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智希が料理を始めた頃、有志はやっと終わったリビングの拭き掃除をあとにして階段に来ていた。
脱ぎ散らかしたシャツや下着を集め、金曜日の夜を思い出す。


『と、智』

『ほら、がんばって。俺の部屋ついたらまた入れてあげるから』



金曜日の夜。
家に帰ると軽くご飯を食べる。

前までは食べる時間も与えてくれず空腹のままセックスへ突入だったのだが、最近は最中にお腹がなる事もあって食べ終えるのを待ってくれるようになった。
といっても、食べ過ぎると気分が悪くなるのでいつも簡単なお茶漬けかおにぎりなのだが。

食べ終えるとお風呂に入りたいと言う有志を無視して服を脱がせていく。
スーツはシワになるので上下脱がせてハンガーにかけてシャツとネクタイとパンツ一枚という格好にさせられる。

深いキスをしながらシャツのボタンを一つずつ外していき 、同時に2階の部屋へ向かう。
ここで智希に余裕が無い場合は、有志は担がれてそのまま2階へ行くのだが、もっと余裕が無い時はリビングで第一ラウンドが始まってしまう。

今週は有志の仕事が忙しかったため、一緒に眠ることはしても抜き合いができなかった。

相当溜まっていたのだろう、リビングで押し倒され四つん這いになると、下着をずらし舌でほぐしていく。

嫌がる有志の声は入ってこない。

智希は集中すると周りが見えなくなるタイプなのだが、まさしく有志の尻穴を舐めている時は真剣そのもので神経が研ぎ澄まされている。

床に顔をつけて悶える有志。
床によだれが垂れてしまう。

何分も尻穴を舐められ腰が揺れ始めると、部屋へ行こうと言う有志を振り切ってそのままバックで中に挿入する。
有志のかすれる声と、フローリングに預けている膝が擦れキュッと音が鳴る。

そのまま何度も腰を突かれお互い高めると、ゴムをつけていない為一旦引き抜かれる。

引き抜かれた刺激で有志は腰を震わせ先走りの液がダラダラと床に零れると、物足りなくなった奥が疼き無意識で腰を揺らし誘ってしまう。


『智…とも』

尻を高く上げたまま智希を見つめる。
ゴクン、と喉奥を鳴らして有志の腕を掴みムリヤリ引き寄せると、噛みつくようなキスを深く与える。

キスの最中もずっと先端から液が零れていて、無意識で腰が動くせいでフローリングに飛び散っている。




「まさかあの時ここまで飛んでるなんで…」


リビングを後にした有志は金曜日の夜のことを思い出して体温を上げていた。

その後はゴムをつけて最後までしたくなった智希に連れられ2階へ上がっていく。

まだ服を着たままだった有志は一枚ずつはぎ取られ、部屋につく頃には全裸になっていた。

電気もつけずそのままベッドに倒れ込むと、待ってましたと智希が覆い被さってくる。

熱くなった有志の乳首に吸い付き、何度も舌で転がして甘痛い刺激を与える。
智希が自分の胸を真剣に吸っている間、有志はずっと智希の頭を撫で下半身をもじもじさせていた。

一度入れたせいでそこにはぽっかり穴があいてしまった。

早く埋めてもらいたい。


『ともー』


切なく言うと、それに応え智希がゴソゴソしている。
ゴムを付けているのだ。

くる、と思った瞬間嬉しくて顔がほころんでしまい、顔を手で押さえた。

『いくよ…』

智希の声で本格的に始まる、行為。


その後日付けが変わっても二人は腰を振り続け、そろそろ有志の腰がきつくなってきた頃に時計を見ると深夜2時を過ぎたところだった。

力がなくなりはじめた有志の腕を取ってお姫様だっこをすると、何度もキスをしながら階段を降りていく。
そのまま風呂場へ向かい一緒に入るのだが、若干意識が飛んでいる有志はされるがままだ。

ローションや精液でベタベタになった全身を智希に洗われている時はいつも夢見心地でふにゃふにゃと寝言のようなことも言う。

ここで有志も元気であれば風呂場でももう1ラウンドしたいところなのだが、以前それをして有志が貧血で倒れてしまったためそこは我慢だ。

洗い終えるとタオルで全身を拭いて風呂場を出る。

再びお姫様だっこをしながら2階の部屋へ戻ると、手際よく汚れたシーツを取り替えて二人一緒に布団に入る。

お互い全裸のまま眠りについて、起きたらそのまままた、智希が腰を使い始める…。



「……はぁ」

金曜日の夜から土曜日までのことを思い出して有志の口から熱いため息が出てくる。

お互いの気持ちが同じになった頃は、金曜日の夜だけ、という約束だった。
しかし気がつけば金曜日の夜から土曜日の夕方までが当たり前になってきている。
つまり、丸一日高校生とセックスをしているわけだ。

最近体力がついてきた気がする…。

運動音痴の有志は肉体労働が苦手だったが、最近体が引き締まってきていると専ら噂されていた。
よく見ると腹筋に筋ができている…気がする。

昔はあんなに頑張っても筋肉つかなかったのに…。

自分の体を見ながらなんだか複雑になる。



毎週こんな感じなので、日曜日はわりと貴重なのだ。

だからこそ、日曜日に東條が来ることが智希は気に入らない。


かき集めた服を持って洗濯機へ向かいボタンを押す。
はぁ、とまたため息をついてすぐ隣にある洗面台を見ると、顔を真っ赤にした自分が映っていた。


わ、すごい顔…


だいぶ乱れているのだが、充実しているのだからしょうがない。


洗濯機を回している間掃除機をかけようとリビングへ向かうと、携帯が鳴っていた。
表示を見ると東條からだった。


「ああぁあ………はい!もしもし!」

外からかけてきているようだ。
微かな雑音と少し遠くに感じる声質を聞き逃さないように耳に集中する。

「はい、はい……あ、大丈夫ですよ、ありがとうございます、はい、はい………はい、わかりました…それじゃ…」


電話が終わりすぐに料理をしている智希の元へ向かう。

「智ー東條さんが30分ぐらい早くつきそうってー。わ、凄い良い匂い」

「別にいいけどデザート作れないかも」

「何作ろうとしてたんだ?」

「いちごのタルト」

「………」

「引くな」


この短時間でそこまで作ろうとしている我が息子を本当に尊敬する。


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