09



悟天とトランクスの頭を軽く撫でて、公園から出て行こうとすると、後ろから悟飯が追いかけてきた。


「あの、ナマエさん」
「ん?」
「あの、今朝は頬を叩いて「気にしてないって、言わなかったか?」
「ですが、やっぱり叩くのはどうかしていました」
「はぁ。そんなに人に気を使いすぎ。お前、禿げるよ将来」
「えぇっ!?」
「それと、まぁこっちも(多少は)非はあるし?」
「・・・・・」


急に黙り込んだ悟飯を不思議に思い、少し眉を寄せて聞き返した。


「何?」
「あっ。その、今朝と雰囲気が違うみたいだなって思って」
「あぁ。学校の中だからな」
「どういう意味ですか?」
「学校嫌いなんだ。学校という敷地の中にいると、イライラするし、分かっていても抑えがいつもより効かないあたしがいる」
「そうだったんですか」
「悪かったな優等生君。あの後の空気最悪だっただろ?」
「いえ大丈夫です。こちらも一方的に決め付けて、ナマエさんの心境も知らずといえ、ごめんなさい。あと、僕の名前は孫悟飯です」
「気が向いたら覚えてやるよ」


そう言って、今度こそ去って行ったナマエ。
悟飯は、2人のチビが待つ場所へと戻っていくと、トランクスが首を傾げて悟飯を見つめていた。


「ナマエ姉ちゃんは?」
「ナマエさんは帰ったよ」
「えー。兄ちゃんがナマエ姉ちゃんを引き止めに行ったんだと思ったのに。兄ちゃんって肝心な時にダメになっちゃうんだよねー」
「それはちょっと(いや、かなり傷つくよ。子供の素直な言葉って残酷)。ナマエさんの用事もあるだろうしね」
「あれ、悟飯さんなんだか嬉しそう」
「えぇ!!(するどい、子供でもさすがトランクス君だ。って、僕ってそんなに顔に出やすいのかな?)」
「ほんとうだ。何かいいことあったの?」
「(悟天にまで分かるなんて)ちょっとね。さ、ブルマさんの所に行こうか」
「あーはぐらかした。教えてよ悟飯さん」
「トランクス君に、兄ちゃん待ってよー」


3人は人気のいない場所で舞空術を使って、カプセルコーポレーションへと鬼ごっこのように飛んでいった。

3人は、真っ直ぐカプセルコーポレーション(以後CCでお送りします)へと帰って来た。


「ただいまー。母さん腹へったー」
「おじゃましまーす」
「お久しぶりです。ブルマさん」
「あっらー、悟飯くん。入学おめでとう!今日の夜はごちそうだから、遠慮せずに食べてってね。もちろん昼も」
「すみません。ありがとうございます」
「いいって、いいって。フフフ・・・」


帰って来た3人を迎えるように、ブルマが玄関まで迎えてすぐに、鼻歌を歌いながら研究室へと入って行く。
そんなブルマを3人は唖然とした感じで見ていた。


「トランクス君。ブルマさん何かあったの?」
「なんだか凄く嬉しそうでしたけど」
「いや、俺も知らない」
「「「・・・・・」」」
「と、とりあえず、飯にしようぜ」
「「うん」」



何とも言えないもどかしさだけが残りながらも、3人は空腹には耐えられなく、用意されていくご飯に夢中になって食べていった。



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