08



気がつけばお昼を過ぎていて、盛大な悟天のお腹が鳴り響いた。


「トランクス君。僕お腹すいたー」
「そう言えば俺も」
「もう時間も時間だからな」
「ねぇ。お腹空いたよー」
「ほら、ご飯食べに帰れよ」


2人の背中を押して、ベンチから下ろして促した。


「ねぇ、お姉ちゃん」
「ん?」
「また会える?」
「さぁ、どうだろうな」
「えー。もう会えないのー?そんなのヤダー!」
「お、おい!」
「悟天我儘言うなよ」
「やだやだやだ。また会いたい」
「そりゃ、俺だって会いたいけど」
「ほら、トランクス君だってそう思ってるじゃん」
「でも」
「いつか会えるって。な?」
「いつかって、いつ?」
「あー。そのうち」
「わからないのはヤダー」


ナマエの足に引っ付いて離れようとしない悟天。
やめろよと言いながら、ナマエの足から悟天を剥がそうとするトランクス。
そんな二人に苦笑しながら、どうしようかと考えていると、後ろから知っている声がした。


「悟天?」
「う?あっ、兄ちゃん」
「(兄ちゃんって・・・。もうなるようになれって感じだな。そして、どんなにあがいてもキャラと絡まなければいけないようだ)・・・ども」
「あっ・・・」


悟飯は気付かなかったようだけど、振り向いたナマエと目が合うと、悟飯は固まってしまったように、一時停止な状態へとなった。


「あれ?悟飯さん何してるの?家に用事?」
「いや、今日から学校に通いだしたから」
「そっか。悟飯さんに彼女ができるのも時間の問題だな」
「あはは。こ、困ったな。・・・で、悟天は何しているの?」
「あー。なんかあの姉ちゃんのことが気に入っちゃってさ。離れたくないとか、また会いたいとか、会える約束しないとヤダとか」
「悟天。困らせるんじゃない」
「う〜。でも、でも・・・」
「すみません。僕の弟が、迷惑をかけたみたいで」
「別に」
「兄ちゃん!お姉ちゃん凄いんだよ?僕たちを助けたヒーローなんだよ」
「ヒーローですか?」
「うん!」
「そうそう。絡んできた悪い奴を、姉ちゃんがこう構えて、えいって投げ飛ばして倒したんだ」


学校の出来事の所為で、悟飯はナマエに対して少し苦手意識があったが、こんなにも悟天が懐く姿を見て、本当はそんなに悪い人ではない気がしていた。


「悟天ー。俺お腹すいたから、早く母さんところに帰ろうぜ」
「う〜。じゃぁ、お姉ちゃんの名前教えて?」
「(名前・・・僕も結局本人から聞けないままだったな)」
「あっ。俺も俺も」
「あっ(ここで、僕も!とかは言えない。子供ってこういった時いいよな・・・)」
「・・・はぁ。言ったら離してくれるか?」
「うん」
「約束だからな」
「うん!」
「ナマエ」
「ナマエ?」
「そ、あたしの名前はナマエだ」
「ナマエ姉ちゃん!」
「じゃ、あたしも用事あるから」
「バイバイ。ナマエ姉ちゃん」
「えっと、またなナマエ姉」



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