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02




「へへ、こりゃあ随分と好き者の尻穴だぁな、きゅうきゅう可愛く吸いついて来やがる……そんなに俺の指が旨いかい?」

 淫らに収縮する肉襞の蠕動を愉しみながら、中年男はじっくりと人差し指を抜き挿しした。

 付け根まで捩じ込んだ指で腸壁を掻き回して軽く嬲ってやってから、ゆっくりと引き抜いたそれを、再び付け根まで肉襞に銜え込ませる。

「……ッ、んっ、ン、んゥーー……! んぅうううんんんゥんうううぅぅぅぅん……っ!」

「おら、おら、これはどうだぁ?」

 どうやら指を食い締める肛門と直腸の生々しい肉の感触に興奮を煽られたらしい。

 人差し指、中指、薬指ーー瞬く間に三本まで指を増やした男が尻穴を肛虐し始めるまで、さして長い時間は掛からなかった。

 丸々と太った幼虫を彷彿させる中年男の指が根本まで肛門に突き挿れられ、無慈悲に腸壁が嬲り回される。

「さぁて、そろそろ時間だわな……いよいよメインディッシュと洒落込もうじゃねえか」

 散々指姦して弄んでからようやく指の束を引き抜くと、小男は舌舐めずりしながら己が衣服に手を掛けた。

 もっとたっぷりと嬲って啼かせてやりたいところだが、生憎と時間が差し迫っている。

 大枚を叩いてこれだけ極上の男娼を買ったというのに、肝心のこいつ≠使わなくては全くもって意味がない……

 一糸纏わぬ姿になるや、小男は興奮も顕に鼻息を荒げて、再び緊縛された白く艶かしい青年の裸体に躙り寄った。

 もしもこのとき、性奴隷である彼≠ェ目隠しをされていなかったら、恐らくは客の逸物を視認するなり、今は麻袋に覆われたその美貌を引き攣らせていたに違いない。

 体毛の濃い、酒樽を思わせる短躯の下腹ーー既に充血し切ってフル勃起した小男の肉竿は、明らかに歪な形状を成していた。

 長さは然程でもないが、やたらと太い。

 異常に生育した根菜を思わせる怪物めいた男根の先端ーーほとんど鰓のない丸みを帯びた大振りの亀頭が、濡れそぼった青年の肛門に押し宛てられる。

「高ェ金払ったんだ、たっぷり愉しませて……貰うぜえっ!」

「……っんぅうううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!」

 次の瞬間、寝台に縛りつけられた白い裸体が海老反りに仰け反った。

 プラムの実ほども直径があろうかという異様な大きさの亀頭が、有無を言わさず尻穴に突き挿れられたのだ。

 否、亀頭だけに留まらない。

 無惨なまでに大きく肛門の肉襞を拡張して、勃起し切った極太のペニスが容赦なく嵌め挿れられる。

 そしてーー不格好なほど幹の太い男根の凌辱が始まった。

「ンウゥゥゥゥーー……! ぅう、ン……ッ! んうっ、ゥ、うぅ……ンーー……っ!」

「……はあっ! 堪らねえ!」

 太さの割に短い両腕で青年の細腰を羽交い締めにして、男は肥えた胴を激しく前後に動かした。

 あたかも酒瓶で肛門を犯されているかのような凄まじい衝撃に、覆面の肉奴隷は背骨が折れそうなほど上体を撓らせて太腿を痙攣させている。

 だが、小男は毛ほどの頓着も見せなかった。

 いや、それどころか、白い胸を喘がせてのたうつ若い肉体にますます性欲を煽られたものらしい。

 まんぐり返しにした青年の臀部にほとんど座り込むような格好で乗り上がるや、根菜めいた極太のペニスを真上から肛門に突き挿して嬲り犯す。

「ーーーー……!」

 もはや声を漏らすことすら出来ず、完全な肉便器と化した青年の尻の上で、傍目から見ればいっそ滑稽なほど荒々しく、締まりのない小男の裸体が続け様に弾み上がった。

 垂れ下がった睾丸が形よく引き締まった若い尻の谷間に叩きつけられ、収縮を繰り返す肛門の肉襞を捲り上げて、幾度となく男の逸物が出挿りするーーさして幅のない両肩を男がぶるりと震わせたのは、そのときだった。

「はあっ……」

 長らく辛抱していた放尿をようやく許された者のように、小男が恍惚とした溜め息を吐き出した。

 転瞬ーー

 ぶちゅぅううううううううううぅぅぅぅぅっ!

 哀れな覆面の青年の尻穴に根本までペニスを銜え込ませたまま、小男は微塵の躊躇いもなく射精を果たした。



*   *   *




 いかにも上機嫌な足取りで、昏い夜の緑陰に客の背中が消えてゆくーーそれを燻んだ窓硝子越しに見送ってから、ロベルトは室内を振り返った。

 最前まで締め切られていた粗末な山小屋には、青臭い精液特有の臭いが漂っていたが、使い古されてくしゃくしゃになった紙幣の束に唾をつけて、鼻唄混じりに捲っている大男には、臭気を厭う素振りは微塵もない。

「たっぷり可愛がってもらったようじゃねえか……ええ、白雪?」

 いかにも底意地悪げに無精髭の生えた口端を捻り上げながら、大男は寝台に目を遣った。

 簡素な寝台ーー乱れ切った麻布の上には、一刻前と変わらぬ大股開きの厭らしい体勢で縄を打たれたまま、覆面の肉奴隷が仰向けに横たわっていた。

 大男の指摘通り、男娼として散々弄ばれたものらしい。

 充血して痼った両乳首と未だ半勃ちになったままの股間は唾液で滑り、内股には執拗に吸いつかれた末に出来た夥しい数の鬱血痕が、あたかも皮膚病の如く太腿から脚の付け根に至るまでびっしりと覆い尽くしている。




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