幼少期編


江戸の一角。歌舞伎町。
さらにその一角。


「ちょっと。ねぇ、ちょっと!これだけ手伝ったんだから、もちろん報酬の方を期待しちゃっていいんでしょうね」


頼むよホント。結構な重労働なんだしさぁ。あ〜ホント肩凝っちゃうわコレと言いながらガンガン金槌を振り下ろして打ち込んでいると、もう少し丁寧にやらんかナマエ!あと、魂込めろ!と怒鳴りつけて来たのに対して、うっせぇ!報酬のほの字も教えてくれねぇのに、どんな魂込めろって言うんだ!怨念なら込めれるぞじじい!!と言い返していた。

そんなくだらない応酬をどれほど長く続けたのか、その一部始終を伝えなくてもわかるだろう。
さて、ようやくできたなと言う声に、その辺のゴミのように捨てていたテンションを拾い上げるとナマエは笑みを浮かべて源外に詰め寄った。


「で、コレって何?」
「のちに最高傑作として世が驚くその名も“意識飛ばしちゃうよ3号”だ」
「ざけんなじじい。アレだけ手伝わしとして、何ですか?何意識飛ばしちゃうよって。勝手に飛ばしてほしくないんだけど!つーか、1号と2号どうしたよ」
「まぁまぁ。コレはアレだアレ」
「アレアレ言ってたら全てまかり通るなんて思ってんなよ。本格的なボケですかボケ」
「ボケを多様化するなボケが!まぁアレだ。えっと、一種の脳内ゲーム?みたいな?なんかそんなのあっただろう?ほら少年探偵の映画で。あんな感じじゃね?」
「みたいなじゃねぇから!最後だけじゃなくゲーム?とか一番大事な部分聞かれてるからね!作ったのじじいなのに、聞いちゃったしね。一緒に作ったけど、何作ってるのか教えてくれなかったんだから私答えられないからね!あーもーコレ絶対失敗だよ。4号でも5号でも成功しねぇよ。つーか、今までの私の労働力を返せよ!!ってぇ、なにしとんじゃぁぁぁい!!」


一気にロボ三郎達で押さえつけると、妙としか言えない機械の箱に押し込められるとあっという間に扉を閉められ閉じ込められた。
さっさと開けないと中からぶっ壊すからなというナマエの恐ろしい言葉もなんのその。
源外がポチっとなと手元のスイッチを押すと、機械の中に煙が充満したあたりで、意識は完全になくなっていた。


というのが、先ほどまでの自分を見つめ直すための回想だ。
そして、持ち物は普段着に木刀と一枚の紙。
その紙には“どんな世界かは知らんが、帰ってきたら感想楽しみにしている。ちなみに金品は自分で頑張れ。PS.最後にナマエが暴れたせいで1週間は帰れねぇから。お前バカだな(笑)”と書かれていた。


「ふはは…………っ笑えるかぁぁぁぁ!!!!」


ビリビリビリとごっつむかつくんですけどぉぉぉと叫びながら出来るだけ細かくして、地面へと八つ当たりとばかりに頬り投げたがどうもスッキリしない。
やっていられるかと思いながらも、帰れないんだっけと肩を落とすのはその数秒後の事だった。


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