ビーデルの中で変化した日



「えっと」
「ビーデルよ」
「そうそう、そうだった。ねぇ、お姉ちゃんも一緒に行くの?」


少しキラキラした目でそう問い掛けてくるので、思わずええと答えてしまった。
横で、えぇっっと驚きの声を上げている悟飯君に言いたいわ。
自分の言葉に驚いているのは私だと。


「なら早くしてよ。せっかく約束したのに、間に合わずに終わってたら@お姉ちゃんに嫌われちゃうよ」
「えっと、それじゃ、ビーデルさん。そういう事なので今日はこ「待ちなさいよ」」
「え?」
「私も行くって言ったでしょ」
「えぇ!本当に行くんですか」
「煩いわね。私が行ったらダメだって言うの?」
「い゛ぃっ(泣かれると困るよ)そんなこと無いけど」
「なら、別に構わないでしょうが」
「そ、そうだけど(二人ってあまり仲が良くなかった気が)」

苦笑しているのが分かるけれども、関係ないわ。

「これが終わったら、教えてもらいますからね」
「は、はい(こっちも諦めてくれてなかった)」
「もう遅いよ。早くしてよ」
「ご、ゴメン悟天。さぁ、急ごうか」
「遅いのはお兄ちゃんたちだよ」
「は、ははは」
「ところで悟飯君」
「は、はい」
「なによその返事の仕方」
「い、いえ」
「まぁいいわ。ところで、どこに向かっているの?」


質問を知らないで言ったんですか?と聞き返されて、少し恥ずかしかったけれども、良いから教えてよというと、前を走っていた悟天君が振り返って答えてくれた。


「えっとね、○×スタジオっていうところだよ」
「スタジオ?」
「うん。そこに@お姉ちゃんがいてね、いっぱいお願いしたら見学して良いよって言ってくれたんだ」


いっぱい?と小さく呟き、横にいる悟飯君を見ると、凄い速さで目をそらされて咳払いをしている。
その行動が何だか気まずいという雰囲気を出していて、きっとお願いじゃなくて、我儘を言って、相手が折れたのねきっと。
そう思ったわ。
でも、どうしてかしら……何か引っかかっているのよね。
その何かがどうしてもわからなくて、少し悔しくて、イライラする。

今はまだ教えてくれないから、ジェット機に乗りながら前を飛ぶ4人を見つめながら時折聞こえる会話を聞いていた。


「あの悟飯さん」
「はい、どうしました?」
「彼女を連れて行っても大丈夫でしょうか」
「それは、その」
「ほら、俺たちはもう知ってしまっているからいいものの、彼女はまだ知らない訳ですし」
「・・・ど、どうしましょうトランクスさん。これって、やらかしちゃいました?」
「えっ、いや、そこまで困らせるつもりじゃ」
「・・・っ!!ビ、ビーデルさん!!」
「何よいきなり大きな声を出して、バランス崩したら危ないじゃない」
「そのっ、やっぱり今日は」
「行くわよ」
「へ?」
「何を隠しているのか知らないけれど、私は絶対に行きますから」
「あぁぁ(先に行っちゃった)」
「悟飯さん」
「もう仕方がないですから、俺たちも行きましょう」
「そうですね」


何を隠しているのか、突然ココまできて来ないでなんて失礼にも程があるわ。
きっと秘密の特訓でもしているに決まっているわ。
場所だって、適当に言ったかもしれないしね。
今日こそは空の飛び方を教えてもらうんだから。


前へ 次へ


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -