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「あの…ほんとに…ありがとうございました…。お父さんと一緒にお風呂に入ったことがない、とか、お父さんと一緒に寝たことがない、とかは本当だったんで、凄く…嬉しかった」
「…そっか」
「9歳って嘘ついてたからできたけど、流石に14歳でお父さんと一緒にお風呂入れないしね」
「ははは」
「………」
まだ睨む智希。
「将太、行くわよ」
「はーい。………智希!」
「なんだ」
呼び捨てにするな、と言いたい所だが母親がいるのできつく言えない。
「ご飯うまかった。ありがと」
「……ん」
まさかありがとうなんて言われると思っていなかった為、智希は思わず驚いて気の利いた返事が出来なかった。
気の利かない返事が聞こえ有志が振り返り智希を見ると、智希は小声で「こっち見るな」と照れながら言う。
「…おじゃましました」
「はい。またね」
「じゃあな」
そしてゆっくり、泉水家の玄関のドアは閉められた。
「あー終わったー。疲れたーってか飯ー」
「………」
「…?父さん?」
まだ晩ご飯を食べていない。
お腹がペコペコなはずだ。
しかし有志は玄関から動こうとしない。
大きく伸びをしながらリビングへ向かった智希だが、有志が付いて来ない為振り返り声をかけた。
まだ動かない。
「とーおーさん?」
ゆっくり歩いて玄関へ戻り有志を覗き込むと、有志はドアをじっと見つめ何か考え事をしているようだった。
「父さん?飯食わないの?」
「…智」
「ん?」
「………ごめん、先こっち」
「へ?」
有志は急に智希の腕を掴み、玄関のすぐ隣にある和室、有志の部屋へ押し込んだ。
将太が泊まっていたため、敷き布団が敷かれたままだ。
何が起こっているのかわからない智希。ドン、と背中を押され布団の上に膝をついた。
「え、父さん?え?」
「……昨日、俺だけイって、お前の…シてあげなかったから」
昨日?
あぁ、父さんが俺の布団の中にこっそり来てくれたから我慢出来なかったアレね。
「や、でもアレはほんと俺のワガママだから…」
「いいから…黙ってなさい」
「とっ…」
まだスーツを着ていた有志は、クイっとネクタイを引っ張って緩め、ボタンを2つ開ける。
電気をつけない和室は薄暗く、至近距離で薄っすら相手が見えるぐらいだ。
でも、有志の息遣いはよく聞こえる。
とても荒い息遣い。
父さん…興奮してる?
ネクタイを外しながら智希をこちらに向かせると、手探りでズボンを探し当てる。
はっきり見えていない為もどかしい手の動きに智希は少しくすぐったかったが、有志がナニかをしてくれる。
それだけで興奮し、抵抗せず手を床についてされるがままになった。
「……はぁ」
ズボンのチャックをゆっくり降ろす。なんともやらしい音だ。
開いたチャックの中に手を入れてソレを探し当てると、有志は膝を付いて顔を智希の下半身に埋めた。
「……舐めるよ」
「…お願いします」
奇妙な掛け合いと共に、有志の舌がまだ反応しない智希のソレを舐める。
下から上へ、上から下へ。
いつも智希がしてくれる行為を思い出しながら、丁寧に舐めていく。
「くっ…」
「ごめんな…下手だろ」
根本の部分を親指で刺激しながら、カタチを主張し始めた先端のくびれを吸うように愛撫する。
確かに、たどたどしく少しぎこちない。
でも智希には十分なほどだ。
「ぜっ全然…めっちゃ…気持ちいい…」
「ほんと?」
「ん…ってか…明るい所で父さんがシてるのちゃんと見たい」
「それはダメだ」
「なっ…んっなんで」
「恥ずかしくて出来ない」
シュッ、シュッ、と粘着音が響く中、二人の吐息も熱くなってくる。
半勃ちの状態になり智希のソレを口に含むと、一気に体積が増した。
「っ…凄い…んっ…智のっ…おっきくて……んっ…すぐ…口に入らなくっんんっ…なるっ……」
「うわーそれダメだってー…そんな事言うと…んっすぐ出るっ…はぁ」
「んっ…いいよ……出して」
「口ん中に?」
「っん…うん」
「そんな事しないよ」
「つっ…あっ」
グッと有志の肩を押し口からソレを引き離すと、今度は智希が有志を押し倒した。
もう放出寸前なのだが、一生懸命我慢している。額に脂汗まで浮き出るぐらいだ。
「なっなんで…!いいのに…」
「ダメ」
「そんな…だっだってお前…は…いつも…俺の……のっ飲んで…」
「俺はいいの」
「だからなんでっ」
「それよりきついんじゃない?」
「あっ」
納得いかないと抗議する有志を簡単に抑えつけ、人差し指でツツっとソレを撫でる。
有志はビクっと体を揺らし甘い声を放つ。
「下着、汚れちゃうかもね。もしかしたらスーツも…」
「そ、それはダメだ…」
「だろ?じゃあ脱ごっか」
「ちょ、」
カチャカチャとベルトを外し、魔法のようにするりと有志の足からズボンが脱げていく。
有志は不服なのか、少し頬を膨らませフイと顔を背けた。
「なに?なんで怒ってんの?」
「怒ってない」
「声が怒ってる」
「……今日は俺がリードしようと思ったの」
「そんなのしなくていいよ。父さんは気持よくなることだけ考えて」
「なっ!…あっあっ!」
有志の両膝裏を掴み持ち上げると、下着の上からその部分に口を這わせた。
布越しから吸いつき、わざとヤラシイ音を立てて顔を動かす。
「あっ…あっ…」
