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「ぁっ…ほんと…イったばかりで……また…勃っちゃっ……からっ!!」

抵抗しようとした有志の両腕をガシっと掴み、垂れてきた白い液を舐めとる。

「あっ…それはっ…!」

「やらしいね。自分の出した精液受けとめるとか…しかもこんなに出して…」

「ぃっ…!」


ベロリ、と大きな舌を這わせて有志の手のひらを舐めとっていく。

チュッ、ピチャッ、チュルッ、ピチャ…

「うぅっ…うっ…ぅっ」

自分の精液が、間接的に舐め取られていく。



なにこれ……めちゃくちゃ恥ずかしい…!!



有志は羞恥で顔を伏せた。

すると全て舐めきった智希はニコリと笑いながら手を離し有志の耳に口を近づける。


「ねぇ…俺のも…どうにかして…?」

「っ……!!」

甘く、低く、痺れる声。


「ど、どうしたら…舐めたらいい?」

「それは流石にいいよ。両手を…筒状にして?」

「こ、こう?」

「うん、そう。じゃあそれ…借りるね」



有志は自分の腹付近で指を丸め筒状の空間を作った。


「入り口…ちゃんと見てて」

「う、うん」


すると智希は木陰に隠れながらその簡易の筒に、自分のソレを挿入し始めた。

「っ…もうちょっと…大きく開いて…」

「あ、ごっごめんっ」


筒の大きさを広げると、その中に智希のソレが入ってきた。


う、わ……こいつ……こんなに大きのか…いつもこれが…俺の中に…


ズクン、と下半身が動く。


「ちょっと有志、俺のチンコ見てないで、入り口見ててよ」

「あああああごめん」


智希はクスクス笑いながら有志の肩に手を置くと、ゆっくりと腰を使い始めた。


「っ……んっ…くっ…」

「………」


え、エロい……!!


智希に入り口を見ているように言われたが、正直見たい。

智希の顔も、自分の手のひらで出し入れされてる智希のペニスも。





「っ……くっ……っ」


段々腰の動きが早くなってきた。
そろそろだろうか。


見たい。見たい。見たい。見たい。見たい。見たい見たい見たい見たい…!!


プルプルと震えながら入り口を見ている有志。
察したのか、智希はまた甘く低い声で有志の耳元に近づき


「先にイった罰。絶対入り口から目を離したらダメだよ」

「っ……!!」


見ようと思えば見れる。一瞬だけ智希の顔だけでも見れる。
簡単に破れるけれど、簡単に破れないわけで。


「くっ…はっ…くっ……イくっ……イくっ」

「っ………」


ジュクジュクと手のひらの水音もどんどん大きくなってきた。
膨れ上がった智希のソレは完全に張り詰めていて、有志の手のひらでは完全にはみ出してしまう程勃起していた。


「イっ…イくっ…有志っ…ゆっ…ゆーっ…しっ……!!!」

「っ……!」


自分の名前を呼びながら智希が達してしまった。

その瞬間の顔が見れなかった。



なんという、残酷な罰ゲーム。










ロッカーの前で長椅子に座り肩を落とす有志。


ヤってしまった…。
最後までしてないけど…。
イっちゃった……。




なんで俺はいつも流されてしまうんだ…!!


「はい、有志。フルーツ牛乳」

「………」


ニコっと笑いながら紙パックのフルーツ牛乳を渡す智希。
髪の毛をバスタオルで拭きながら豪快に歩いてきた。


パンツを穿けパンツを…。


なんだかバカらしくなってきた。


「ありがと…」


「ん」



長椅子に二人で座って、少し逆上せてしまった体を冷やしながら何気ない会話を進めた。


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ほかほかした体を二人寄り添わせながら、ホテルへ戻る。
智希はふと思い出したように有志に話しかけた。

「ねぇ、コンビニ寄ってもいい?」

「コンビニ?なんか買い忘れ?」

「アイス買いたい」

「可愛いっ」

「か、関係ないだろアイスは!」

「いいよいいよ〜」


はぐらかされ先に歩いていく有志。
目の端に見えていたコンビニに目を輝かせた、その時だった。


「………あっ」

「ん?」


バチっと、音が聞こえる。



「おっまえ……!ホモ野郎!!」

「なっ……なんだと!!」



「…ん?」


先にコンビニの中に入ったが、智希が隣にいない。すぐ後ろにもいない。
自動ドアの先に怒鳴り声が聞こえる。

まさか。


まさか。




「…智…希?」



「あれ、泉水さん?」


「へっ?」


何か不安な気持ちにかられドアへ向かおうとした瞬間、後ろから声をかけられた。
聞いたことがあるがまだ馴染みの無い声。

振り返るとそこには昼間助けてくれた東條がコンビニカゴを持って立っていた。

「え、東條さん??」

「うっそ、めちゃ偶然じゃないですか。もしかしてホテルこの辺?」

「あ、うん…。東條さんちもこの辺?」

「うん。そこの筋曲がったとこのマンションですよ」


東條の声にはどこか温かみがある。
まるでカウンセリングの先生のような安心感。
そういえば先月まで看護士をしていたと言っていた。患者に優しく対応していたのだろう。

しかし、その心地よい話し方と声に一瞬忘れていた。


「あれ、智希くんは一緒じゃないの?」

「あ、そうだった…さっき外から智希の声が聞こえたような…」


思い出し東條に背を向け外を見ようとした瞬間、叫び声が聞こえた。



「キャーーーーーーッ!!」



「?!!」

「っ…なんだ?」



暗闇の中、外で人だかりができている。



ドクン


有志の足がすくむ。



なに。
なんか。

なにこれ。


凄く、嫌な予感がする。



声の方を見つめ立ちすくむ有志と、カゴを置いて外へ出ようとする東條。

東條の後をついていきたいけれど、足が動かない。


動け、動け…!


有志は息ができないまま足を震わせ東條より少し遅れ外に出ると、数名の人だかりの中に倒れている少年を見つけた。


まさか、嘘だ。
違う。

違う。



聞こえてきたのは、東條の荒々しい声。



「智希くん!!しっかりするんだ!!!智希くん!!」




薄暗い闇の中、倒れる智希が目に写った。






「泉水さん!救急車を!」


「ともっ…」

「早く!!」

「はっはいっ」



息ができない。
まばたきもできない。

震えながらポケットの中に入れていた携帯を取り出すけれど、思うように指が動かない。


早くっ…早くっ…!!



するとそれを見かねた地元の人が代わりに救急車を呼んでくれた。

ざわつく人ごみの中なのに、有志の頭の中は何故かクリアだ。



「大丈夫よ、今電話しといたから」


「あ、ありがとっ…ござっ…」

「あの子の知り合い?早く近くにいってあげて?」

「は、はっ…」



まだ、うまく呼吸ができない。

騒ぎを聞いてかけつけた野次馬をかきわけ、智希と東條のいる数メートル先へ急ぐ。
走っているのに、中々つかない。

息をしているのに、していない。


もう何がなんだかわからない。



「と、東條さん…」

やっと智希の元にたどり着くと、弱々しくその場にへたり込んだ。
智希の顔色は暗いけれど青白く生気が無いのがわかる。

その姿を見て、有志が倒れそうになった。


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