液でベトベトになったソコは、毛が無いだけでさらに卑猥さが倍増する。
ヒヨさんのソレは天を完全に仰ぎ元気に腹にピタリとくっついている。
ソレを掴み軽く擦ると、ヒヨさんは喘ぎながらビクリと足先に力を込めた。
俺のソレを入り口に当て、小さく小刻みに揺れながら中に挿入していく。
「あっあっ…すげ…お前の……でかい」
「……うん。興奮してるからね」
「俺に?」
「もちろん」
「……なんか…嬉しいな」
「……ヒヨさん、口開けて」
「えっ…あっ…うん」
お互い舌を出しながらキスをし、絡める。
舌をきつく吸い、体が震えた瞬間、俺の先端を中に押し込んだ。
「ふぅんんっ!」
いくら馴らしたとはいえやっぱり初めて。
きつい。
「……ヒヨさん…」
「んんっ」
下半身に意識がいかないようきつくキスをして、胸の突起も掴み徐々に腰を埋めていく。
「あっあっ……んんっ」
「……っ…半分…入ったよ」
「う…そ」
唇を離すと、ヒヨさんは俺の首に手を回し繋がっているソコに目を落とした。
「…ヒヨさんの毛がないから…はっきり見えるね、繋がってるところ」
「ばっ…!エロい!」
「男はみんなエロいの」
「あっあっ!動くっ…あっ!」
粘着音を立てながらまたゆっくり進入していくと、やっと俺の腹がヒヨさんの腹と密着した。
やっと、ヒヨさんの奥にたどり着けた。
「あっ…すっ凄いっ…佐倉のっ……ほんとに中…入ってる…」
「…んっ……ヒヨさんの中…凄く熱い…です」
「おっお前のもっ…熱っ」
「……動くよ」
「っひぃっ!」
ヒヨさんの両太ももを掴み、折角埋めた俺のソレをゆっくり引きずり出すと、気持ちいいのかヒヨさんは今日一番高い声が出た。
最初のほうはその声を隠そうと手で口を覆っていたというのに、今ではお構い無しに叫んでいる。
いいけどね、でもちょっとだけ大きいかな。
いいけどね、可愛いから。
再び奥へ侵入し、ピストン運動を始めると、ヒヨさんは腰を浮かせ顔を何度も横に振っている。
痛いのかな?
たぶん違うだろうけど。
「…ヒヨさん…痛いですか?苦しい?」
「ちっちゃうっ…ちゃうっ……ねんっ…!もっもちっ…俺…初めてやのにっ…気持ちえぇっ…ねんっ」
高揚し涙を流すヒヨさんを見て、さらに俺のソレも高ぶった。
「あぁっ!大きな…たっ!中でっ…佐倉のっ…大き…なった!」
「…わかるんだ」
「んっんっ…だって…だって…あぁっ…すごっ…ほんまに…佐倉の…密着っしてっ…あっあっ…もちっ気持ち…いい!」
「………っ」
先端をヒヨさんのイイところめがけて擦りつけると、ヒヨさんの体が弓なりになり声を一層大きくなった。
「あぁっ!あっあっ!あかんっ…あかんっ!そこっ…あかん…!」
水音を響かせながら、俺の背中に爪あとが残るほどきつく、きつく抱きしめ喘いでいる。
ヒヨさんの足の裏が天を向くほど泳いでいて、気が付けば俺の汗かヒヨさんの汗かわからない水が枕いっぱいに滲みていた。
「ヒヨさん……俺も気持ちいいよ…ヒヨさんの中…」
「あっあっ…なんでっなんで…なんっ…こんな……こんなっ…初めて…やのにぃ…初めてやのにぃっー!」
「……さぁ…。やっぱ、愛じゃない?」
「……っ…」
「照れた?」
「………恥ずかしい奴」
「あはは」
さらに腰を使って内壁を擦ると、ヒヨさんの爪もさらに食い込んできた。
ソロソロ…。俺の下半身も、背中も限界かな。
「……ヒヨさん…もうイっていいですか?」
「あっあっ…えぇっ…えー…もっもうちょっと…あっ」
「とりあえず一回イってください…2ラウンド目は体位変えましょう」
「あっあっ…やっ…やるぅ…二回目ぇ」
…開花、させてしまったな。
「…じゃあとりあえず…イってくださいね」
「あっあっ!またっ!またソコばっかりっ……あっ!」
ベッドに手をつきさらに深く、深くとヒヨさんの奥へ押し込みながら、白濁の液を散らすソコを擦ってあげる。
ただ、触っただけでイったのではないかと思うほど体が大きく揺れた。
「あっ!ソコっ…あっ!触ったらっ…すぐイってまう…あぁっ!もちっ…気持ちいいっよおぉ佐倉あぁ!」
「うん。俺も…すげ…気持ち…い」
深く抱き合い、ヒヨさんのソコを擦り上げて。
第、1ラウンドが終了した。
「…もう…出ん」
「発情期のサルみたいにやっちゃいましたね」
外を見れば夕日が完全に沈んでいた。
もうすぐ祖父も帰ってきてしまう。
「……立てます?」
「……立てると…思うか」
「…でも自分だっていっぱい腰振ってたじゃないですか」
「だって…だ…っ……て…お前…めっちゃうまいねんもん……俺…初めてやのに…」
二人布団に埋もれながら動けない体を抱き寄せる。
俺ももうダメだ。
からっぽだ。
「俺たぶん、そんなうまくないですよ」
「嘘や…だってめっちゃ…気持ちよかった…もん」
「……それは素直に嬉しいですね」
だるい腰と体を無理矢理起こしベッドから出ると、いつの間にか脱ぎ散らかしていた服を集め一枚ずつ着ていく。
ヒヨさんの服も拾ってあげたけど、やっぱりまだ体が動かないみたいでベッドの上でゴロゴロしている。
「また謙遜して…ほんまは経験…豊富なんやろ」
「…だから、ほんとに俺……経験人数ヒヨさん抜いたら二人ですよ」
「嘘やー!」
うち、一人が女、一人が男だけどね。
「だから」
「………」
ぎしっと音を立ててベッドに座ると、寝転び納得いかない顔をしているヒヨさんの頬にキスを落とした。
「…心も体も、相性がいいってことですよ」
「………」
今度は唇に触れるだけのキスを一つ。
まだ、納得はしてくれていないようだけど、これからが、あるから。
これからたくさん、ヒヨさんと同じ景色を見て生きたい。
ヒヨさんが撮る、写真のように。
「あ、そうだヒヨさん」
「ん」
「俺ね、八嶋の弱み探そうと物色してるときにね、いいの見つけたんだ」
「いいの?」
「そう。写真部の奥にあった、部員が使っている棚」
「………まさか」
「そこにね、ヒヨさんの名前が書いてあるアルバムがあったから」
「………」
「ごめんね、見ちゃった」
「おっ…前っ!!」
「ヒヨさん、俺のこと大好きだったんですね」
「っ……!絶交だああああ!!」
「あははは」
顔を真っ赤にし布団を被ったヒヨさんの隣で、一枚だけくすねてきたヒヨさんが撮った写真を取り出した。
「………これ、いつ撮った写真ですか?」
「………」
「……ってか、アルバムの中これしかなかったですよ」
「………」
ヒヨさんのアルバムの中には、部活をしている俺の写真が何十枚も保管されていた。
全部隠し撮りだけど、ほとんどが笑ってる写真。
いつしか俺の心はヒヨさんが支配して、
ヒヨさんのフレームの中には、俺しか写らなくなっていたようだ。
END
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