「…もう、エロい匂いしてるよ」
「っ…る、さい!」
先走りと智希の唾液で下着は濡れ、カタチもボクサーパンツの為はっきり浮き出てきた。
有志は布団に爪を立て悶えていると、今度は智希の舌がさらに奥へ移動した。
しかし、まだ下着はつけたままだ。
「ココも、ちょっと動いてる」
「ばっ…か…」
双丘を掴み腰を浮かせると、舌先を尖らせ呼吸する蕾へ押し込んだ。
「あぁっ!」
グネグネと入り口を攻められるが布越しだ。
なんとももどかしくムズ痒い。
「あっいやっ…智っ…あっ…パンツ…取って…直にっ…お願いっ」
「……やらしーの」
智希はニヤリと笑うと、膝立ちになりながらゆっくり有志の下着をズリ下ろした。
「…うわーすげー糸引いてる…。見て、父さん。パンツん中ビチョビチョ」
「……はぁ…はぁ」
有志は虚ろな目で自分の下半身に目を向けると、反り立った自分のソレと、そこから太くて白い液体の糸が波打っていた。
ドクン、と芯が唸る。
「大丈夫、明日も会社だから挿れはしないよ」
そう言いながら有志の蕾の中に中指を一本押しこむ。
簡単に挿いり、待ってましたと言わんばかりに吸いついて智希の指を離さない。
「あっあっ…!い…いいよ…挿れて…あっ!」
「……いや、ゴムもないし。俺の部屋だし、ね」
「……はぁ…ぁっ…」
智希が必死に理性を抑えているというのに、父有志はその言語を聞くと弱々しく肘を付きながら体を起こした。
「なに?どうしたの?」
するとすぐ隣にあった普段有志が使っている鞄の中を漁り始めた。
「?」
それはすぐ見つかったようで、有志は捜し物を手に取り智希に渡した。
「…え、コンドームじゃん」
「…はぁ…はぁ…」
「これ…父さんが買ったの?」
「…うん」
「昔の?」
「ち、…がーう……。お前との…、用だ」
「……だから、そういうの反則って言ってんの。俺の我慢を無駄にして…」
「……だから、我慢しなくていいってっ…んっ…いつも…言ってんだろ…」
その瞬間、智希は箱を乱暴に開け、束ねられたコンドームを取り出した。
ピリっと1枚外し、口に加える。
有志は再び肘を付きながら床に体を預けると、自ら股を大きく開いた。
常に羞恥で慣れない有志だが、いつもここまでくればかなり大胆になる。
「…ぅあっ…あっ!」
指を二本に増やし、中をかき混ぜていく。
有志の先走りをすくっては蕾に運び、円を描くように解す。
蕾の音が大きくなり始めた頃、コンドームを自身に付け一呼吸置いた。
上から有志を見下ろし愛おしそうに微笑む。
「父さん…」
「んっ…智……」
「……いくよ」
「んっ……きて」
「……っ…」
ゆっくり、先端を押し込む。
「っ…うっ…あっ…んんっ…あっあっあっ」
蕾の入り口で先端を使い掻き混ぜると、蕾が収縮し早くと急かす。
この瞬間が、智希はたまらなく好きだ。
有志が、智希を心も体も求める瞬間。
「っ……つ…」
「あぁっ…きたっ…あっ…挿いって…あぁっ」
ゆっくり腰を押して前に進み、グラインドさせながら押しこんでいく。
薄暗かった部屋は目が慣れてしまい、今では有志が顎を付き出して悶えている顔が良く見える。
絶景だ。
「…ふぅ……。動くよ」
「んっ…うん!」
全て押しこむと、智希は床に手を付きゆっくり引き抜き始めた。
いつもはベッドだが、今日は下が畳だ。とても安定している。
智希は腰を小刻みに動かしながら、ボタンが2つしか空いていなかった有志のシャツを同時に外し始めた。
「あっあっあっ…んんっ智ぉ…あっ智希ぃ」
「んっ…気持ちいい?」
「うんっうんっ…すごっ……あっ…深いぃっ」
前を全てはだけさせると、尖って主張している有志の胸の突起に舌を這わせた。
「あぁっ!あっあっ…あっ」
「胸も…いい?吸ったら中締まるよ」
「あっあっ…うんっ…胸っ…も気持ち…い…よぉ」
小刻みだった智希の動きが、どんどん激しくなってくる。
肌のぶつかる音も大きくなり、有志の喘ぎ声と重なって妖艶だ。
「智っ…智っ…あっあっ…智っも…気持ちい…か?」
「うん…めちゃくちゃ気持ちいい…」
「よかっ…あっあっ」
天井を向いて動くたびに震える有志のソレを掴み、一緒に擦る。
「あっダメっ…智っ…イっ…イくっ……そんな激しく擦ったらっ…イっ」
「うん…俺も…もうイきそうなんだ」
「あっあっあっ……あっ…イっ…あっ…イッく………っ!!」
「っ……」
何度も何度もぶつかり合い、お互い精を吐き出した。
「でもまさか9歳だったとは…」
「うん…14歳って言われたらちょっと小さいなって思うけど、9歳って言われたら信じちゃうよな」
「父さんはあいつが父さんの子じゃないって、気づいてたの?」
「まぁ…なんていうか……その……ちゃんと…つけた……し…」
「……なにを?」
「………」
「ねぇ、なにを」
「………」
「なにをつけてたから自分の子供じゃないってわかったんだよ」
「…………ぐぅ」
「寝たふり下手ー!」
お腹が空いていることなんか忘れ、寝たふりをする有志を後ろから抱きしめ、ケラケラ笑う智希。
ふと、思う。
この独占欲はいつか、悪い方向へ向かってしまうのではないか、と。
今は、そんな事を考えずただ、有志をきつく抱きしめることに専念した。
END
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