トム、君はミス・ドゥと幾らか親しかっただろう。君は隠したがっていたようだが、それでも同じ孤児院で暮らす者同士、彼女から恋人がいるという話を聞くことはなかったかな?
 ダンブルドア先生、それは勿論、ミス・ドゥとは同じ孤児院出身ということで、親しくさせて貰っていました。でも、寮も学年も違うし――それに恥ずかしがりやの彼女が、異性に恋愛相談を持ち掛けられるとお思いですか? その内気なところも含めて妹のように思っていましたが、今となってはもっと色々話を聞いてあげるのだったともどかしい気持ちでいっぱいです。
 黙りこくるダンブルドアに、リドルは顔をあげた。
 先生。ミス・ドゥを襲った犯人について探っているのですか?
 ややあってから、ダンブルドアが重たい口を開いた。トム。君だからこそ言うのだけれど、あの哀れなミス・ドゥは妊娠しておるのだ。あと半年で産まれる。産み月からして、夏季休暇中に何かあったのではないかと思うのだが……トム、本当に君は何も知らんのだな?
 リドルはぱちりと瞬きしただけで、力なく肩を落とした。なんてことでしょう……何故彼女にばかり試練が? 僕が力になれることがあれば、何でも仰って下さい。


 心から、彼女の身の上に幸があらんことを祈ります。


prev fin.



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