03
無論、その肛門が犯されていることは特筆すべくもない。
いや、それどころか今日の客は相当溜まっていたものか、はたまた締まり具合がよほど気に入ったのだろうか?
つい一刻前まで窄まっていたはずの肛門の肉襞は今やだらしなく開き切っており、凌辱の余韻でひくつくそこから、一度や二度の射精では到底済まぬであろう夥しい量の精液が漏れている。
「行きずりの男のちんぽの味は旨かったか? 客の方はお前の身体が気に入ったようだぜぇ、また近々犯りに来るってよ……」
数え終えた金を下履きのポケットへ捩じ込むと、ロベルトは無造作に肉奴隷の覆面を引き上げた。
その下から現れたのは、きつく猿轡を咬まされたまだ年若い青年の透けるように白い美貌である。
シラユキ・ド・カデンツァーー乱れ切った黒髪の下、虚ろに開いた緑瞳から流れ落ちる涙で頬を濡らした若者の顎を取って手荒に上向かせるや、大男は上機嫌にこう言い放った。
「今日から俺が穴を使ってるとき以外は、毎晩客を取らせるからな……この身体で、たっぷり稼がせてもらうぜぇ、王子さま?」
「…………っ」
猿轡を咬まされた美しい青年の喉が、ひくりと跳ねた。
あたかも客の男たちにどこを使わせるのかを理解させるかのように、ほんの数分前まで素性も顔も知らぬ男が凌辱していた肛門に、ロベルトが束ねた二本の指を無遠慮に突っ込んだのだ。
これ見よがしに卑猥な粘着音を鳴り響かせて、客によってたっぷりと注がれた白濁の体液を掻き混ぜながら、緩んだ尻穴を穿くり回してやる。
……暫時、肉奴隷の肛門を弄んで満足したのであろう。
ややあってから指を引き抜くと、ロベルトは再び寝台に縛り付けられた青年の頭部に覆面を被せ掛けた。
次いで、今しも麻袋の下に消えようとしている虚ろな泣き顔を湛えた白い美貌に向かって、娼館の支配人めいた口調で今晩の予定を告げてやる。
「尻の穴を洗い終わったら、早速、次の客がお待ちかねだぜ。知り合いに声掛けてやったら、みぃんな乗り気になっちまってよ……これから穴に餓えた木樵りを六人、朝まで相手してもらうぜぇ?」
[end.]
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