バルバッド編



突然だが、俺の名前はアリババ・サルージャ。
訳あって、ここバルバット国のスラム街で、霧の団のリーダーをしている。

本当はこの国の第三王子だが、現在は盗賊ではなく、義賊だというが俺の信念でもある。
どうしてこうなってしまったかを思い返せば長くなるが、簡単に言えばこの国を変えるためとでもしておこう。
幼馴染で、家族と思っているカシムの頼みでここに居て、盗賊をしているが、ここ最近カシムの様子もおかしく感じるし、霧の団もこのままでいいのかなとも思っているところで怒涛の展開となってしまった。

一緒に第七迷宮を攻略したアラジンが居て、モルジアナも居て、モルジアナに連れ去られてアラジンと言葉を交わしているとカシム達がホテルごと襲撃してきて、そこには俺の憧れでもあるシンドバッドさんたちが表れて、一悶着あったところで仲間になったと思ったら、カシム達はどこかに行ったのか、どこにもいなくなっているし……俺、この数日で老けた気がする。
って、今はそんな事どうでもいいが、シンドバッドさんに言われて俺はついに王宮へ行き、話をつける。
俺がなんとかしなければ、この国はもうダメだ。
だが、俺なんかの言葉は届くのだろうか、不安しか感じない。

そんな不安に押し潰されそうになったときに頼りたくなるカシムはいないし。
……ナマエさん。あなたが居ればと思った時頭の中にポンと浮かび上がって疑問に答えてくれるんだ。
今もまたどうしたらいいのか、つい聞いてしまう自分が情けないと思いながらも思い返してしまうと、何が間違っていようが正しいか、結果が見えるところまで行かなきゃ意味がないんだから。ま、私は関係ないしねと笑いながら好きなようにしろよと言ってくれている気がする。
……ん?思い浮かべるナマエさんは何一つ良い事は言ってくれてない気が。
でも、そんな無責任な言葉でも欲しいと思ってしまうのは何故だろう。

あれから何年も経ちました。
もう一度ナマエさん。あなたに会いたいです。
めちゃくちゃな思い出しかないけど、俺には大切で、何故だか笑って進める気がするから。


この時はまだ、さらに怒涛の展開になることも、またナマエさんと出会えることも、ナマエさんとの出会いが、また忘れられない濃いものになることも予想は出来なかった。
って、いうかナマエさんが予想の斜め上を行く人という事を忘れていたのがいけなかったのだと思っている。


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