※九十九屋捏造(酷い)
浅い裏表現有り








静寂に包まれる室内に唯一響くのは粘着質な音と男のものと思しい荒い息。

「……これは新発見だな、あの情報屋が快楽に弱かったとは」

荒く息をする声とは別に、愉しげな声が室内に鮮明にこだまし下半身の細い足を晒しベッドに身体を投げ出し乱れた息を吐き出す男に言った。恨めしげに見上げられた瞳も何時間と続く責め苦に赤茶けた双眸は生理的か其れとも快楽から来る苦しさからか涙目尻に溜まり、頬を伝い落ちる。

「うる、さ…ぁっ、あ」

言いかけた言葉は中で指が曲げられ刔られる感覚に妨げられ、出したくもない甘い声が口から漏れた。
――何時間経ったのだろうか、もう既に理性が崩れかけた頭で考える。瞳に映るぼやけた視界に入る部屋は見に覚えもない。ただ覚えているのは自分のマンションのエントランスで差出人不明の手紙を見た、あの記憶のみ。情報屋、折原臨也は理解出来ない唯快楽だけを一方的に与えられるこの行為が何故起こってしまったのかも、分からなかった。
唯一分かるのは後ろでくつくつと笑い、臨也を翻弄する男の名前。

九十九屋真一。それか男の名前。

それ以外は何も知らない。ネット上でだけのただ情報を与えて貰うだけの存在だった。全てが謎に包まれた人間。
だが会う事もないのだろうと考えていた其の人物が今こうして自分を組み敷き快楽を与え、それを嘲笑されている事実に臨也は屈辱を滲ませた表現で舌打ちをした。

「はは、もう何時間と捩伏せられているのに口だけは勇ましいな、折原。だが後何時間持つか、見物だよ」

「あ…ふ、黙、れ…んぁ…あ!」

刺激される度に跳ねる身体を面白そうに一瞥して三本飲み込みきついそこを更に広げるようにバラバラに動かし、コートから見え隠れする白い肌に赤い跡を散らせる。

「はっ…女みたいだな。指を挿れられて感じるんだろう?とんだ淫乱だよ、君は」

耳の裏を熱い舌で舐めあげ、吐息を吹き掛けてからかう言葉を囁けば大袈裟に肩をすくませる態を目に映し満足げに口元を歪めさせて孔内から一気に指を引き抜いた。

「んああっ!」

強い刺激と快楽に目を見開いて甲高い声を上げ、臨也は情けなくも自身から欲を吐き出した。

「まさか抜いただけでイくなんてね、そんな折原にもっと快楽をあげるよ」

「は…っはぁ…、なに、を…」

抜いた指先をわざとらしく見せ付ける様に九十九屋は舌で舐め上げる。羞恥からかわなわなと顔を真っ赤に染め上げ、目尻に生理的な涙を浮かべた。
それを無視して口に笑みを浮かばせて九十九屋は自身の着ていたズボンの金具を外し始める。

「ま、さか……」

「君だけ気持ち良くなるのは筋違いだろう?」

「や…やだ…やめろ!」

臨也の気持ちとは裏腹に下ろされたズボンに焦り、シーツに波を打たせながら逃れようとするが数時間弄ばれた身体は当然思うように動く筈もなく、それに加えて連れて来られてきた当初から拘束された腕では無意味なもがきとして終わった。

「…嫌がってる割にじゃあなんで感じてるんだよ、本当はして欲しいんだろ?」

「違、う…!ホントに…もう…」

鳴り止まぬ鼓動や、整理のつかない頭に混乱して臨也はふるふると頭を左右に振る。目尻からは溜まった涙を頬に落として、だがそんな表情も観察する眼差しで九十九屋は臨也の頬に手で触れた。手から伝わるのは人肌の温度と僅かな震え。時間を見れば昼間だった時刻は夕方の刻を伝える。

街がオレンジ色に染まるまで後少し。
街がネオンに包まれるまで後数時間。

でもきっと此処は変わらず真っ白いままで居続けるのだろう。ただ一つの黒を落として。


逃げ腰になる彼の身体を引き寄せ抱きしめて、男は耳元で囁く。まるで電子音のように淡々と紡ぐ。彼の瞳は見開かれた後、赤茶けた瞳を歪ませて、瞼は閉じられた。


「楽しみはこれからだろ、折原?」





まりこそ単純で
(全てが不純に包まれるこの街で)





end


後書きったー

まさかのまた不完全燃焼
九十九屋がもうただのオリキャラ。書いた本人も分からないという無責任←
因みに折原さんはマンションのエントランスで拉致られましt

(始まりこそ単純で)
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